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株式会社 アポロ13号果実

愛媛県新居浜市菊本町1-1-32

営業時間:9:00〜19:00(年中無休)

元塚本店は商店街中程より78年に移転してきた。34.7u。営業時間9:00〜19:00で年中無休

左から後藤泉さん、陽子夫人、
陽子さんの姉 伊藤美代子さん。壁面には宇宙空間がデザインされている


 
  ●新しい果物店をめざした店名

  愛媛県新居浜市は人口13万人、元禄時代に別子銅山が開坑され、今では四国屈指の工業都市になっている。アポロ13号果実の後藤泉さんはスーパーの青果部門に5年間勤務した後、1971年に独立して自分の店をもった。昭和通りに沿って、元塚から桟橋入口までのバス停5区間が中心市街地になっている。同店は元塚交差点で下車して数分の所だが、商店街とは分断されている。

 1969年7月19日にアポロ11号が人類史上初めて月に降り立った。宇宙へはばたくほどに大きな可能性に期待し、店名はアポロ13号果実に。1970年に飛び立ったアポロ13号は月には着陸できなかったものの宇宙飛行士たちが地球へ帰還するまでを描いた映画にもなり、人々の記憶に残る宇宙船となった。そして、アポロ13号果実も印象に残る店名がいつしか地域一番店として覚えられるようになった。看板の店名は、黒い文字の中に「13」と「果実」だけ赤い文字で書かれていて、インパクトが強い。通りは車の通行量が多いが、ゆきかう車からよく目立つようにした。

 店内に入ると、片側壁面に、青い宇宙を進む宇宙船の姿が描かれている。アメリカのアポロ計画は1972年のアポロ17号で終わったが、アポロ13号果実の夢は常に持ち続けたいと壁画にした。


  ●産地の店としての誇り
 
 愛媛県といえば柑橘は特産である。4月下旬の店頭には、晩柑類が豊富に並んでいた。

 「産地の店なのだから、地元の愛媛産でなくては意味がないでしょう。これだけ高品質なランクのものを揃えている店は愛媛でも少ないと思いますよ。でも、地元の市場では手に入らないんです。産地が東京、大阪などを指定市場にして、良いものは県外へ出してしまうから、うちの店も東京の仲卸から仕入れているんです。荷物は東京経由で愛媛に戻ってくると4日かかるので、産地に直接送ってもらえるように頼みました。柑橘が特産なのに、こちらが望む品質を入手できないなんて、おかしいですよね」

 後藤さんは産地が東京ばかりをめざすのは納得がいかないという。現に仕入先からは、愛媛の柑橘を販売する量はダントツにアポロ13号果実が多いと聞いている。それは、産地果物店であるだけに圧倒的に贈答需要が多いからだ。愛媛の産地から東京へ販売された高級柑橘を、愛媛のアポロ13号果実が仕入れ、それを県内及び首都圏の多くの顧客へ送っている。産地の果物店ならば安心、と消費者が思うのは当然だろう。そして、期待に違わぬ品として、毎年注文を寄こすのである。
 
 「不思議なのは、地元の人が日の丸みかんを知らないのに、東京の人が知っていることなんです。東京によい品が全部行ってしまうんですね。でも、産地JAに言わせると、愛媛では扱い量が少ないからどうしようもないのだそうです。特産果実ならばみんな大事に売ると思うのですが」

 みかん、ハウスミカン、デコポン、清見、美生柑、アンコール、ポンカン、文旦、安政柑、八朔、紅甘夏など、どの柑橘についても最高の味を求めている。新居浜や松山の市場で仕入れるものもあるが、東京や大阪市場に手を尽くして仕入れている。生産者は主力あるいは有望な品種を園地の最も好条件の所に植える。そこで、隣接している柑橘産地であっても、どれに力を注いでいるかによって味の差が出てくるのだそうだ。これらの味を見極めるのがプロの力量になっている。
 
