|
|
|
クリスマス、正月シーズンには「ワイン」を特集してきた。今でこそ地域おこしのワインは多いが、最初は調べようがなくて困った。
そこで、とったのが生産者から醸造会社を聞き、醸造会社に地域おこしのワインを紹介してもらうという手段である。
安曇野ワイン(長野県)、ニッカウヰスキー(東京)、北海道ワイン(北海道)などは地域おこしに協力して、行政やJAなど数多くのワインを手がけていることがわかった。また、キャベツやタマネギなど「こんなものがワインになるの?」といった意外な原材料の場合は、山梨薬研(山梨)が醸造技術をもっているようである。
これからワインをつくりたいという産地のためにも、なるべく醸造先を確認して情報提供している。同じ原材料、同じ会社で作っても産地が違うとまた別の味わいになるのが、ワインの愉しみだろう。ラベルも各産地が工夫を凝らしていて見どころがある。 |
|
戻る
|
酒は酒販免許がないと販売できない。果物屋さんの中には果物のワインを扱ってみたいという人が多いが、産地にとっても酒販店や土産店のほかに販路が広がるとすれば大いに歓迎すべきことだろう。
ところが、ここで問題がある。実際に酒を扱っている果物店主からの反論である。
「果物のワインは甘すぎる」
そうなのだ。「女性向きに甘くしました」と産地では自信をもって答えてくれるのだけど、「女性を甘くみてはいかんぜよ」という心境になるぐらい甘いものが多すぎる。
だから、観光土産レベルでとどまってしまう。それが悪いわけではないが、1回きりの購買でリピートにはつながらないだろう。たとえ観光土産としてでも、本格的な味わいの「フツー」のワインを作ってほしい。地域食品には好意的な私でさえ、1本飲みきれなくて、料理用にしてしまったものがある。ワインさん、ゴメンネとあやまりつつ……。 |
|
戻る
|
|
なぜ特産果物を使ったワインは甘いのだろうと思っていた。しかし、ワインの特集をするさいに、あるワイナリーから申し訳なさそうにこう言われた。
「昨今は赤ワインがブームで、赤ワインの味が定着している。そういう方々が私どものワインを飲まれると、甘すぎる、ジュースのようだと思われることだろう。がっかりされるのは心苦しいので掲載は遠慮したい」
そうなのか。果物の持ち味を出すために、甘いワインにせざるをえないものもあるのだと初めて知った。ワインというより、果実酒と称するほうがよいのかもしれない。
「それならば、とても甘口と断って紹介させてください。地元の果物を使って、地域おこしに貢献されている姿を紹介したい」とお願いした。自社のワインを愛している気持ちがひしと伝わってきた。地域おこしに協力してくれているワイナリーも、本格的なワインを作っている。そのあたりご理解を! |
|
戻る
|
地域食品を購入してみて満足度が大きいものの一つは、ハム・ソーセージである。というのも、自分で原料になるブタを飼育し、それをこだわりの製法で加工している生産者が多いからだ。
小売店が製造するハムも一般にはあまり手がけていないなかで、チャレンジ精神を発揮して取り組んだものなので、その心意気が表れていて美味だ。
本当に地域食品のハムだけは、「どれを食べてもおいしい」という世界である。マスの生産だと膨張剤、増量剤を入れたりして水っぽかったりするらしいが、ムチムチプッチンと歯触りがいい。JA郡上のように、プレスハム一筋(これは珍しい!)というところもあれば、多種類扱ってよりどりみどりというところもある。中にはギョウジャニンニク入りソーセージなんていう珍しいものもある。
後は「メッセージ」や「ヒストリー」などをごらんいただいて、お好みの産地をお選びくださいというしかない。とにかくうまい! |
|
戻る
|
東京ビッグサイトで毎年3月に開かれる「ふるさと食品全国フェア」は、楽しみにしているイベントだ。
生産者やメーカーの人と会えるので、その場で取材協力のお願いができる。向こうもこちらと顔合わせをしているので、むげに断れないと思うのか、後に電話取材をする場合もスムーズに運ぶ。ある月などは11品目のうち、8品目も同フェアで試食・試飲した「逸品ぞろい」になってしまった。
このフェアのなかで、スーパーやデパートのバイヤーを対象に「商品を食べてみたいか」「扱ってみたいか」というイベントが実施される。このときに「食べてみたい」商品でも、取り扱うとなると評価が低くなったりするのが興味深い。
以前、ある「釜飯の素」を3人前では多すぎると言ったバイヤーがいて、「何でも東京中心に考えてもらっては困るんだよッ」と思ったものだった。特産品はまずその地域に支持されるのが一番なんだから、東京中心に考えないで!と声を大にして言いたい。 |
ある日の留守電。
「ご購入いただきました化粧水、お使いになっていかがでしょうか。ご感想をうかがいたくてお電話しました。そろそろなくなるころかと思いますので、またのご注文お待ちしています」
