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FRUITPARLOR KOBOYA (株)果凛

 名古屋市千種区覚王山通8-70-1 名鉄サンクレア

営業時間:10:00〜20:00

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右が片岡克昌さん、左が主任の宮口学さん。店長は実母の片岡かね子さんが務めている。

地下鉄駅を出るとすぐに名鉄パレのビルが見える。その正面入口右手にある。


ビルの1階で果物とパーラーとテイクアウトの店

 後継者不足がいわれる果物業界で、頼もしい後継者が誕生した。
 弘法屋(名古屋市)に勤務する片岡和博氏の子息、片岡克昌氏がオープンさせた名鉄パレ、サンクレア池下店の「FRUITPARLOR KOBOYA」は、オープンして半年ほどですでに話題のスポットになっている。

 片岡さんは新宿高野でパーラー技術などを約4年間修業し、東京で学んできたものを生かしたいと考えていたが、今回新規ビルオープンにあたって果物売場として入店することで、フルーツパーラーとフルーツのテイクアウト商品を販売できる売場を併設するという夢を叶えた。

 名古屋に戻ってきて、トントン拍子に話が進み、オープンにこぎつけたという。
 名鉄パレは地下鉄池下駅を出てすぐ、覚王山通りに面している。キーテナントに名鉄パレが入り、1階は中食市場をねらったテイクアウト商品などが中心になった専門街になっている。その正面入口すぐ左手に片岡さんの店がある。まだ店前は道路工事中で駐車場300台分が完成すればもう少し来店客数も見込めるといった状況だ。

 テイクアウト商品は弘法屋と同じものを置いているので、イメージを統一するため、KOBOYAとなっているが、会社名は「果凛(かりん)」と名付けた。響きがよく、また、果物に対する思いが伝わってくるような社名である。

「本当に何もかもまだ勉強中ですが、皆さんがいろいろ忠告してくださるのでありがたい」と謙遜する片岡さんにお話をうかがった。

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売場は約70u。開店時間は朝10時〜夜8時まで。アルバイトを2人を含め常時3〜5人体制で。

左手通路側は緑を多く配置し、安らぎをイメージ。

1日1人に感動を与えたい

――どういうきっかけで出店することになったのですか。

「東京の新宿高野で修業した後、弘法屋本店で働いていたのですが、名鉄弘法屋さんを通じて本店のほうにやってみないかとのお話がありました。本店はパーラーなどを手がけていなかったので、それならば東京で勉強してきた技術を生かしてみたいと思い切って志願したわけです。若いのは経験が少ない分、もっと勉強しなければならないという弱点でもありますが、若さならではの強みもあります。だから、果物の並び方、ラッピング一つにしてもいろいろな店を見て回って勉強したいと考えています」 

――このあたりの立地は。

「近くに名古屋の三本の大きな通りがあるのですが、桜通りと錦通りがストップして池下から東に抜ける道はこのビルが面している通り一本になるので、駐車場などが完備されればおもしろいのではないかということで出店を決断しました」

――新宿高野ではどんなことを学びましたか。

「1年間はウェーターをし、そこで、いろいろなお客様がいるんだなということを知りました。お客様との会話の楽しさ、難しさを学びましたね。最初からパーラー内部の仕事に関わっていたら、勉強できなかったと思います。いい経験になりました」
 ――オープンはいつですか。そのときに何か記念セールをしたんですか。
「97年10月25日にオープンしました。ラ・フランス、ル・レクチェが出始めでいいものが入荷したので、アンケートに答えていただいた人に洋梨をプレゼントしました」

――それはおもしろい。アンケートではどんなことをきいたのですか。

「あ、そのときの用紙がここにあります。

  A:あなたがお好きなフルーツは何ですか。
  B:その理由をお聞かせください。
  C:食べてみたいフルーツは。
    1.マンゴスチン、2.ドリアン、3.ライチー、4.ピタヤ
  D:今後も当店を利用したいと思いますか
  E:その理由をお聞かせください。
  F:フルーツの食べ方教室があれば参加したいと思いますか。

