福島県 川俣飯野農産物直売所
サン・フレッシュ愛菜館
|
|
場所:国道114号線沿い 「道の駅・川俣」内 |
|
TEL:024-565-3211(JA川俣飯野) |
|
出荷者:川俣飯野 農産物直売部会(46人)
出荷者への支払い:月4回、手数料15% |
|
開設年:1996年
営業時間等:4〜10月 11:00〜18:00
11〜3月 11:00〜17:00 |
|
従業員数:18人(アルバイト含む) |
|
来店客数:平日1,500人、日曜祭日2,000〜25,00人
定休日:正月三が日休み |
|
売場面積:約40u
売上高:約5,000万円 |
|
客層:観光客が6割以上、土・日曜ピーク
従業員数:2人 |
| サン・フレッシュ愛菜館福島 |
|
場所:福島市南沢 清水中学校前 |
|
出荷者:川俣飯野 農産物産直部会(77人)
出荷者への支払い:月2回 手数料27% |
|
開設年:2000年6月
営業時間等:11:00〜18:00
定休日:正月三が日 |
|
売場面積:約132u
売上高:約1億円、目標2億円 |
|
客層:半径2km圏の地元客中心
従業員数:5人 |
|
|
問い合わせ
JA川俣飯野
〒960-1406 福島県伊達郡川俣町大字鶴沢字鶴東24
電話024-565-3211 |
|
|
コンテナ利用の工夫で効率化
直売所脇のひまわりの花を思わずパチリ。
ホームページだけのオマケ写真です |
|
 |
|

|
 |
市場用と直売所用を同時出荷 |
朝8時半過ぎから、福島県伊達郡川俣町にあるJA川俣飯野の野菜集荷場に、生産者が荷を運び込んできます。ダンボールケースは市場出荷用、コンテナは直売所向けの野菜です。市場出荷用にうず高く積まれていくのはミニトマトの箱。今や福島県産としては有数の市場評価を得られるようになっています。
「ミニトマトに着目して4人で生産を始めて17年、今ではJA管内で6ha、90人くらい作ってるよ。ミニトマトは99%市場出荷。みんな大きなトマトが好きだから、直売ではあまり売れないんだ(笑)。いろいろ品種の変遷はあったけど、今年から『千果(ちか)』が推奨品種になった。あれは食味、食感もいいし、病気に強くて作りやすい。収量もこれまでの『ミニキャロル』よりやや少ない程度だから、品質のいい分単価が上がれば完全に有利だからね」
川俣町は、かつては養蚕、今はタバコ生産や酪農、稲作が盛んで、野菜は主力ではありません。そうした中でミニトマトを導入して地域の農業に貢献したとあって、佐藤真一さんはちょっと自慢げです。
|
 |
|
タキイ作成(園芸新知識より) |
|
| 川俣飯野の農家の直売所「サン・フレッシュ愛菜館」は2カ所あり、出荷する生産者組織がそれぞれに作られています。集荷場から200mほどの「道の駅」敷地内にある直売所は直売部会、さらに20数km離れた福島市内の店は産直部会の組織で、佐藤さんは産直部会の会長を務めています。サン・フレッシュ愛菜館福島は川俣管内から離れた所にあるため、いったん集荷場へ集められてから運搬するのです。 |
「消費者に、我々生産者が食べているのと同じものをその日のうちにおいしく食べてもらえるのがいいよね」と佐藤さん。この日は約10種類の野菜を運んできました。野菜はコンテナからはみ出ないようにきれいに並べられ、バーコードが印刷されたラベルが貼り付けられています。集荷場のパレットの上に生産者はコンテナをどんどん積み上げていきます。値付けは生産者個人の裁量に任されていて、部会では参考に市況情報を流す程度です。
9時20分、大型トラックがやってきました。フォークリフトで、次々にコンテナを積み込んでいきます。約10分で集荷作業を終えると、直売所のパートさんがレジ用のお金をもってトラックに同乗し、出発進行! |
|
15分でコンテナ陳列が完了 |
 |
トラックは10時に福島市北西部を走る福島西バイパスから3分ほど住宅地に入った所に到着しました。敷地の中にこぢんまりとプレハブが建っています。
ここ愛菜館福島には、白く塗られた鉄の枠が4列に並んでいるだけです。トラックが直売所に横づけされると、フォークリフトで店内にコンテナが運び込まれ、待機していたパートの女性の手で、枠の上に手早く並べられていきます。コンテナを斜めに陳列できる特注サイズなので、野菜を並べ替えなくてもコンテナを並べるだけで完了です。野菜約240、花と加工品で約20のコンテナを陳列し終えるまで15分という早業です。各コンテナが、いわば生産者のミニ店舗のようなもの。野菜の特徴や食べ方を書いたPOPがあったり、漬物の試食用見本があったりと各生産者が趣向を凝らしています。 |
| 横づけされた大型トラックからフォークリフトで店内にコンテナを運ぶ
|
|
|

