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フルーツショップ青木

〒963-8002 郡山市駅前2-7-12

営業時間8:00〜19:00  年中無休

アーケードのついた商店街の外れから2店目にある

左から小椋さん、根本さん、横田専務、横田さん、アルバイトの柴田さん、従業者数は10人

 福島県郡山市には、和洋菓子を扱う「三万石」と薄皮饅頭の「柏屋」という土産菓子で全国にも知られる二大名店がある。だが、水菓子(果物)の名店といえば、「フルーツショップ青木」だろう。

 駅前大通りから三万石で右折すると、数十m続くアーケード通り商店街がある。その外れから2店目。商店街といってもパチンコ店など遊興施設などが並んでいる。こんなところに果物店が?といぶかっていると、あった!!。ひときわ明るい照明で、店頭では若い女性が道行く人に対して大声で試食販売をしている。

 この通りは10年前にはダイエートポスに近く1日3000〜4000人もの人出があったが、トポス撤退後は1000人程度に落ち、昔から営業しているのは、書店、玩具店と当店の3店になってしまったとか。近年急速に夜の街になってしまい、昼間は通り自体が沈滞ムードになりそうな雰囲気を、果物店店頭の明るい元気な声が吹き飛ばしているような感じである。

 フルーツショップ青木(株式会社エフディエス)は、ショッピングセンターなどに野菜売場を3店もつ青木グループの1社だが、経営は独立している。訪問した日、青木和香子社長は所用で不在だったが、仕入を担当する専務の横田敦さん(以下横田さん)と、フルーツコーディネーターで販売を取り仕切る横田恭子さん(以下恭子さん)が取材に応じてくれた。2人は職場結婚をしたが、出会いのきっかけとなった果物を愛し、仕事を心から楽しんでいる。社長の話を伺うのは次回の楽しみとして、まずはこの店の様々な取り組みをお伝えしていこう。
   ●リニューアルしてギフト客が7〜8割に: 
 2000年に全面リニューアルした店内は白い壁面で白木の陳列台、明るい照明で、清潔感のある造り。改装を契機に新しいことにいろいろチャレンジしてきた。その効果があがり、客層は明らかに変わった。以前は店頭売りが中心だったが、現在はギフトが7〜8割を占める。ロスを出さないように工夫しているので粗利も高く、売上げは横ばいで推移していても、利益率が高い経営になっている。

 ●メロンセラーで高級感を演出:
店に入るときに目につくのは、メロンセラーである。高級なマスクメロンをここまで徹底して温度管理しているということで、店のグレードを増すには大いに貢献している。
 「温度は15〜20℃で設定しています。生産者は2人に絞り込んでいますし、ここに入れてから5日で食べ頃になるので、年間を通して食べ頃がわかるようになりました」(横田さん)

改装時にメロンセラーを併設した

 ●大田市場仕入れと産地市場を使い分ける:
  果物の大半は大田市場の仲卸から仕入れ、一部地元市場からも仕入れている。大田市場からの荷が郡山市地方卸売市場に到着するのを毎朝取りにいくのは横田恭子さん。
 一方で横田専務は味にこだわった果物を確保するために、福島周辺に車を走らせる。そうやって確保したものは、すべてフルーツショップ青木の地方発送を支える商品になっている。

 山形県天童市の地方市場で生産者番号を確認して仕入れる桜桃(高速道路を使って片道1時間40分もかかるが、それでも十分引き合う)、光センサー15度以上の桃(福島といえば桃が名産)、会津身不知、あんぽ柿(名産地まで片道40分)などである。中には荷が足りなくなると夕方再び取りにいくというようなこともあるが、直接自分の目で見極めて仕入れた商品は着実に利を生んでくれている。産地に出かけ、苦労して入手した商品は、それだけ熱意を込めて販売することもできるからである。

 「遠くても苦にはならないし、おもしろいですね。サクランボはほとんど全部競売です。こんなのもあるんだなという発見があるし、行っていて楽しい」(横田さん)
 また、リンゴ、西洋梨のオーロラ(長野県)やル・レクチェ(新潟県)なども好評である。

●New X:
  こだわりの味という点で、冬季の主役に躍り出たのはイチゴである。
 
  その名も「New X」。アイベリーのように大きく、章姫のように形がよく、何より味がよい。発売4年目を迎え、すでに地元のテレビで3回は紹介されている。近郊に住む生産者が生み出した傑作だが、量が出ないので現在は青木の独占販売。これもシーズン中(12月〜翌年5月)は毎朝受け取りに行っている。
 
  「1〜2月の完熟品は本当においしいです。果肉がなめらかで、甘酸のバランスがよい。その生産者に甘いという感想を言うと叱られるんですよ。果肉はどうなのか、とかもっと具体的にと言われるんです」(横田さん)
 
「イチゴが発送できるのかと半信半疑でしたが、ようやく無事にお届けできるようになりました。パックではだめだし、1個ずつ薄葉紙で包んでもだめ。そこで、生産者の段階から傷が出ないように容器を工夫して出荷してもらうようにしました」(恭子さん)

