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ミラクルフルーツ と 宇多田ヒカル

99/05/30


 3年くらい前「ミラクルフルーツ」なるものが一時 流行して 消えていった。TV特番でいえば[あの 人は 今何処?]という ところか。

 芸能界は今年に入って台風の目になった「宇多田ヒカル」が大ブレークしている。「ミラクルフルーツ」と「宇多田ヒカル」脚光を浴びるまでの 道程を ちょっと検証してみよう。

 メディアを利用していたのは言うまでもない。「それを口にすると 全てのものを甘く感じさせてしまう果物、まさにミラクルなフルーツ!」これに類似したコメントが 週刊誌 新聞 ワイドショーなどなどで活字となり、 レポーターが実際体験し 報告する番組を作る。あちこちの番組で 競い合って レポートしていた。

 情報が 広く伝わった。口の中で 転がすだけで酸味を甘味に変えてしまう物。そして 不思議な果物は興味津々抱かせて市場に姿を現した。

宇多田のほうは、0-100まで緻密に繊細に営業戦略にでた。CDをメインにとにかく「歌」だけを流し続けた。人伝に広まり「あの歌を歌っているのは誰」と、聞くものに抱かせ、じらし続けた。人間の心理で耳から離れないメロディは自然と、買ってすべてを聞いてみたくなるものである。

 やがて 顔が見え プロフィールが明かされ みんな唖然。「16だって……」曲を流し続けた影響で抜群の歌唱力が先行して16という数字に驚かされ、藤圭子の娘でNYっ子ときたものだ。そして先日 CDが500万枚突破。緻密なメディア営業戦略が大成功した 良い例である。

 両者ともメディアを最大限に活用した戦略。そこまではよかったが宇多田のほうは興味を抱いた音楽好きな人は 自然な行動として CDショップへ 駆け込んで ゲット。3千数百円払うのもなんら抵抗ない。

 こけてしまったのが ミラクルフルーツ。輸入業者から仲卸へ「渦中の物」が姿を現した。赤黒く親指第1関節くらいの「もの」、値段も「おおもの」、この時点で 勝負あった。

 1粒の市場出回り価格1000〜1500円也。大きさと値段のギャップもさることながら情報が 先に入っている 珍し大好きな消費者はふと考えた。

 「甘酸を一時的に騙すその他に 何か使い道 あるのだろうか?」

  値段が この様な考えを誘導したのだろう。1回試せばそれで満足。2回目はない。

 「宇多田ヒカル」は情報を最大限に利用し時の人になり、「ミラクル」は “レモンでも甘く感じる”一辺倒の情報しか流せず ワイドショー的情報で騒いだ割には……である。

 ワイドショー的情報ではミーハー情報になってしまう傾向が強くメジャーな「もの」に育っていくには 確固たるプロジェクトチームが存在するのが絶対条件であろう。ミラクルフルーツには 残念ながらそれがなかっただけのことであろう。

 先日「アド街っく天国」12チャンネル土曜9時を見ていたら ミラクルフルーツが久々登場したので、懐かしくなって書いてみた次第です。出演者全員 レモンまるかじりで「甘い」「うまい」「レモンってこんなに甘い!」と感想を言い、ムシャムシャ食べている。どこか 滑稽である。

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