|
開店10分前、4カ所ある出入口には買い物客が並び始め、後ろの人は背伸びをして店内をのぞいています。どこに何が並んでいるのかを確認する目の動きです。店内壁面には生産者の顔写真が貼られているので、常連客にとっては「○○さんの野菜」を買うことが今日の目的なのです。開店時間になると、お目当ての品物へと一直線。エダマメはあっという間になくなって売しまいました。
ここは集荷場と直売所が離れているので、売れてしまったら補充はありません。売れ残った商品は、閉店後コンテナを下げて戻るときにJAの職員がいっしょに下げてしまいます。戻されたコンテナに、ほかの生産者の商品が混じることもありますが、食べ比べてみるのも勉強だそうです。
生産者に支払う際には27%の手数料が引かれますが、この中から毎日のトラック運送費や人件費等が支払われます。
とはいえ、愛菜館福島は川俣町、飯野町を越えて福島市館内にあるため、調整には大変苦労しました。川俣町の愛菜館を利用していた車客からの要望と大消費地に出店したいという生産者の熱意でオープンにこぎつけたのです。
この日、愛菜館福島では年2回開催される感謝祭がありました。直売所脇の特設テントに大鍋でゆでたトウモロコシや、冷やしたカットスイカを提供し、即売が行われ、朝から大盛況でした。 |
| 特注の枠の上に手際よくコンテナを並べていく。コンテナは平均10個、多い人では30個所有している(愛菜館は貸し出し)。二種兼業農家が多い地域だが、直売所だけで約800万円売り上げる生産者もいる。 |
|
|

|
|
「愛菜館福島」で年2回開催される感謝祭では大鍋でゆでたトウモロコシや冷やしたスイカなどがふるまわれ大盛況 |
|
|
「道の駅」の集客力を高める
|
川俣町「道の駅」の愛菜館でもイベントを実施していました。
「このごろは直売所めぐりをする人がいるので、大きなイベントのときは同時開催するようにしたんですよ」。直売所の菅野進さんが笑います。
愛菜館では午前と午後の2回、ミニトマトの早食い競争が行われていました。1位の人は2分間になんと500gも食べて野菜の賞品をもらいました。ミニトマト早食い競争の記録は、PRを兼ねて町の公認記録にしていきたいそうです。
|

|
|
|
|
|
「道の液」の「愛菜館」では開かれていたイベントは、制限時間2分のミニトマト「千果」早食い競争。実は直売所関係者が「隠れチャンピオン」で540g食べた。 |
|
毎月何かしらイベントを実施し、年8回は新聞にチラシを入れています。毎回、道の駅や直売所を訪れた人が参加できるように工夫し、季節野菜のプレゼントや試食を行っています。今回のように年2回という大きな催しとなると、愛菜館だけで人出は3000人ほどになりました。
直売所の野菜が最もにぎわうのは夏から秋にかけて。人気があるのはトマトで、そのうち「桃太郎」が5割を占めています。
ナスは、長ナス、小ナス、水ナスなど多彩です。ある生産者がナスにトウガラシを加えて「ナス炒めセット」として売り出したところ、そのスタイルが流行になりました。
キュウリは「夏ばやし」が出荷の中心ですが、直売用には「夏すずみ」が好評で約3割、ほかに白イボキュウリや自根(じこん)キュウリと書かれたものなどがあります。
「最初のころはジネキュウリって何ですかって聞かれましたよ(笑)。消費者も直売所ができてずいぶん野菜を知るようになりましたね」
簡易テントで1日数万円ほど販売していたのが、口コミで売れるようになり、プレハブの建物にしました。立派な「道の駅」の前に、わずか120万円で建てた愛菜館があり、互いの集客力を高めあっています。小さな直売所は、いまや道の駅に匹敵するほどの売り上げをあげるまでになりました。
広さは愛菜館福島の3分の1程度ですが、中はやはりコンテナ式陳列です。愛菜館福島は業者に頼みましたが、こちらは職員の菅野さんが自分で内部の鉄枠を溶接し、コンテナの傾き具合を少し改良して製作したそうです。
「直売所は売り上げを期待するものではなく、あくまでも販売の一手法として生産者の主体性に任せる形にしています。いかに経費をかけずに利益を生み出すか。そして早く陳列するか。それには建物にお金をかけないこと。プレハブならばいつでも移動できますからね。補助金は一切受けませんでした。
始まった当時はパートはいなかったけれど、生産者たちが自分たちでお金を出し合って雇うといった具合に、自分たちの直売所だという意識が高まっています。ただし、売れるからといって高い値を付けると売れなくなりますね。それを回復するには2カ月くらいかかりますから、信頼を得るというのは大切だと思います」
生産者は市場用、直売用と品種を使い分けて出荷するほど熱心です。とはいえ、仕入れを一切しない主義なので、冬になれば商品が少なくなります。春から秋の6カ月間が勝負の時期です。今後も、生産者に負担をかけることなく、生産者の励みになる直売所を心掛けていきたいということでした。
|
|