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(有)武田青果

* 〒780-0811 高知県高知市弘化台19-14
武田青果のホームページ

営業時間 平日 8:00〜17:00 /定休日 日曜、祝祭日

高知市卸売市場に近い

武田博之さん、瑞さん(お母さん)、瀧石さん。父の文男さんは園地で仕事、夫人は不在だった


  高知市に行く機会があったので以前から訪ねてみたいと思っていた(有)武田青果に寄ってみた。

 こういうのを突撃取材というのだろうか。高知県内の知人に案内され、(有)武田青果の住所だけを頼りに行くと、高知市卸売市場に近いことはわかった。だが、そこから先は不明なので、ここで電話し、事情を説明する。すると、親切に経営者武田博之さんのお母さんが迎えに来てくれた。市場から歩いても数分、道一つ裏手に入ったところである。ここに店舗というよりは倉庫のような建物があり、土佐小夏の箱詰め作業が行われていた。
 
 そこへ武田博之さんが現れた。畑の消毒に行っていたという。もともとは祖父母の代から商売をしていたが、父の文男さんが現在のように手広く果物を商い出した。まだ車が普及していない頃に運転免許を取り、ダットサンに乗って近隣の香川県や愛媛県まで仕入れに行ったそうだ。娘(充世さん)が武田さんと結婚した後は、夫妻に経営を任せ、1反歩(1000u)の園地で土佐小夏のハウス栽培に専念している。
 
 ■高知産果物を販売

 建物の中にはバナナの室があった。青いバナナを熟成させてから出荷する。バナナは卸と小売、両方を手がけ、売上げに占める割合も大きいそうだ。
 
 果物は高知市場からの仕入れが約7割で、その他産地直送物。それらを県内外の個人に通販したり、小売店に卸したりしている。
 お店としては、高知市で毎週開催される「日曜市」に出店。母親の瑞さんは50年以上も日曜市で売り続けているというベテランで、充世夫人も日曜市を担当する。日曜市は高知城から東に向けて1kmに渡って特設の店が連なるもので、近郊の農家や商店が出店し、観光スポットとしても知られるところだ。武田商店の場所は日曜市の中央付近でワシントンホテルのほぼ前に位置している。ここでも得意客をつかんでいるそうだ。
 
 通販を手広く行えるのも、高知産の果物は品質がよく、豊富だからこそである。最も売上げが多いのは文旦で、水晶文旦が10〜12月、土佐文旦はハウス物が12月から始まり、露地物が2月から4月上旬まで出回る。
 
 「2つの文旦の違いは、水晶のほうが万人向けで好き嫌いがない味で、土佐のほうが独特の風味や香りが強いことでしょうか」
 5月は小夏の発送に大忙しだった。家族4人のほか、従業員4人

 次に、土佐小夏。宮崎県では「日向夏」の名称で販売されるが、時期的にはバトンタッチを受ける形で5〜6月が高知県産の旬になる。土佐小夏は市場から数人の生産者を厳選して仕入れている。発送は首都圏の個人向けが多い。武田さんの園地の小夏も5月6日から販売を開始し、5月20日には受付を終了した。根が地中深く行かずに細い根を増やす効果がある防根透水シートを敷き、じょうぶな土づくりにこだわった有機栽培を行っている。
 
 「自分が栽培していると、その果物について詳しくなるので、仕入れるときにもよい品質のものを選べます。高知県は朝晩の冷え込みがあって、昼夜の温度差が高いので、品質は優れていると思います」
 

 一に文旦、二に小夏とくれば、三は何?
 「3月中旬から5月中旬に出回るフルーツトマトでしょうか。この時期は日本一のトマトと自負できるくらいおいしく、甘くてコクがあります。品種は桃太郎ですが、徳谷トマトという名前で有名です。生産者を2〜3人に決め、最高級ランクのものを扱っています。800gで12〜20個入ります」
 
 これからは夜須の手結山スイカ(品種名金時)も出てくる。夜須町手結山の地域は日照時間が長く水はけがよいので、スイカの栽培には好適。このため、低地はエメラルドメロン、高地はスイカの産地になっている。
 
 「エメラルドメロンは隔離栽培と言ってプランターの中で育てるような栽培をしています。一般のメロンは地面に苗を植えて太らすのですが、シートを地面と隔離させ、根域を制限して糖度をあげる栽培をしているのです。約55〜60日、水分管理を調節して栽培すると、細根の発生が盛んになってネットがとてもきれいに出ます。1玉(約1.5kg)で3150円(税込み)で販売しています」

