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野菜と植木を柱に観光施設型直売
花園町は埼玉県の北西部に位置し、JA花園農産物直売所は関越自動車道、花園インターチェンジから国道140号線バイパスに下りて、1qほど秩父方面に進んだところにあります。
周辺は田園地帯ですが、近年は住宅も増えつつあります。2年前に140号線雁坂峠にトンネルが完成し、山梨県側と直接道路で結ばれるようになったため、バイパスの交通量もさらに多くなってきています。 |
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オープン当初は植木の直売が中心 |
直売所は昭和58年3月にオープンしました。もともと養蚕が盛んな土地柄でしたが、下火になる養蚕に代わる新しいことを模索したJA花園の組合員が集まり、新農業構造改善事業の補助金を活用して始めた事業です。
運営主体は24人で、野菜生産部会、植木生産部会、JA役員、青年部、婦人部から成り立ち、JA花園が管理を行っています。
オープン当初は植木の直売を中心にしていましたが、農産物も扱うようになってきました。
売上げは年間1億円もあれば大出来と考えていましたが、あれよあれよと伸びていき、約11億円になりました。このうち、野菜が約6億円。
開設当初、野菜の出荷登録生産者は40人でしたが、今では268人に増えました。植木の生産者は109人で、現在でも植木の比重は高くなっています。付属の設備は、軽食堂や市民農園などがあります。
開店は午前9時ですが、生産者は午前7時ごろから、農産物を運び込んで平台の上に陳列していきます。専業農家、兼業農家など参加農家は様々で、青年部も40数人いるものの、生産者の高齢化はここでも進んでいます。
直売所向けの生産が増えてきたのと同時に、JAを通じての市場出荷も伸びてきました。野菜の粗生産額の6割が直売所向けになっていて、「顔の見える販売ができる」直売所は生産者にとって大いに励みになっています。
ここで目立つのは、女性の生産者が多いことで、約6割を占めています。農産物や、自分で加工したウコンの粉末などを丁寧に並べている姿が印象的です。 |
厳しい品質管理のもといつも新鮮な状態で野菜を販売 |
陳列は、開店時間の9時ぎりぎりまで続きます。場所は種類ごとに決まっていますが、多くの生産者が平等に販売できるよう、葉物は50袋、ブロッコリ50袋までというように、最大出荷量が組合員の話し合いで決められています。開店時間ともなると、陳列台はほぼいっぱいで、ボリューム感たっぷりです。
シャクシナや山形青菜など一般になじみが少ない野菜、ミブナなど新しく栽培を始めた野菜などには、食べ方が書かれた簡単な説明書が入っていました。
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売上げの管理は、商品に貼られた価格ラベルに印字されたバーコードで行います。バーコードラベルは(小)1枚1.5円、(大)3円で直売所から発行されます。このラベルを商品に貼っておくと、POSレジに連動して集計され、売上金は月3回の払い戻しが受けられます。売上げは多い人で年間約1000万円以上の人が3〜4人いるそうです。
野菜の価格は市場価格をもとにして、主に生産部会の役員が決めます。価格は野菜直売所の外壁に黒板を設置して表示してあるので、消費者も価格の規準が分かり安心できる仕組みになっています。
生産部会から役員が定期的に出て、品質の管理や陳列する量の管理をしています。品質の管理はなかなか厳しく、1度規格外のものを販売すると警告を受け、3回以上警告を受けると販売できなくなります。
売り場の壁面には、参考として卸売市場の野菜品質基準が張り出してありますが、直売所では市場ほどには細かく分類していません。直売所の基準を印刷したものも置いてあり、消費者は自由に見ることができます。外見のよい超一流品はどうしても市場出荷に向けられますが、市場出荷のものと比べて味に遜色はありません。
販売される野菜は、秩父名産のシャクシナ、埼玉県が有数の産地であるブロッコリ、近年力を入れて栽培している京野菜のミブナ、サトイモ、キャベツなど約60品目。イモ類もヤツガシラ、サトイモ、サツマイモ、ジャガイモなど種類が豊富です。
開店15分くらい前になると、表の駐車場は買い物客が乗ってくる車でほぼいっぱいになり、入り口にも人が集まりだします。
午前9時少し前になると、レジ担当の人もスタンバイしていよいよ開店です。平日の来店客は2500人前後、金曜日から月曜日までが特に多くなり、日曜日には5000人にもなります。年間では4〜5月がピーク、このほか福寿祭り、創業祭(4月の第1土曜日・日曜日)、さつき祭り、トウモロコシ祭り、菊祭り、秋祭りなど季節ごとのイベントでにぎわいます。
日曜日は開店後15分くらいもすると、店内は200人ほどの買い物客であふれます。
ハクサイや、タマネギといった場所を取る野菜は直売所の外にスペースが確保され、ハクサイは外壁に沿って並べられます。秋から冬にかけては2個を縛ったハクサイを2〜3セットと買い込む客も多く、中には業者の人もいました。よく知らなかったシャクシナも、直売所で購入したところ、食べ方を書いてあったのでファンになったという人が大量に購入していました。
売れ行きのよい生産者は、もう一度とって返して、また運び込んでいました。お客さんから質問されて、食べ方や野菜の説明をしていますが、人ごみに押されつつ、大声を張り上げて説明する姿は直売所の風物詩といったところでしょうか。
こうして1日に数回は野菜を追加して、いつも新鮮な状態で販売されます。レジの脇で見ていると、消費者1人当たりの購入金額は2000円前後が多いようですが、この金額でカートのかごがいっぱいになっていました。
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隣接して道の駅ができ、観光施設型の直売所へ飛躍 |
昼ごろになると外の植木などを見に来る人も多くなり、ここでも植木、盆栽や花の生産者と談笑する姿が見られます。庭が広いのか、1度に苗木を5本、10本と買っていく人がかなり見られました。また、奥さんが買い物をしている間に植木を見たりしている人の姿も目立ちました。
野菜、植木など以外に、県外の果物もコーナーを設置して販売されています。米の直売も行っていて、キヌヒカリという埼玉県産の米やコシヒカリ、ササニシキなどをオープン形式で精米量り売りをしていました。
買い物客は、遠方から車で来る人の比率が高く約9割、日曜日には2時間半かけてくる人もいました。花園インターチェンジに近く、幹線道路のバイパスという立地に恵まれている点も見逃せません。また、秩父という観光地の帰路に立ち寄って、野菜の品質の高さと値段にびっくりしてファンになった人もいます。テレビで度々紹介され、着実に客数増加につながっています。一時的なブームに終わらず、固定客化につながってきたことが直売所の売上増に貢献したのでしょう。
直売所ができた後、隣接した場所に道の駅ができて観光バスが止まるようになったので、人の流れが多くなり、売上げにも寄与するようになりました。このため、道の駅側にも入り口を設けて出入りしやすくしました。いわば、観光施設型の直売所というスタイルの完成です。
今後の課題は、駐車スペースの確保です。現在の300台では不足しているので、できるだけ拡張して、いつでもゆっくり買い物ができるようにしたいそうです。 |