 客が客を呼ぶ形で広まり、固定客がついてきた。1回で10〜20件も贈答注文する人がいる。1月下旬に地元の新聞で紹介されたために、てんてこまいの忙しさになった。なんと1月の売上げの半分以上をイチゴが占めるほどになっている。

 これらはシーズン価格を決めて(250g1000円、350g1500円)DMも出している。ところが、昨年は思わぬ寒さでクリスマスシーズンに完熟品が揃わず、一部は年明けの年賀用に振り替えてもらった。こういうときに天候に左右される自然の実りを扱う難しさを感じるという。
白木でナチュラルなイメージに統一、生産者のイラストや新聞記事を添えてPR。

←イチゴとキンカンなど、イチゴのギフトにバラエティーをもたせている
 1万ケースとまではいかないが、イチゴの発送件数では全国有数を誇るかもしれない。アメリカに転居した人からも日本の友人向けに注文があった。「あのイチゴが食べられないのがさびしい」という声をきくと、一層の励みにもなるという。
 
 ●情報を添える:
冬から春にかけて、主役の座は地元のイチゴだが、南国生まれの柑橘たちにもきめ細かな対応が見られる。柑橘は扱う側はよく承知していても、消費者には名前や味が浸透していないものが多い。このため、1個1個に名前を書いたり、食べ方や切り方などを図解して楽しいPOPにしている。こうしたPOPや店のお知らせが店内のあちこちにあるので、楽しい気分にさせてくれる。果物のエピソードや栄養についてのコメントなどを記すため、果物の新刊書には常にチェックしているそうだ。糖度もPOPに添えていて、かなり注目してもらえるようになった。

「オレンジを横半分にして扇型にカットするスマイルカットにすると食べやすいと提案したところ、喜ばれました」(恭子さん)
様々な情報をPOPで提供。果物の食べ方や、市内無料宅配の案内、効用、様々なギフトの紹介など、とてもきめ細やか

●すべてをギフトのチャンスに:
ギフト関係の提案だけでも、フルーツフラワーギフト、1000〜2000円が売れ筋になっているプチギフト、結婚式の引き出物ギフト、ホワイトデーや母の日などのシーズンギフトなどありとあらゆる機会をとらえてギフトを呼びかけている。すでに結婚式の引き出物としては2回ほど活用してもらい、母の日のギフトも花と果物を組み合わせたものが定着し、年間のギフトとして売れるようになってきた。

●頒布会で固定客化:
頒布会は20年前から続けていて、毎月Aコース=2〜3種類(3500円)、Bコース=Aコース+季節の逸品(5000円)、特旬コース=季節逸品を単品で(3500〜5000円)のコースがある。期間はフリーエンドコース(1年以上好きなときまで)、6ヵ月、12ヵ月、お試し3ヵ月コースと選択肢が多い。
 
ピーク時には会員も300人を数えたが、現在は約180人。それでも20年続けている人が半数近いというから、どれほど信頼を培っているかがわかる。
 
「かつてはいろいろな種類のものを味わってもらう目的でしたが、現在は旬の時期に味のよいものをお届けするという形になってきました」(横田さん)

 くだもの頒布会の案内については、商品内容のほか、お店のちょっとしたエピソードを記しているのが好評だ。

 

花と果物を組み合わせたフルーツフラワーギフトは母の日には特に好評(左)
手軽なプチギフトに力を入れる(中)
 結婚式の引き出物も提案(右)

 
 

 ●効果的なご用聞きサービス:
  頒布会をさらに推進したのがご用聞きサービスである。働いている女性、年配の人、小さな子供がいる家庭、重い荷物をもつのが苦手な人など様々な利用が考えられる。そこで、1999年から「バナナ1房200円から市内無料配達」というご用聞きを始めた。ご用聞きを希望するお客に対して電話かFAXで案内しているが、A社には月・水・金にFAXの案内・注文書を入れ、B病院は木曜日に電話をするというようにして、確実に注文につながるようになってきた。FAXでは上半分に「本日のおすすめ品」として果物とデザートを紹介し、下半分に時間を指定できる注文書を付けておく。会社向けにはランチ用のデザートなどもよく出るという。

 「商店街の人通りが減ってしまったことがご用聞きを始めたきっかけです。待っていてはいけない。こちらから出ていく商売をしたいと考えました」(横田さん)

 「近くのものならば果物以外の買い物も引き受けて届けてあげているんですよ」(恭子さん)

