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桃とプラムのジャム

 材料(500ccの瓶約1個分)
白桃(中)・・・・・2個
プラム・・・・・・・・4個
レモン汁  1/2個分
グラニュー糖 ・・・適量
 作り方
1.桃は皮を湯むきし、粗く刻む。種は除く。
2.プラムは洗って、皮ごと粗く刻み、種は除く。桃と合わせて計量し、果肉の半分の量の砂糖とともに、ほうろうかステンレスの鍋に入れ、レモン汁も加え、強火にかける。
3.木べらで果肉をつぶしながら煮る。沸騰したらアクを取り、火を少し弱め、約5分煮つめる。
4.熱いうちに、きれいに洗った瓶に入れ、固くふたを閉める。逆さまにして置き、冷ます。

★保存期間は常温なら約半年。冷蔵庫でなら1年可能。開栓後は冷蔵庫に入れ、1週間くらいで食べきるようにしてください。
★プラムを混ぜると、淡白な桃の味がしまって、深みがでます。プラムの皮は煮崩れてしまうので、一緒に加えてかまいません。

 8月も終わりになると、アルザスの青空は穏やかに澄んで、風は優しくなります。

 長期旅行中のホームステイ先のおばさんに代わって、借りている家庭菜園の水やりに行った日のこと。金網ごしに、隣の菜園のドゥボーさんと目が合いました。

「野菜作りの名人」と評判の、年の頃は70代前半のおじいさん。幾度となく、おすそ分けにあずかっています。突き出たお腹と、赤黒く日焼けした顔、への字に下がった目に、愛敬があります。

 こんにちは、と、笑顔であいさつ。すると、「あんた、先週来なかったね。うちの桃が熟す頃だから、取りにおいでと言ったはずなのに」
 いつになく不機嫌な表情にとまどい、慌てて謝ります。そして言い訳。「忙しかったんです」

 腹立たしそうなため息が返ってきました。
 今年は果物の当たり年だったそう。畑の2本の桃の木も、平年以上に実をつけたとか。家族だけでは消費しきれず、四方八方に声をかけるも、

 「誰一人、取りにこなかった。どれだけの地面に落ちた桃を、毎朝拾って捨てていたことか!」

 隣へ行くと、大きなゴミ箱からは発酵臭が漂い、無残な桃たちの姿がありました。
「今年は、最高の出来だったんだよ」

 横顔が、少し淋しそうです。渡されたテニスボール大ほどの桃は、早く食べろと叫ばんばかりに芳香を放っている。期待を裏切らない味でした。

 木に残っていた分を、リュックに入るだけもらって、帰路につきます。

 でも20個もの桃、とても一人の胃袋に収まる量ではない。で、ジャムに加工することにしました。

 皮を湯むきし、種を除き、砂糖とともに大鍋へ。グツグツ煮ていると、甘い香りが立ち上ってきます。玉じゃくしですくって、瓶詰め。入りきらなかった分は小鉢に移し、フーフー息をかけて冷まします。すぐに試食。期待以上においしい。実は、桃ジャムは初の試みでした。

 6個の瓶を並べ、一人悦に入ります。が、見まわせば、レンジまわりは果汁と砂糖でベタベタ。流しは、生ごみと化した皮と種が占領しています。

 台所がもとの状態に戻るころには、ジャム作りを初めてから、数時間が過ぎていました。

 「好きなだけ果物を持っていけ」と言われても、あとに続く「仕事」が億劫で、尻込みする人は少なくないそうです。ジャムを煮る人も減っている、とか。忙しい現代人にとっては、市販品を買うほうが理にかなっているのかもしれません。

 果物の香り豊かな自家製の味に、かなうものはない、とは承知のことでしょうけれど。
 桃のジャムには「ドゥボーさんの畑より」と書いたラベルを貼り、日本へ持ち帰りました。

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