ブロッコリー Broccoli
 |
地中海沿岸原産のアブラナ科の野菜で、キャベツなどと同じ原種から分化した。ブロッコリーという名はイタリア語の芽,茎=Broccoからきている。とくにイタリアで発達したのでイタリアンブロッコリーとも呼ばれるが、他の国へ広まったのは18世紀といわれる。欧米でも広く利用されるようになったのはヨーロッパ縦貫の国際列車ブルートレインの食堂車のメニュに加えられ好評であったことによる。
わが国ヘはカリフラワーなどと同じく明治初年に移入され、芽花椰菜(めはなやさい),緑花椰菜(みどりはなやさい),木立花椰菜(こだちはなやさい)とも呼ばれるが、本格的な栽培は戦後である。1982年(昭和57年)以降急速に増加したが、これはその年に四訂日本食品標準成分表が発表され健康に必要な栄養素が豊富なことが広まったこと、前後して緑黄色野菜が注目されだしたときでもあった。また、栽培が容易で水田転作の作物として都合がよく、優良な品種が育成されたことも影響している。取扱い数量では1986年 |
| |
(東京市場入荷量)からカリフラワーを上回って消費が伸び続けている。輸送技術の発達と円高で輸入も多くいまでは47%(1994年)までを占めている。
生育には比較的冷涼な気候が適し適温は昼間で15〜25℃,夜間で15〜20℃、一方花蕾の発育には5〜20℃の低温がよいとされ、関東,関西では秋から冬にかけての栽培が中心となる。栽培はカリフラワーとほぼ同じであるが、ブロッコリーは中心の花蕾(頂花蕾ちょうからい)を収穫すると、わき芽が発達して側花蕾(そくからい)の収穫と続き、長期間の出荷が可能である。
ただし商業生産上は頂花蕾が中心である。栽培条件によって花蕾がアントシアンによって紫色になることがある。品種はハイツ,緑帝,緑嶺,直緑二十八号,グリーンベール,グリーンフェイス,グリーンパラソルなど。ほかに花蕾の色が紫色や黄緑色のもあるがゆでるとみな同じ緑色に変わる。ゆでるときは熱湯に茎を入れて、つぼみの部分は蒸すようにする。茎も皮をむいてつぼみと同じに食べる。サラダやシチューの実,鮮かな緑を生かして各種の添え物にする。
栄養はビタミンA,Cに富み緑黄色野菜としての人気が高い。ビタミンAは粘膜や皮膚を強化してガン細胞の発生を阻止したり、目の疲労,視力の低下,老眼などに効果がある。ビタミンAは、脂肪に溶け込んだ形で体内に吸収されるので、油で炒めたり肉料理の付け合わせにすると吸収がよい。ビタミンCはシミやソバカスを防ぎ肌を美しくする。ほかに骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防となるカルシウムの骨への吸着率を高めるビタミンKがある。
選び方と保存
茎がしっかりと太くて切り口がみずみずしく、つぼみが大きく密生して濃い緑色のもの。保存はラップに包んで冷蔵庫へ。
旬 11〜3月。
 |
|
|
|
 |
|
貯蔵における呼吸障害
ブロッコリーは花雷を食べるために野菜の中では呼吸、鮮度劣化が激しい。収穫から販売までの間、発泡スチロールの容器の中に入っていたり段ボール箱の中で密閉状態になっていると、内部が酸欠または炭酸ガス過剰になり硫黄成分が悪臭として出てくる。臭いが薄いときには飛んでしまうが、ひどいときにはゆでても臭いが残り食べられない。
ブロッコリースプラウト
アメリカで1997年に、ブロッコリースプラウト(芽)に発ガン抑制効果があると発表されて注目された。ブロッコリーに含まれている辛み成分のスルフォラファンが、肝臓の解毒作用を高め発ガン物質を壊すことによってガンを防ぐ。とくにスプラウト(芽)には、成熟したブロッコリーより20倍以上の抑制効果があるといわれ、食べてから3日以上解毒作用の強い状態が続く。サラダや刺身のツマ,みそ汁やスープにも合う。 |
|