株式会社 まるおか

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こだわりのスーパーマーケット


 おめでとう 第7回(1997年)農林水産大臣賞!!

第1回農林水産省食品流通局長賞を受賞。表彰式には全従業員が参加して喜びを分かち合ったが、以後改装し、従業員数は倍の40名になっている。デリシャス(おいしさ)にこだわった食品の幅広い品揃えで、商圏は広い。商品構成は青果20%、鮮魚20%、食肉10%、惣菜16%、その他で特に惣菜部門の伸びが著しい。売場面積363u、営業時間10〜19時半。日曜定休。

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丸岡 守氏

住所:群馬県群馬郡箕郷町西明屋90-1

鮮度、味、安全性にこだわる

「店はお客のためにある」を実践

 群馬県高崎駅よりバスに乗って約40分、終点の箕郷営業所ターミナルの前に株式会社まるおか(丸岡守社長経営)の総合食料品店「まるおか」がある。キャッチフレーズが「こだわりのスーパーマーケット」とついているように、食品の鮮度のよさ、おいしさ、安全性を追求し続けているのが特徴だ。

 まるおかがある箕郷町の人口は約1万8000人、約5000世帯。そこで「こだわりの食品」を強く打ち出してはたして経営は成り立つのか。

 これが十分に成り立つのである。以前から品質重視の傾向は強めていたが、93年に改装し「ちょっと周辺では見られないグレードの高い品揃え」の店にしたことで、客が2割ほど入れ替わった。
これまでは地元客が中心だったが、その中のバーゲンハンター的な客が減って、車客が増えた。今では高崎、前橋辺りから30分以上かけて買物に来る客もいるほどで、「よい品が豊富にある店」として広く知られる存在となっている。

 安全な食品やこだわりの美味を求めている人にとっては、通信販売で産地から取り寄せるより、ちょっと車を走らせて買いにくるほうがよほど早い。ましてや群馬県は1世帯当たりの車保有台数が日本一を誇り、自家用車は生活の足代わり。改装により商圏はさらに広がったが、遠方から来る人ほど買上げ単価は高いとみられる。このため、売上げは景気にかかわらず上昇を続け、従業員数は惣菜部門強化を契機に増やしてきて90年以降の7年間で倍増の約40人になっている。人手が確保できればさらに増やしていきたいという意向だ。

 93年の改装の折、「こんな不景気な時代には、安くないとモノは売れない」と忠告してくれた人もいたが、まるおかは安さよりも、いい食品を提供することに重点をおいてきた。
 店はお客のためにある――この言葉を基本にしているが、安さばかりが求められているとは考えていないからだ。そして、数ある海外の視察でも、ロサンゼルスの高級スーパー「ゲルソン」を見たときの驚きは店作りの原点になっている。

「店舗そのものがきれいというよりも、整理整頓され、掃除が行き届いた清潔な美しさに感心しました。それに野菜果物がカラーコントロールされていて陳列の工夫によっていかに、商品の魅力がアップするかを学びました。

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 どれをとっても品質が均等だからお客は選ったりせずに、上からとっていく。このときに、お客が感動する店は世界共通だと確信することができましたね。

 ですから、自分が惚れた商品、おいしいと思った商品を自信をもって売ればきっとわかってもらえると信じてやってきました」

 こうした経営者の「思い入れ」が社員にも浸透して、みんなで店をもりたてていこうという雰囲気が店全体にあふれている。 
料理提案コーナーが人気の青果売場

ジグザグ通路で楽しさを演出

 まるおかを象徴するのは「赤いリンゴのマーク」。このマークに「デリシャス=おいしい」という意味を込め、店の看板や各種広告物に入れている。

 外側から見ても、安売りの店に多く見られるように特売価格がベタベタとガラス戸に貼ってあったりせずに高級感のある店がまえになっている。

 入店してまず目につくのは全体のレイアウトである。入口右手が生花のコーナー、左手が青果物のコーナーで、ともに明るく、彩り美しく季節感を伝えている。売場面積は363uとさほど広いわけではないが、天井が高く、通路も広いので、フロアー内に高いショーケースを用いていても圧迫感は受けず、ゆったりとした気分で買物ができる。