ミーハーな私は、よさそうだと思うとすぐに「取材者」というより、「消費者」になってしまって購入してしまう。これはササエキスなどが入った北海道下川町の「町おこし」化粧品である。化粧品だけは効果がよくわからないのだけれど、こうして電話をかけてきてくれると再注文の確率は高くなるだろう。
水産関係の会社も新製品が出る度にFAXを流してくれる。そのたびに紹介したり、注文するわけにはいかないが、いつかまたという気にはなる。お煎餅屋さんも季節ごとに案内をよこすので、何かのときには「あそこにしよう」ということになる。
買ってもらったら、それっきりでなく、なんらかのつながりを付けることが大切だと思う。 |
「元気な小売店」で紹介している赤水さんのシャーベットについてはすぐに同業者からの反響があった。
「作り方を教えてほしい」「店を訪問して話をききたい」というものである。
赤水さんもさすがに、見ず知らずの人に電話で作り方を教えるわけにはいかず、丁重に「企業秘密です」とお断りしたそうだ。
そして、「おいしいと書かれていたら、まず注文して味を見てみようと思うのがふつうでしょう。作り方うんぬんや訪ねてくるのはその後からでいいと思うのですが」と苦笑する。
「キャロットのシャーベット、前よりさらにおいしくできました」。よりおいしく、と常に向上心を持ち続けて研究している。
最初はまねから加工品作りが始まるとしても、教わるときには作り手の「心意気」まで感じとってほしいと思う。それにはどんなに話を聞くよりも、まず食べてみることだ。味が何よりも商品のことを雄弁に物語っている。 |
ここまでくるまで10年かかった――この言葉を何度耳にしたことだろう。
成功した店や産地には、見学者がたくさん訪ねていき、成功しているうわべだけしか見ないが、実は一番大切なのはそこに至る「過程(プロセス)」だと思う。
「成功している人は必ず幾つかの山あり谷ありを経験している。その谷底にいったときにどうやってはい上がったかをきくことが一番参考になる」
「大事なのはプロセスをどう評価するかだよね。誰もが最初は一から始めたのだから」
経営者がこの言葉を発したときに、どういう表情で話したか、はっきり思い浮かぶ。
生産者が販売を手がけてみて難しいと思うのは当然だ。長年小売業をしてきた人でさえ、多くの苦労をしているのだから。でも、売れないからといってあきらめずに、作り続けてほしい。いい商品であれば、いつか「きっと売れる」と信じて売り続けてほしい。 |
なぜ特産果物を使ったワインは甘いのだろうと思っていた。しかし、ワインの特集をするさいに、あるワイナリーから申し訳なさそうにこう言われた。
「昨今は赤ワインがブームで、赤ワインの味が定着している。そういう方々が私どものワインを飲まれると、甘すぎる、ジュースのようだと思われることだろう。がっかりされるのは心苦しいので掲載は遠慮したい」
そうなのか。果物の持ち味を出すために、甘いワインにせざるをえないものもあるのだと初めて知った。ワインというより、果実酒と称するほうがよいのかもしれない。
「それならば、とても甘口と断って紹介させてください。地元の果物を使って、地域おこしに貢献されている姿を紹介したい」とお願いした。自社のワインを愛している気持ちがひしと伝わってきた。地域おこしに協力してくれているワイナリーも、本格的なワインを作っている。そのあたりご理解を! |
長崎県大村市の「二丁目赤水さん」が98年優良経営食料品小売店等全国コンクールで晴れの農林水産大臣賞を受賞した。果物小売業でありながら、シャーベットや、フルーツ果汁をあんにねりこんだ最中などを開発してオリジナル商品にしていることなどが高く評価されたのである。
ここのシャーベットはフルーツをそのまま食べているようで、本当においしい。西瓜やパパイヤなど、シャーベットには不向きの果実も赤水さんの手にかかると生のものより美味なのではないかと思える味になる。
もともとはお待たせするお客様をもてなす意味で加工に取り組んだが、食べた人から「販売して」との要望が高まって販売に踏み切ったのだそうだ。「だから、原価がいくらかかるといった計算はしていないのですよ」と笑う。
とにかく、味本位に物を作り出し、向上心が旺盛だ。味が店の姿勢を物語っている。日々の精進が美味な商品を生み出すのだと思う。 |
A店では、テレビに放映されるからといって、チラシを作成し送ってきてくれた。
B店の店主は、活気ある小売市場の理事長としてテレビに何回も出演したことがあるのだが、小売市場の空きスペースの活用が現在の課題だという。
「イベントスペースにして、テレビに出たビデオを流せばいいのに」と私。
「えーっ、お父さんが出たテレビなんて恥ずかしくてというので、うちではビデオも録画してないんですよ。そっか〜、そういう使い方があったんですね」
売れない、売れないとボヤキながら、チャンスを販売に生かしていないところが多いのに驚く。そうかと思うと「地上」に掲載された記事を拡大コピーしてパネルにし、コピーも持ち帰れるようにしていたところがあった。何が売れるきっかけになるかわからないのだから、利用できるものは何でも利用しよう。いくらよい商品でも、販促なしには売れないのだから。 |
|