といった事柄で、名前、住所、電話などを聞きました。結構皆さん、答えてくださったので、参考になりました。ドリアンは食べてみたいフルーツとして多かったです。1000枚ぐらいは回収できました」

――フルーツの食べ方教室はいかがでしたか。

「大部分の人はあれば参加してみたいという意見だったので、いつか取り組んでみたい。何らかの機会を通じて、フルーツを好きな人を増やしていけたらいいなあと考えています」
 ――レイアウトは自分で考えたわけですよね。
「ええ、でも、ビル側の制約があるため、せっかく窓側に面しているのに、外からは何屋だかよくわからないのがちょっとマイナスかなと思っています。自分としてはこれからはテイクアウトの時代と考え、テイクアウト売場を正面にもってきました。こんな売場はちょっとないと思うのですが、その分果物の配置が難しく、パーラーの半分は果物ケースで仕切ったために、逆にパーラーからは果物が見にくいということになってしまいました。このあたりまだ改良の余地はあるかなと考えていますが、まだまだ試行錯誤の段階です。中央には果物売場を置いたほうがいいとか、レジ台が高いとかいろいろな意見をおっしゃってくださる人が多く、勉強になります」

――来店客は地元の人が多いのですか。

「そうですね。でも、はっきり言って固定客というのはゼロだと思っています。ですから、1日1人に感動を与えればよい。そうすれば1年たったときに365人のお客様が戻ってきてくれるということが今一番気をつけていることであり、目標にしていることです。あせらずに、やっていきたい。テイクアウトは当初意図した通り、よく売れます」

――となると、おいしい果物を扱うことが第一条件になりますね。

「ええ、仕入には毎朝4時に起床して出かけています。仲卸経由で仕入れますけど、父が良いものを見つけたければ人よりも早く行け、誰よりも早く下見せよ、と教えてくれたので、その教えを守っています。規模も大きいわけではないので、果物売場とパーラーの果物の品質は同じです。自分でおいしいと思ったものを仕入れてきます。それと、看板には弘法屋の名前が出ているので、その店名に恥じぬようおいしい果物を入れ、ハシリの果物や、珍しい輸入果物なども扱うようにしています」

――フルーツパーラーでは得意のメニューを作っているのですか。

「フルーツ&デザートということで750〜1200円まで7種類、ジュース類は500〜900円まで10種類、ほかサンドイッチ類を700〜900円ほど作っていますが、季節に応じて夏場はフルーツのかき氷を手がけるなどメニューは工夫していきたいと思っています。
 弘法屋本店にないものとしては、その場で食べさせることなので、パーラーの厨房の様子も見えるようにして、フレッシュな作りたてをイメージするようにしました。これからパーラーの最需要期に入りますから、夏に向けてパーラー部門を強く打ち出していきたいと考えています」

――(株)果凛の経営者でもあるわけですが、社員教育はどう心がけていますか。

「自分が見本として動いていかないと社員もついてきません。社長といっても、自分で何から何までやっているので、そうした仕事を通じて皆がついてきてくれるように襟を正していきたい。皆が私の背中を見てついてきてくれるようならばいいですね」
 周囲がいろいろ意見を言ってくれるということは、それだけ意見に素直に耳を傾け、また、将来の可能性があるということだろう。

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カウンターの奥が最もいろいろな意見が出るところ。ここにメロンなど高級果物を並べているが、パーラーから見えないのが残念。

パーラーの席から厨房が見えるという作りたてを演出。ワッフルやパフェ、ジュースなど様々手がけているが、ここならではの人気メニューを育てていきたい。

 実は、広い通りを隔てた斜め前には後藤果実店が存在する。こちらも新店「FRUIT BOUTIQUE GOTOH」がオープンしたばかりだが、昔ながらの客をつかみ、パーラー部門も併設して若い人たちに人気がある。これからどうしても競合することになるが、オリジナルなメニュー開発により、共存共栄で果物の消費を伸ばしていきたいと片岡さんの口調は最後まで謙虚、だが、夢がいっぱいあふれていた。

 これから、1年後、2年後にも成長を続ける店であるに違いない。