 壁面は冷蔵ショーケースになっているが、フロアー内のケースはジグザグ形、あるいは斜めに配置されている。迷路に入り込むかのような楽しさで通路に沿って歩いていくうちに、絶妙な工夫をされた「特売品のコーナー」「こだわりのコーナー」「季節のイベントコーナー」などの島陳列につきあたり、ついついあれもこれもと買い込むことになる。

 しかし、おそらく客は店の雰囲気につられて買い込みすぎても後悔はしないだろう。もともとこの店に行けば「何かがある」と期待して遠くから来たのだし、「買いたい」「買物を楽しみたい」と思っている人がほとんどなのだから。新鮮、安全、安心、健康によい、おいしい、生産者の顔が見える、ここでしか買えない、希少価値、こだわり食品……この店の商品には客を満足させる幾つものキーワードが込められている。

 セルフ式の総合食料品店ではあるが、各売場ごとに専門店のようなこだわりや奥深さがあり、部門それぞれの相乗効果でまるおかが一層魅力ある店になっている。
 照明は蛍光灯を使わず、傘のついた電球を天井から幾つも下げている。それぞれの照明がスポット的な効果を与えるため、高級ムードが演出されている。だからといって高級品ばかりではなく、手頃な価格で満足を得られる売場作りをしている。

 ここで見られる特徴的な売り方は、その時期に力を込めて売りたい商品を何ヵ所かに置き、客の目にふれる機会を多くしていること。例えば、あるドレッシングが野菜のコーナーにも、ドレッシング売場にも、こだわり食品コーナーにも並べられるといった具合だ。それだけ様々な関連づけを工夫しているということでもある。
 では各売場を見ていってみよう。

青果は産地表示充実、新鮮で安い

 入口は青果売場である。もともとは青果店から出発しているので、青果コーナーにはことのほか力が入っているように見える。

 野菜類は日々の生活に欠かせない。それだけに新鮮さと安さをアピール。末尾には98円とか、198円など、「8」の数字のマジックで安さを印象づける。陳列ケースは段を上手に活用して、葉物類はタテに並べている。こうすると並ぶ分量は多くなくともボリューム陳列に見える。また、ツマ野菜などは竹かごに盛り込んだり、すのこ板を斜めにたてかけたり、すだれを陳列の境目にアレンジしたりと、野菜に合わせて陳列が工夫されている。

 通路が広い分、床も有効活用して、冷蔵ケースの前に並べた籐かごの中にニンニクやトウガラシを盛っている。かごの中にさらに籐ざるを入れて並べているので、直接床おきのイメージがなく、見た目もおしゃれだ。

 野菜類は大半のものに産地名が書かれていて、特に地場産のものはアピール度が高い。群馬特産のコメ「ゴロピカリ」にちなんで地元生産者からの産直品に名付けたオリジナルブランド「ゴロピカトマト」もすっかりおなじみになっている。生産者と特約しているような産品は、「無農薬」「低農薬」といった表示が多く見受けられる。

 野菜類は、毎日が「……材料の特売日」で、毎月初めにカレンダー式のお買い得情報を出しているのがユニークだ。

例えば、手巻き寿司、健康食(無農薬)、スタミナ、葉っぱ類、自家製漬物、煮物、産地直送野菜、炒め物野菜、今が旬、けんちん、天ぷら、きのこ、みそ汁、カレー、いも、中華といったように、素材、あるいは料理の材料で特売日を設けるというアイデアが好評である。野菜はウィークデーに料理提案をし、土曜日を均一セールにしている。

 果物類は旬のおいしい品しか扱わない方針だ。野菜類は地元の市場も利用するが、こと果物に関しては、大田市場の仲卸から味にこだわった品質のものを直送させている。特に力を入れている品は試食コーナーを設けたり、「店長すいせんの品」というシールを貼って目印にしている。このシールは売るための方策でなく、内容に嘘がないために、客からの信頼も厚く、シールを探して買う客もいるほどだ。果物は贈答にもなるように、センスアップされたギフトの提案もされている。

 店全体に言えることだが、それぞれの商品についての情報がとても豊富である。青果物の商品カードには、料理法や栄養、糖度など何かしら添えられているし、最近の新聞記事切り抜きがタイムリーにパネルで掲示されていたり、またはコピーして持ち帰りができるようになっている。


水産物は築地市場の仕入組織を活用

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 続く水産物売場。「他と違うスーパーマーケットをめざすなら、鮮魚コーナーを充実させることが第一」という思いが結実した売場になっている。イベントコーナーも設置されていて一段と活気がある。