 ●デザートコーナー:
  リニューアル1周年を記念し、2001年5月より始めた。改装時に2階にキッチンをしつらえ、いつでもパーラーなど飲食ができる態勢をとっている。その前段階として始めたのがデザートフルーツ。季節ごとに工夫し、3〜4月は限定デザートとして、スプリングハート(300g300円)を発売した。カットフルーツにシロップを入れた器が持ち帰りの際、こぼれてしまってもったいないという声をきいて工夫した「ぷるるんゼリー」が現在では最も人気がある。2004年には道路拡張のため、当店が角地になる可能性があるらしいのだが、そのときの事業展開に向けてもデザートフルーツには力を入れている。
フルーツデザートが1年で人気商品に。ランチタイムはミニカップ1パック250円→200円も実施。市内無料配達なので、会社からの注文もある。
【フルーツデザート】
グレープフルーツゼリー「グレージェ」
いよかん丸ごとゼリー(「い〜よかん」のネーミングで受験生にも売り込む)
ゴールデンパイン
ぷるるんポンチ(一番人気)
フルーツパニエ
【カットスイカ】
ゴールデンパイン、アールスメロン
【100g250円、300円の量り売り】
シトラスサラダ
トロピカルサラダ
スプリングハート(季節の限定品)
 

 ●試食販売:
  さらに、試食販売も力を入れている。ふつう高級イメージの店は店頭に出てスーパーの催事のような声がけ販売はしない。だが、ここでは年間を通して試食販売を実施している。
 「昨年の日果連青年会議で皆さんが交代で販売の実演をした時に、商品を手にもっていました。それまで試食台に置いたままだったのですが、以後、器を手にもつようにしました。これだけで試食してくださる人が増えました」(恭子さん)
 ちょっとしたことでもヒントにしてしまう。同業種異業種、街の中、すべてが経営のヒントになり、よいと思ったことは取り入れてみるそうだ。

 ●目標設定:
  取材した日に店頭に立っていたのはアルバイトの高校生。おもしろいのは通常のバイトならば580円のところ、店頭販売で1時間5000円以上売れれば時給が700円に上がることだ。やればやっただけの上乗せがあるだけに、学生も張り切るから、この日は店頭に立った3時間分の「高給」をゲットした。
 アルバイトやパートだけでなく、社員に対しても、販売だけでなく、いろいろなことに目標を定め、それをクリアするとよりよい収入ということを実施している。決して無理ではないところに目標を置くので、がんばってみようという動機付けになっている。
「目標がないと、店にきて作業して帰るだけになってしまいます。達成感をもってもらう意味でも効果をあげています」(横田さん)

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 この店のレポートで、みなさんにも元気をお届けできれば幸いである。(2002年4月) 
 

 フルーツショップ青木の頒布会お知らせのパンフレットには、メッセージのところに、度々お客様との心温まるエピソードが綴られている。小売店冥利ともいえる「うれしかった話」をどうぞ。


●素敵なステッキの話
 
 
 先日、お店にいらした女性のお客様が一本のステッキを私達に見せて下さいました。
 そして、お客様は私達に「このステッキは何の木からできているかわかる?」と質問され、「青木さんと、とても深い関係のものなのよ」とおっしゃいました。丈夫でしっかりしたこのステッキは、何の木なんだろうと眺め考えているとお客様は笑顔で「十数年前アボカドの苗を青木さんからいただいて、部屋の中で大切に育てていたのですが、主人が太陽にあてるんだと外に出したら、葉っぱが全部落ちてしまいせっかくのアボカドを枯らしてしまったの」と、一年ぐらい鉢のまま置いていたアボカドの木を取り出したところ枯れたはずのアボカドの木はしっかりと一人の女性を支えられる、とても丈夫な一本のステッキになっていました。

 アボカドの種の部分がちょうど手のひらに優しくあたり、何とも言えない感触でした。お客様は、他に買って来たステッキもお持ちだそうですが、それらのステッキはどうしても体重をかけるとお洒落にカットされた部分が手のひらにあたり痛くなるので、「結局はこのアボカドのステッキをつかってしまうの」と・・・。
 温かい幸せな気持ちで出掛けられそうな、どこにもないハンドメイドの素敵なアボカドステッキに出会いました。(2001年3月)
 


●AOKI限定品種 New X世界進出!? 
 

 昨年暮れの出来事・・・
 「今、アメリカからなんです」と一本の電話が入りました。聞き慣れたお客様の声、たしか埼玉県だったと・・・ところがご主人の仕事でアメリカに転勤。国際電話!!
 「もう、そろそろNew Xいちごの季節と思って電話しました」とアメリカに行ってもNew XいちごのことAOKIのことを思い出して下さったことに感動!
 「発送したい場所があるのでFAXで注文します。お支払いはインターネットで振り込みます」ということで日本にいなくても注文できるということにまたまた感動いたしました。
 AOKIもNew Xいちごで世界進出!!
 なんてそこまで気持ちはたかまりました。すごく便利な世の中になり今やインターネットでお買い物・・・でも、AOKIの果物がつなぐ人と人のつながりがとても嬉しく本当に感動しました。
 ただ残念なのは、この便利な時代でもアメリカへNew Xの味覚と香りをお届けできないかというところでしょうか・・・。
 今年も皆さんに感動していただける美味しいくだものや食文化の提案をお伝えしていきたいと考えております。(2002年1月)

フルーツショップ青木 TEL024-932-0190 FAX024-932-0418 
【追記2004.5.7】2004年2月、タルトのお店「ル・ヴェルジェ」をオープン。うすい百貨店の前が目安です。火曜定休。