 かくて味本位の品揃えで、産地果物店として顧客からの絶大な信頼を得た。春先の伊予柑、夏のハウスミカン、年末の日の丸みかんの時期の年3回DMを出す。全部で4000通DMを出すうち、県外は約800通。これら県外の客は、愛媛県内の人が地元の特産品として贈答に利用して、贈った先が「おいしかったから」とリピート注文してくれて広がってきたのが大半だ。
 
 「東京の人はネーブルの指定が多かったが、このごろは少なくなりましたね。伊予柑は味にバラつきがあるので、ちょっと人気が落ちてきている。八朔は根強い人気があるので、3L、4Lの大きいのを大事に生産していってほしい。うちではデコポンがこれから一番伸びそうです」
 
 愛媛の柑橘について最高品質のものが扱えるのも日果連のおかげと感謝する。同店は日果連のフルーツギフト加盟店だが、日果連を通じて東京の仲卸を知り、青年会議で各地の果物店と交流を図り、優良店を訪ねて話をきくなど、とにかく自店の経営を向上させたい一心で取り組んできた。
 
 その商売熱心さは夫人からも「とにかくマジメ」と評されるほど。前向きに取り組んできた結果、新居浜市内に3店舗をもつ地域一番店になった。一時は大丸百貨店にも出店していたが、現在は本店、中萩町の西の端店、新須賀町のフジグラン新居浜内フジ店の3店になっている。

西の端店。売場面積62.7u。
営業時間9:00〜19:00

夫人の姉、田坂枝美子さんが担当

  ●3支店をもつ地域一番店

 1987年にオープンした西の端店は、夫人の姉が販売責任者になっている。この地域は人口が増加している新興地域のため、若い世代が多く、果物も本店より安価なものがよく売れる。本店は約8割が贈答需要だが、この店では5〜6割が自家消費になっている。
 仕入れは一括して後藤さんが担当し、立地環境や販売状況に応じて荷を振り分けている。
 
 フジ店は松山に本店がある量販店チェーンで市内で唯一の大型店。2001年1月、市内にジャスコがフジ店の3倍の規模4万uでオープンするため、対抗策として増床が予定されている。
 
 ここでは長女の密香さんが果物のほか、フルーツケーキ十数種類の製造販売を手がけている。果物の在庫を置くスペースはないが、本店にあるものはふじ店でも常時揃えている。ただし、価格は本店よりも値頃のものが多くなっている。

フジ店。売場面積49.5u。
営業時間10:00〜21:00

後継者(左)とスタッフ(右)、
ほかアルバイト1名

 フルーツケーキは、季節に応じて様々にメニューを工夫しているが、中でも約10種類から選べるフルーツワッフル(150円)は人気がある。スーパー内のケーキと価格差が開いているため、かつてイチゴのケーキで、イチゴを小さくして値段を下げたところ「アポロさんのイチゴだから買っていたのに」と苦情の投書がきた。すぐに元に戻して顧客への誠意を示したが、それだけ根強いファンができたということだろう。 
 
 密香さんは時間を作り出して、多様にチャレンジしてみたいと考えているが、手始めに遊び心あふれるフルーツケーキの創作を始めた。
 このほかアポロ13号果実が力を入れているのは葬祭分野で、葬儀会社3社と提携している。
 
 一方、冠婚の部分だが、市内随一のホテルとここ10年ほど取引している。当初、ホテルの開業時に婚礼引き出物用途を頼みにいったが、日々の納品がよいのではと提案され、取引が始まった。
 
 そして今、新たな展開が始まった。広島の中道元子さんが提唱するフルーツアレンジメントを本誌4月号で知った後藤さんは、親子3人で広島へ。戻ってから早速ホテルに話しかけて実演を見てもらった結果、ブライダルへの果物取り込みを具体化させられるめどがついてきた。優良店や評判のよい店の視察には、夫妻、親子など常に2〜3人で行くようにしているが、フットワーク軽く、目と頭を使ってフルに吸収してきたものが一気に開花しそうである。
 
 後藤さんはこれからは組織の力がますます必要になるとみて、四国の果物店有志を組織し、日果連に参加しようと考えている。自店も参加したいという四国の果物店は、下記アポロ13号果実へ。

電話0897-34-5677 FAX0897-33-5729