 毎月第3金曜日の「マグロの日」ならばこんな具合だ。丸ごとのマグロを包丁で切りわけながらの実演販売。店内スピーカーは終始アナウンスしている。

「今日は気仙沼から生マグロ、キハダマグロ、本マグロが入荷いたしました。どれでも1本1000円です。また、中おちやマグロのみそ漬け、粕漬け特別サービスになっております」
店の活気を演出する鮮魚売場

  魚類は築地から直の入荷というのが売り物だ。水産物は95年1月からほとんどを築地市場から仕入れている。築地市場の中でも高品質な商品を扱う25社の仲卸が「株式会社市場ネットワーク」を組織化したが、このおかげで1本の発注ファックスだけで、こだわりの品を幅広く揃えることが可能になった。

 築地で唯一ゆでタコを扱う店、天日干しの干物を作る店、加工技術が優れた店など、それぞれに特徴があって、また専門魚種も多岐にわたる。まるおかでは市場ネットワークを利用するようになってから、顧客の魚に対する評価が一段と高まった。

食肉は安全性を重視

 隣は食肉コーナー。壁面に大きく絵で記されているので、どこに何があるかはすぐわかる。ここでは生産者へのこだわりと安全性のアピールが際だっている。今、肉類は輸入肉の安さに押され気味だが、まるおかでは国内生産者を擁護する立場をとって、価格は多少高くなっても品質のよいものを扱っていくという姿勢を前面に押し出している。

 例えば、同じ群馬県内にある畜産農家の豚肉。丸岡さんは実際に豚舎を訪ねて、生産方法を聞き、肉のやわらかさ、うまさを自分の目と舌で確かめている。牛、豚、鶏肉、ともに銘柄や生産者にこだわったものを取り扱い、その内容を写真やパネルなどを用いて紹介しているので、それだけ説得力も大きい。

全国からこだわり商品を集める


 肉だけでなく、牛乳、卵なども同様。こだわりは酢、みそ、塩、しょうゆといった調味料や一般食品にも及ぶ。

 日常生活でごく当たり前に利用される食品ほどいいものを使用しなければならないという考え方で、商品のアンテナを張り巡らしているから、よくぞここまでと思われるほど各地から集めてきている。

 これらの商品は、有明や幕張メッセなどで開かれる食品関係やむらおこし関連の展示会に出向いて発見したり、口コミでいいと聞いたものを取り寄せたりしている。担当者全員で試食したうえで、よしということになれば取扱いを開始しながら、広げてきた。

 また、国内物一辺倒というわけではなく箕郷町にはオリーブオイル中心の食文化が育っているのかと思われるほど、イタリア産オリーブオイルの品揃えが豊富だ。ここでも丸岡さんが海外研修で訪ねたメーカーが生産している様子を撮影したパネルなどが展示されている。

 イベントなど季節の催しコーナーはバレンタイン、ひなまつり、子供の日、母の日など、先々のイベントに合わせた提案スペースとなっている。

惣菜は「家庭よりちょっとおいしく」

maru03.jpg (13695 バイト)  さて、グルリと店内を一周してきて、レジ近くに一大スペースとなっているのが、煮物、焼き物、揚げ物、弁当類など、バラエティーに富んだできたての惣菜コーナーである。

 丸岡さん自身がこれから一番伸びる分野と位置づけているのが惣菜であり、改装の度に売場を広げてきた。力を入れている様子が売場からダイレクトに感じられる。

「惣菜売場を強化するにあたっては、担当者に東京巣鴨にある『ナリタヤストアー』に数日間修業に行ってもらいました。

最も伸びる分野と力を入れる惣菜売場では、夕方大皿で量り売りをする

 あそこは厨房でこしらえた料理を大皿に盛って、できたての湯気のたつ料理を量り売りや、時間帯に合わせてパック売りをしたり、きめ細かな経営をされている。担当者が感激して戻ってきたとき、心意気というか、ハートを学んできてくれたことがわかった。これはいけると思いましたね」

