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歳時記


12月  
     
冬至(とうじ )
   冬至とは、北半球では一年中でいちばん昼が短く夜が長い日で、次の日からまた昼が長くなっていく。昔から、この日に柚子湯に入ると無病息災、かぼちゃを食べると中風(ちゅうぶう)にならない、風邪をひかないといわれている。これは野菜類の乏しい季節に、それを春を呼ぶ神に供えた名残りであろう。かぼちゃには、ビタミンAの母体となるカロテンがたっぷり含まれており、健康野菜としてもっと利用したいものである。
 
クリスマス,Christmas,降誕祭
   英語でキリストのミサChrists massの意,フランス語のノエルNoelは誕生日,ゴール語では新しい太陽を指す。古代ローマでは、太陽は人間の生命を守ると信じられ、冬至がすぎて太陽が日増しに強くなってくる12月25日を、「不滅の太陽の誕生日」としてお祝いをした。その後にキリスト教が広まるにつれ、この日をキリストの誕生日を祝うにふさわしい日だとし、西暦354年に当時の教皇リベウスが降誕祭に決めた。クリスマスツリーにモミの木を使うようになったのは、ヨーロッパの厳しい冬の中でも変わらず緑を残しているモミの木を、不滅の木・生命の象徴としてあがめ、またそれは、人々に大きな勇気を与えたからであろう。
 
サンタクロース
  サンタクロースは新大陸のアメリカで、ヨーロッパ移民が一同に会したときにさまざまな祖国の習慣がひとつに融合して生まれたもの。すなわちサンタクロースの名前はキリスト教の子供の守護聖人である聖ニコラスのオランダ語の呼び名、シント・クラウスから、クリスマスには精霊がイヴの晩に訪れて、よい子の枕もとの木靴の中に硬貨を入れてゆくという習慣はフランスから、また八頭のトナカイにひかせたそりでやってくるというのは北欧の神話から、そして大きなフードつきのコートを着て袋をかついだ白ヒゲの地の精(グノーム)という服装はゲルマン神話から、という具合にそれぞれ都合のよい部分がひとつになったもの。
 
正月飾りと鏡餅
   九(苦)をつく…と嫌って28日に餅をついたことにならって、28日には鏡餅などを買い、29日には門松やしめ縄,鏡餅などを飾り終えるようにする。昔から、30日に飾るのは一夜飾りといって嫌う。この鏡餅は古くから神聖視されていた鏡に似ていることから名付けられ、太陽と月になぞらえた大小の餅を神々に供えるもの。うえには橙(だいだい)を乗せるが、これはこの果実が成熟しても落下せず、これを代々繰り返して大きくなることから「相変わらず」として、縁起をかついでのこと。
 
注連縄(しめなわ)
   「標(しめ)なわ」の意味で神域を示し、このなかには災厄が入らないとされ、魔除けの意味で新春の門戸に飾られるようになった。
 
門松
   いつもは山にいる歳神(としがみ)様(穀物の精霊,稲の魂)を迎えるために、迷わない道しるべとして立てられる。竹を斜めに切ったものを3本組み合わせて、まわりを松で囲むか、もっと簡単に松の小枝だけを立て輪飾りをつける。松竹梅を使うようになったのは鎌倉時代以降で、厳寒にも緑を失わない松,しなやかに伸びる竹,そして百家にさきがけて花咲き薫る梅は「歳寒(さいかん)の三友」と呼ばれ、めでたいもののしるしとされてきた。
 
年越しそば
   くる年の無病息災を細く長く、いつまでも幸せにと願うもの。昔、金箔師が仕事場に散った金粉や銀粉を拾い集めるのに、そばの団子を使ったことから「金銀をかき集める」とも言われる。
 
大晦日(おおみそか)と新年
   古くはお正月とお盆には、祖先の霊を迎えてともに祝いその年が恵みの多い年であるようにと祈り、またあの世に送りだす「祖霊まつり」の行事であった。のちに祖霊まつりはお盆の行事となり、お正月は五穀の神,農業の神など「歳神(としがみ)」を中心に祭るようになった。12月末日を大晦日というが、かつては一日の区切りが夕(日没以降)で、新年は大晦日の夕方から始まりお迎えした歳神様とともにみんなでお節料理をいただいた。