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向井フルーツ

〒732-0824 広島市南区的場町2-5-28
向井フルーツのHP
 

営業時間平日9:00〜20:00 日曜・祝日10:00〜17:00、不定休

 店の中央にフルーツタワーを置き、その上でバースデーメロンをPR。2代目溝内祥二さん

 フルーツのアイスを使ったソフトクリームが人気。店主夫人 溝内深雪さん

 ●フルーツのアイスとソフトクリームを名物に
 
 広島駅にも広島市の中心地にも近い、市電の停留所「的場町」の通りから少し入った閑静なところに向井フルーツがある。周辺は商業地というより住宅地である。見た目はごくふつうの果物店、でも、ここは若い人にはちょっと知られる存在で、マスコミにも度々掲載される。
 果物の取り扱いだけでは話題を提供するのは難しい。だが、この店ではフルーツとともにソフト&アイスクリームを扱っているのである。果物店が飲食部門を併設する場合はジュースが多い。もちろんフレッシュオレンジジュースやグレープフルーツジュース、それに時期に応じて完熟清見ジュースなど季節の果物もジュースにしてしまう。けれども、ここではソフトクリームとフルーツのアイスをのせたフラワーコーンカップが断然人気がある。
 
 ソフトクリームはバニラの大きさにより150、180、200円とあってチョコバニラソフト200円、トッピングのスターシュガーがのったバニラソフトが200円。フラワーコーンカップは、フルーツのアイスの上にソフトクリームがのった豪華なソフトクリームで、イチゴ、オレンジ、メロン、バナナ、ミックス、完熟パインなどが定番。これにピーチなど季節の果物メニューや抹茶などが加わる。
ソフトクリームの写真も自分たちで撮影した

 こちらはシングル200円、ダブル300円だけでなく、トリプル400円もある。どれにしようかと迷うと、「本日のおすすめアイス」としてメロン(静岡アールスメロン)、いちごなどのPOPがある。

 ソフトクリームだけならば珍しくないが、果物屋さんが手がけるアイスということで評判になり、地元の情報誌にもカラー写真入りで大きく掲載された。

 添加物や着色料を使用しない果汁100%の手作りアイスということで、好評だ。「こんな場所にあった!」と、穴場的な店として紹介されているのもうなずけるおいしさである。

  ●パソコンをPOP、会計管理、顧客管理に活用


 さほど広くない店内に、いろいろなPOPがあるのが楽しい店である。

 入って右手の壁面にはジュースとアイスのPR、それに「驚きのバナナパワー」をPRしたパンフレット、広島果物商業協同組合加盟店で推進しているフルーツタワーのリーフレット、くだもの商品券の案内看板など、情報があふれている。 商品についても、地元の特産であるピオーネには価格カードに「マイルドな甘さ 夏の香り」といった一言メッセージがつき、その脇に「毎月8日はくだものの日」のシールが貼られている。
 
 それから、メロンには、「お母さん お誕生日おめでとうございます」といったPOPの下に、バースデーメロンの案内POPがある。日果連・日果連青年会議・広島果物商業協同組合の事業を店内で十分に生かし切っていて、売り場がとても活気づいて見える。
きめ細かにpopを作成
 店内左の棚には一般商品も陳列しているが、パイナップルの缶詰やカリンなどの果物関連商品にまじって、お茶や水などのペットボトル、キャラメルやポッキーなどの菓子、それにインスタントラーメン、基礎化粧品(一般の化粧品店や薬局では販売されていない、こだわりの化粧品)までも販売されている。ソフトクリーム類を食べにきた若い人のついで買いを誘うような品揃えだ。

 売り場で有効な働きをしているPOPを作成しているのは、店主の溝内祥二さん。
 
 
関連商品も若い人向けに品揃え

 「ワープロからパソコンに移行して1年半になります。ワープロでしていた頃に比べるととても簡単です。とくにお供えなど熨斗の印刷にいいですね。いまは約70枚くらい雛型を用意し、お客様が待っている間にもすぐ印刷ができるので便利です。それから、会計管理や顧客管理も活用しています」
 熨斗については、絵柄の部分と文字の部分が別々に印刷できるので、使い分けている。
 
 溝内さん夫妻だけの営業だが、パソコンを使うと2人以上のパワーがあるという。会計ソフトは『弥生会計』を使っているが、顧客管理ソフトは自店用に作成してもらった。
 
 「年度末売上」「年度別商品別売上」「目的別売上」などのデータを蓄積し、パソコン画面上で「売上問合せ」をしたり、「売上履歴印刷」をしたりすることがいとも簡単にできる。また、「顧客情報」「売上情報」「誕生日」「DM一覧」などの情報も整備されていて、定期的に購入する人は周期がわかるし、誕生日情報をもとに「今年も誕生日が近づきました」というDMを出すことも可能になった。個人の誕生日や購入履歴を蓄積すれば、DMも目的に沿ったものを発送でき、着実に販売促進の効果をあげられる。このため、中小商店であってもパソコン1台で、現在主流となっている「ワン・ツー・ワン・マーケティング」が可能になってくるのである。

 ホームページも開設しているが、まだ注文に結びつくほどの効果はあがらないものの、アイスクリームについては「ホームページを見た」という人が来たそうだ。バースデーメロン、くだものの日のPRのほか、先着10名様「3000円以上お買いあげの方」にくだもの商品券500円券プレゼントなどのサービスも記載されている。商品については、季節の果物、フルーツタワーを用いたギフトサービス、ソフトクリームなど盛りだくさん紹介している。情報をこまめに更新しているので、これからに期待したい。

 
●できることを精一杯実行

 向井フルーツは、戦前から段原町で果物店をしていたが再開発により、10年ほど前にこの的場町に移ってきた。当時は業務用の取り扱いが半々ぐらいだったが、現在では家庭用の割合が増えてきている。的場町は個人病院が多い地域で、病院の見舞客や入院している人の買い物が多いそうだ。
 
 広島といえば、婚礼の引き出物が豪華な地域で有名だが、昨今は婚礼用の需要が減ってきたという事情があり、フルーツタワーに力を入れている。また、パチンコ店の景品にメロンを利用してもらうなど、積極的に営業活動もしている。
 
 「ソフトクリームはここへ来てから始めました。果物だけでは大変なので、子供たちが小銭をにぎりしめて買いにくるような店になればいいなぁと思って。それで関連商品も置き始めました。でも、このごろ携帯電話にお金がかかるみたいで、ちょっと大変ですけど(笑)。生ジュースは最近始めました。どうやれば売れるのかと思っていろいろ試しています」(深雪夫人)
 
 「フルーツタワーは、組合の各店でパンフレットを配布して力を入れていますが、結婚式や開業祝いなどの注文があります」(溝内さん)

 地域の果物店として、できる限りのことを前向きに取り組んでいる向井フルーツ。取材の間中、「売れない」「景気が悪い」といったグチをきくことはなかった。今やれることを一生懸命する。町の小売店に一番大切な姿勢なのかもしれない。