 アンテナを張り巡らしておいて、いいとなればすぐに取り入れて、まるおかなりのスタイルを作り上げる。ここでも、特筆すべきことは材料へのこだわりである。

 伊丹十三監督の映画『スーパーの女』で残り物やロスになりそうな生鮮食料品を使って惣菜を作るシーンがあった。このとき宮本信子扮する女主人公は惣菜であっても新鮮な素材を使わなければいけない、店で働くパートの人たちが買いたいと思うものを作らなければいけないと上司をいさめている。その言葉通りのことをすでにまるおかは実践している。

 その日仕入れた新鮮な食材を使って、揚げ物ならば生パン粉をまぶして、よりおいしくカラッと揚がるように綿実油にゴマ油を加えた特製の油を使用している。こうすると冷えてもおいしいからだが、業務用のパン粉、油よりもコスト高になることは事実。したがって、他店の同種の惣菜よりも1〜2割は高くなるが、それでも「素材を吟味したおいしさ」により客にとっては値頃に感じられる程度の価格設定になっている。

 水はアルカリイオン水。化学調味料は使わず天然のだしをとり、塩、しょうゆなどは安全性、味ともに吟味したものを使用する。というように、むしろ家庭の台所以上に気遣っている。弁当類などの買物でにぎわう昼間はパック類が多いが、夕方4時すぎからは大皿に盛って対面販売で売る。いまやここがまるおかの名物コーナーである。メイン料理や箸休めにもなる料理などが15皿前後、いずれも家庭で少量作るには材料を揃えたりするのが面倒だったり、時間がかかったりするものばかり並ぶ。

 改装後に最も強く打ち出したのが、惣菜売場の強化だった。全体の8割以上は自家製造で、売上げに占める惣菜の割合は16%、部門中上位を占める。
「最近はこの辺りでも仕事を持つ主婦が増えてきました。ですから、家庭料理の代行をするような感覚でここへ来ればオードブルからデザートまで揃うように、とにかく便利でおいしい店をめざしています。材料も吟味しているので、あそこならば安心という思いが浸透してきたのではないでしょうか」

 O-157が問題となった96年、まるおかの食品ならば安心と刺身や肉類がよく売れた。衛生管理が行き届いた調理場で一つ一つ手作りされる惣菜類も、味を含めて評価は高まる一方である。ヨモギ入りの草餅は、惣菜部門のスタッフが山で手摘みしてきたヨモギを冷凍して使用、添加物は一切用いずに製造している。こんなエピソードもPOPで紹介し、店に対する信頼度を増している。

 味、鮮度、安全性へのこだわりは全部門に浸透し、客も全幅の信頼をおいているのである。

情報伝達を大きな武器にする

情報をより多く伝える

  そして、最終のレジ。この周辺は情報があふれている。食品の栄養や安全性に関する新聞記事、商品情報など。無農薬やこだわりの食品などを詰め合わせた、まるおか特製「ふるさとギフト」紹介の写真パネルも飾られている。

 単にPOPで推奨するだけでなく、なぜその商品がいいのかを新聞記事や具体的な分析データをもとに、説得する。それをじっくり読まないまでも日頃こうした掲示を売場のあちこちで見かけていれば、企業姿勢は自ずから伝わるのである。 

 まるおかでは安売りのチラシはまかない。毎月1回フルーツの日、パン菓子の日、たまごの日、マグロの日、肉の日が決まっていて、掲示板に張り出されている。安売りよりも、買物自体を楽しみに来店する固定客が多い。

 チラシをまかない代わりに有効に活用しているのが前橋中心に配布されている地元情報誌である。この中のカラー刷り一ページで「まるおか社長のくいしん坊紀行」を連載しているのが有力な販売促進になっている。

 これは丸岡社長自ら取引先である生産者やメーカーを訪ねて、そのレポートを報告しているものだ。執筆を頼んでいるライターの分と含めて取材経費は月に数十万円かかるが、雑誌に掲載されたページをカラーコピーして店内で配布しているので、「企業イメージ」向上の効果は大きい。

 丸岡さんが学んだり感動した事柄はすぐに社員にも伝えるようにしている。こうした積み重ねが、取扱商品を「よく知ったうえで販売する」という自信につながるのである。

 生産のことがわかってくると、消費者にも伝えたい。その思いが高じて、年5〜6回、生産者・メーカーと消費者をつなぐ集いとして講演会を始めた。これが毎回50〜100人位と会場収容人数を上回る参加者を集め、すっかり店の行事として定着した。店頭の掲示板に「食は命 毎日の食をもっと見直しましょう」のメッセージが見られるが、こうした地道な活動が消費者の意識をも高めているのである。

