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団員の一言1996-97
ミカンあれこれ
 
果物の神様
 蜜柑を我が国に紹介したのは、田道間守(たじまもり)公と伝えられています。

 『記紀』によれば、第11代垂仁(すいにん)天皇は不労長寿の霊果を求めてくるようにと田道守公に命じ、公は中国に渡って十数年の艱難辛苦の末、持ち帰ったものが非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)、すなわち「橘」であったと伝えられています。しかし、天皇はすでに崩御されていたため、西暦71年、嘆き悲しんだ公は天皇陵に橘を捧げて命絶えました。

 
みかんと菓子の祖神「田道間守公の肖像
 その橘が日本で最初に植えられたのが和歌山県の橘本(きつもと)神社で、現在は「菓子の神様」として、菓子業に携わる人々が多く訪れます。

 上代の菓子は、久多毛能(くだもの)であり、古代の人々は果実や木の実をおやつ代わりにしていて、いつしか水菓子と呼ばれるようになりました。しかし、時代の変化とともに、菓子といえば、和菓子や洋菓子をさすようになり、「水菓子」というしゃれた言葉も今ではきかれなくなってしまいました。菓子の神様といっても、本来は「果物の神様」であるわけで、果物店の中には毎年お詣りをする人もいます。

 田道間守が苦労の末に遠い国から橘を運んで帰る様子は、『田道間守の歌』となって、42年(昭17)に国民学校の教科書に掲載されました。橘本神社に行くと、その歌碑を見ることができます。
 毎年4月3日が菓子祭・全国銘菓奉献祭で、10月10日が例大祭・みかん祭になっています。
橘本神社
 〒649-0144 和歌山県海草郡下津町橘本125番地
 TEL0734-94-0083 FAX0734-94-0949
 参拝順路:
 JR紀勢線加茂郷駅下車、東3.5km
 JR紀勢線海南駅下車南へタクシー10分
 国道42号線下津町小南交差点、東へ3km
 阪和自動車道下津インターより西へ500m
蜜柑の皮投げ
 『江戸の女たちのグルメ事情』(渡辺信一郎氏著)によると、寛政時代、芝居小屋で、芝居を見ながら蜜柑を食べ、その皮を舞台の役者や観客席の美人に投げつけるということが流行ったそうです。「蜜柑の皮の飛ぶ所にいい女」「天人(美女)が土間(一階席の切り落とし)で蜜柑の花が降り」などの川柳で、その様子がうかがわれます。

冷凍ミカン
 昔ありましたね。中年以上の方ならば、駅の売店で冷凍ミカンを買って食べたという思い出を誰もがお持ちでしょう。「夏の時期、あの冷凍ミカンで喉の渇きをいやしたものだったね。いや〜、懐かしいなぁ。そういえば、渡辺のジュースの素なんてのもあったなぁ」。ちょっと待って。『渡辺のジュースの素』はすでに過去のものですが、冷凍ミカンは今も売られているのです。でも、あれって売れるのでしょうか。

 話はそれますが、『渡辺のジュースの素』に水を注いでかき混ぜると、冷たい水であるほど溶けなくて粉っぽかったものです。濃すぎると喉が乾くし、薄めすぎると味気ない。その調節がむずかしかったけど、よく一世風靡しましたよね。あれは考えてみれば、蜜柑味もどきでした。

温州ミカン
温州ミカンは外国では「さつまオレンジ」「マンダリンオレンジ」、テレビを見ながら気軽に食べられるところから「TVオレンジ」などとも呼ばれています。ヨーロッパを旅して「SATSUMA」とPOPに書かれているのを見かけて懐かしく思った人もいることでしょう。柑橘の大産地スペイン産のものがEC諸国に出回っているようです。

表年、裏年

「ことしは表年なので豊作だ」とかいうのを耳にしますよね。俗によく成る年を「表年」、成らない年を「裏年」と言います。表年と裏年の収穫量の差は約2割といわれていますが、価格は表年に暴落、裏年に高騰するというように、差が出てきます。

 表年は、木の栄養が果実に回って枝の伸びと栄養分の蓄積が悪くなると、実がつく枝が減ってしまって、翌年は木のほうに栄養が回るのです。この現象が全国的な傾向として「表年、裏年」といえるというのが不思議ですね。とはいえ、必ずしも交互に表、裏となるかというとそうでもなく、裏年が2年続いたりします。寒い年には落ち葉が増えるので、木の成育が悪くなって、花がつかず、裏年になってしまうのです。

 産地では表年に果実を摘んで表年と裏年の格差を調整する方法などがとられています。


ミカンとオレンジの子供、タンゴール「清見」

 ミカンのように皮がむきやすいオレンジがあったなら……その期待にこたえたのがミカンとオレンジを交配してできたタンゴール第1号です。その名は「清見」。1979年にデビュー以来、タネが少ない、香りや色がいい、味がいい、と両方のいいところを受け継いで柑橘界の期待の星になっています。でも、皮のむきやすさはいまいちかな。


11月3日、12月3日は「みかんの日」

「○○の日」にあやかって、11月3日と12月3日は「みかんの日」。ミカンを生産している産地が結束して「日本みかん農協」という名称で、毎年各地でイベントを催しています。
酸っぱいミカンを甘くする法
 ミカンには甘みと酸味があります。この甘酸相和す味を「コクがある」というのです。専門店は、ミカンのコクにこだわる人は多いのですよ。 

 ところで、酸っぱいミカンを甘くする法というのをTBSテレビでやっていました。ズバリ、それは電子レンジでチンするのだそうです。こうすると、酸味がとんで少なくなるので甘みが強く感じられるのです。実際に電子レンジでチンした後に、甘みと酸味を量り、数字で示していました。実験に加わった人が3人とも、チンしたほうを甘いとして選んでいました。
 
 日本テレビの「伊東家の食卓」では、かつて自転車の荷台でミカンが転がると甘くなるという実験をしていました。これも同じ原理です。だから、酸っぱいグレープフルーツなどもネットに入れて振り回したり、コロコロ頃がしたりすれば、少しは甘くなるというわけです。テレビ局は違うけれど、こういう情報番組は同じプロダクションが制作するのかなぁ、それとも、情報番組系は他局の番組もチェックしておもしろそうなネタは自分のところでも使うのかなぁと思ってしまいました。だから、マスコミに一度取り上げられる店や商品は、次々に紹介されて有名になるんですよね。でも、果物の普及のためには、こういう現象は歓迎すべきことです。
 

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