 ■通販に力を入れる 
 
 こうして地元の産品を語るときの武田さんは朴訥な語り口ながらとても幸せそうだ。果物の恵みにあふれた高知で、おいしいものを厳選して商売ができることを誇りに思っているように見える。
 
 ところが、高知県内で商売をしようと思えばなかなか大変だ。
 人口が少いので商圏が狭い。そうなるとどうしても県外に目を向けることになる。
 
 そこで、取り組んできたのが通販だった。
 頒布会は10数年前から続けているが、2月から12月まで各月3000円コース、5000円コースがある。高知産果物だけを扱い、3回から11回まで何回でも好きな月を選べる。いまでは約100人が固定客になっている。
 

頒布会

3000円コース

5000円コース

2月 低しょう系ぽんかん 3k 低しょう系ぽんかん 2k
ハウスでこぽん   2k
3月 土佐文旦     5k 土佐文旦      8k
4月 フルーツトマト 1.3k 徳谷トマト    0.8k
5月 土佐小夏    1.5k 土佐小夏    1.5k
フルーツトマト  0.8kg
6月 手結山すいか   1玉 手結山すいか   1玉
マスクメロン    1玉
7月 メロン      2玉 マスクメロン    1玉
ハウスみかん    2k
8月 ハウスみかん   2k ハウスみかん    3k
9月 豊水梨  5k(8〜12玉) 豊水梨    4k(5〜6玉)
10月 新高梨 2玉 新高梨       2玉
水晶文旦      3玉
11月 水晶文旦  3k(小玉) 水晶文旦    3k(大玉)
12月 ハウス土佐文旦 3k(小玉) ハウス土佐文旦 3k(大玉)


 武田さんはネット通販サイトを始めたのも早かった。高知県がインターネットの可能性に注目し、「e商人養成塾」という研修機会を提供してくれたことも幸いした。武田さんはその4期生。販売には不利な環境を打開したいと考えてネット通販に熱心に取り組む人が多く、2003年10月には「日経流通新聞」に「ネット通販 土佐が熱い」といって取り上げられたほど。武田さんの取組もその中で紹介されている。
 
 「高知のものを県外に売りたいという気持ちからでした。ネット通販は売上げの1割弱ぐらいですが、年々伸びてきているので、今後力を入れていきたいと考えています」

 武田さんは日頃の業務で忙しいにもかかわらずにメールマガジンを発行している。メールマガジンは、ホームページ開設者と読者を結ぶ定期便のようなもので、店からのお知らせが届くので購入に結びつきやすい面もあるが、DM同様目を通してもらうメールマガジンを作成するのは工夫を要する。武田青果では月6回発行を目指し、4月は5回、3月は8回、2月は7回出した。ホームページの更新を店のスタッフに任せることはあっても、メールマガジンの文章は武田さんが書いている。ほぼ毎週書いているわけで、ネタというかテーマ探しが大変だという。いかにして読んでもらうかに頭を悩ます。そのかいあってか、メールマガジンを読むと、売らんかなでなく、親近感をもってもらえるような内容になっている。なんせ武田さんの50歳お誕生日記念だといっては、全品送料半額セールになるのである。ネット通販では何事もチャンスに変えていく積極的な取組が大事である。懸賞なども行って楽しさを提供している。2003年7月に8411部だった読者も5月19日には2万4440部になった。読者数が増えるということは、それだけ購入予備軍が増えるということにもなる。
2階は事務所で、通販業務などを行っている。門田さん(左)、森田さん(右)

 「リピーターづくりにもっと力を入れ、一度買ってもらった人にアプローチをすれば定着率も高くなると思うのですが、なかなかそこまでいっていません」
 
 とはいえ、希少価値のあるヤマモモなどは注目度が高く、リピーターもいる。6月20日頃から1週間ほどが勝負で、クール宅急便で配送する。武田さんの山に30本ほど木を植えていてその時期は収穫だけでも大変な作業になるそうだ。
 
 高知産の果物はまだ特産的な色合いが強い。都内の百貨店や高級スーパーに仲介してもらったこともあるが、「高知産は他県産よりも値段が高い」と言われ、取引とはならなかった。こうした果物はむしろ差別化を図っていきたい専門店向きかもしれない。県外小売店への納めも行うという。
電話088-882-5323 Fax088-884-4630