医食同源をうち出す

 丸岡さんがここまで食にこだわるのは、理由がある。まるおかは先代が500m離れた場所に青果店を開いたのが始まりだが、店を継いだ丸岡さんは68年に株式会社組織にして総合化を図った。だが、同じ頃に体をこわして1ヵ月の入院を余儀なくされることになる。

 このときにたまたまチクロ問題が起こり、食べることの意義、安全な食品とは何かなどを根本から考えることができたのが、安全性の高い食品をより多く扱う契機となった。
 以後、まるおかのモットーは「医食同源」となる。地域の人々の健康を向上させていくことが食料品店の大切な使命と自覚したのである。

 講演会、海外研修と様々な知識や情報を店づくりに生かしつつ店を伸ばしてきたが、80年に500mの距離に売場面積800uのローカルチェーン店がオープンして大打撃を受ける。このとき、まるおかでは安売りをアピールするチラシをやめて、より品質重視を打ち出した。この結果、3ヵ月で売上げを戻したことが店の方向を決定づけた。

 82年に前の店から500m離れた現在地に移転して、売場面積を350uに広げ、駐車台数四五台のスペースを確保した。

「当時はスーパーマーケットとは言わずに、生鮮食品専門店とアピールし、生鮮食品を特に重視しました。スーパーではテレビで宣伝するものや大量流通するものが売れ筋になりますが、全国的な知名度はなくても、おいしくて健康によい良心的な品を探し育成することが使命だと考えました。

 雑誌の取材で各地を回っていると、こだわりのメーカー、生産者たちは確固たるポリシーがあり、筋を通している点で共通するものを感じますね。そういういい商品をより多く取り扱っていきたい」

 品質のよさ、味のよさを納得してもらうためには、とにかく試食を繰り返すという地道な努力をしてきた。また、店に親近感をもってもらって、お客の声が反映できる店にするために、コミュニケーション作りにも努め、音楽会、ハイキング、講演会などの催しなどを随時実施している。

 まるおかは社員の定着率が高い。社員にとっても働きやすく、また、部門別に任せてくれるだけに、働きがいのある職場になっている。

 事務所に入ると、丸岡さんが本を読んだり、講演を聞いたりして感動した言葉、あるいは日頃考えていることを言葉にしたものが室内のあちこちに貼られている。その中の一つに「みんなで地域一番店にしよう」との張り紙があった。

「地域一番店とは規模の問題ではないんですよね。人、商品、たたずまいが大切といつも言っています。働く人が常に向上心をもって、人間的にも魅力がある店、そして看板商品がたくさんある店、いつも清潔さが保たれている店。そうであれば、地域一番店になれる。そのために1人の脱落者もなく、みんなでみこしをかつごうと声をかけています。

 大型店が周辺にできる予定ですが、こわくはありません。私は数年前から大型店の時代は終わった、と言ってきました。

 どんなに店が広くても、買う量やほしいものは限られているんです。大型店は月に1回、あるいは週に1度行けばいい、でも、こうした中小規模の店は生活感を重視して、客が毎日でも行ってみたいという店にすればいいんです。すべてを取り揃えるというよりも、いかに魅力ある商品を揃えるか、これは店の規模には関係ありません」

「この商売は発想の転換が大事。物品販売業の発想では行き詰まります。働く主婦たちの応援業をしていると考えれば、加工や惣菜部門を広げたり、といろいろなアイデアがわいてきます」

 丸岡さんの言葉一つ一つが穏やかな口調ながら自信に満ちている。生産者とともに、お客とともに、社員とともに歩んでいるという気持が言葉のはしばしからうかがわれる。
 今後惣菜部門をさらに強化していきたいが、もし別の店舗をもつことができるとすれば、現店舗で扱っているこだわりの商品やおいしい惣菜を食べさせる店を作ってみたいという。

 おそらくは今、日本中で最も元気な店の一つであり、経営の「深さ」を感じさせてくれる店である。


繁盛店のノウハウ
☆鮮度、味、安全性にこだわった品揃え
☆各売場が専門店的な深さをもつ
☆安全で、豊かな食生活を提案する
☆明確なポリシー、信念を店、商品に反映させる
☆生産者と消費者をつなぐ役割を果たす

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