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西洋梨と文学
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| ラ・フランス。最近の洋梨には、この銘柄の実が多い。充分に熟したものは、香気高く甘露したたか。
「これはなんと、おいしいものですね」と好きな方は、のどをお鳴らしになる。 けれど、風味が好みに合わない方もある。「あればどうも苦手」と聞くと、食べごろをご存じないのではないかなどと、気がかりになる。ごつごつした形の硬い実をすぐに切っては、誰しも苦手となってしまう。少しゆっくりと待って、指先にやわらかさが感じられるようになってから味わいたい。 山形からまだ硬く青い洋梨が送られてきたのは、もう半月も前のこと。これくらいの若さでないと、傷みやすいからだろう。とはいえ、完熟を待つのは、なかなか待ち遠しかった。 沖縄で、瓜かしらと思ってよばれた煮き合わせの野菜が、「若いパパイヤだよ」と聞いたことがある。それにヒントを得て、硬い洋梨を薄く味つけして、海老との一鉢にした。透き通っていておいしかった。甘煮もよいが、なまが熟せば、そればやっぱりすばらしい。 |
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「野菜のこよみ くだものの香り」 岡部伊都子著 創元社 |
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