Home 目次  

澤井商店(東京都練馬区)

澤井商店
東京都練馬区南大泉3-29-18 営業時間9:00〜20:00 日曜・祝日定休 野菜50%、果物50% 1959年創業。西武池袋線保谷駅下車数分、保谷街道沿いの小売市場で約40年営業してきましたが、2003年11月に老朽化のため取り壊し、2004年11月5日マンションの1階に「味の名店館」として新装オープンしました。

  店のすぐ目の前に、ナショナルチェーンの量販店があるほか、スーパー、青果店の競合が厳しいため、品質のよいもので店の特長を出しています。このため、品物が多く揃う大田市場まで往復3時間半かけて仕入れに出向き、話題性のあるものや珍しいものなどを数多く仕入れています。

 この日は、宮崎産の日本カボチャが1,000円、青森産の長イモ1本物650円など、一般の青果店では価格面で扱いにくい商品も置いていました。シイタケも大粒の原木栽培品です。

 年配のお客さんが多く、味さえよければ購入してくれるので、高額品も安心して仕入れられるとか。「よい品物を安く」のモットーで値付けしていますが、価格だけの単純比較だとスーパーよりは高くなりがちです。それだけに、野菜の品質をよく知るお客さんが固定客になっています。また、こまめに配達を実施しているので、お客さんが気軽に立ち寄ってくれます。

 産地の箱のまま並べることが多いので、原産地がすぐ分かります。鮮度を保つために陳列する量は少なくし、こまめに冷蔵庫から補充しています。熊本や和歌山産ミカンが、箱でよく売れるということから見ても、同店がおいしい青果物を扱っているということが伺われます。

右から澤井ゆかりさん、勉さん夫妻、母の幸子さん、ベテラン社員の内海秋男さん。創業者である父(光男さん)は外出中。


【白ネギ】
 白ネギは、年間を通して栃木県大田原産(JAなすの)の那須の白美人(商品名)を扱っています。白美人は、専用の有機質肥料を使って栽培するネギです。夏場は青森のネギが中心になり、大別するとこの2種類、ほかに泥ネギや「下仁田」ネギなど、その時々のものを扱います。
 

 ネギは11月〜翌2月ぐらいまでが最も需要が多いですね。店売りはMサイズを4本束にします。ラーメン屋さんの納めにも白美人を使っていますが、みじん切りにした時に見栄えがするように2Lサイズを納入しています。白美人は辛みがなく、やわらかいけれども身がしまっていて、とてもおいしい。生で食べるのに向いていますね。

 テレビなどを通じてブランド名を知っている人が多く、「これ、白美人だよ」というと安心して買っていきます。中には「白美人ないの?」と店に入ってくる方もいます。

ネギは11〜翌2月まで需要が多い。中でも那須の白美人はよく売れる

 ネギの料理といえば、夏は焼き肉や薬味が中心ですが、冬は煮込みや鍋が多いので、「下仁田」ネギも仕入れます。「下仁田」ネギは多少寝かして葉が枯れているぐらいの方が味はいいと分かっているのですが、枯れているとお客さんはよいイメージを持たないので、どうしても青いのを選ってもってきてしまうんです。対面できちんと説明すればいいのでしょうけど。
 
 冬場は一般のネギでもやわらかいのですが、春から夏にかけてはどうしても皮がかたいネギばかりになるので、産地を先回りして北のネギに移行するように心掛けています。夏もハウス栽培のやわらかいネギを食べたいという方がいらっしゃるので、白美人は切らしません。輸入物が多くなりましたが、うちでは扱っていません。
 
 この周辺はスーパーが多いので、スーパーが扱っていないものを探して売るようにすると、ブランドのネギが多くなってしまいます。ネギには力を入れている方だと思います。
 
 あさつきは12月〜翌2月ごろまでが最盛期となり、うちの店では好評です。ぬたやお鍋がオーソドックスな料理法ですが、中にはキムチにする人もいます。出始めは1袋350円ぐらいで売りますが、それでも1日20袋は売れます。ピーク時には250円。うちの店では、バラの箱で仕入れ、お客さんが買いやすい価格と量で販売する野菜が多いです。ネギの4本束は多いかもしれませんが、年配のお客さんが多いので、上手に使ってもらえるみたいです。

 話しを聞く間にも、お客さんが来店し、「あら、ネギはどこなの」「ネギはあっち」と店の人が指さすと、「おたくはよく品物が動くわね」「うちのネギは元気がいいから、動くんだよ」。そこでみんな大笑い。小売店ならではの打てば響くようなやりとりがありました。

【サヤエンドウ】
 キヌサヤエンドウは、2004年に台風や干ばつによる被害を受けて夏場に価格が高騰し、1kgで原価6000円もしていました。8〜10月は、年末に売った1袋200円ぐらいの量(100g)を、1袋1000円で売りましたよ。それでは、高すぎて誰も買ってくれません。うちでもそうですが、どこの店でも高かった時には注文の品以外置いていなかったと思います。
 

 夏は福島、青森、岩手産など東北や北海道のものしかなかったのですが、9月に入って愛知、静岡、鹿児島産など各地のものが出回るようになり、これでも価格が下がった方なんです。安く扱いたいならば輸入物になるのでしょうが、輸入物は一度も置いたことがありません。でも市場では本当に輸入物が多くなりましたね(東京市場全体では平成15年中国産が3922t入荷し、71%を占めています。kg単価も中国産は246円に対し、愛知産は1204円)。

 愛知産は青みがとてもきれいで、形もよいので、出始めからずっと扱います。粒がかたいと食べにくいのですが、肉質もやわらかい。見た目からいえば広島産がよいと聞いていますが、家庭で食べる分には十分だと思います。

愛知産のサヤエンドウは、青み、形がよく、肉質もやわらかなので出始めから扱っている。

 最盛期は春と秋です。寒い時期はいいのですが、10月あたりだと虫が入ることがあるので、マメ類の取り扱いは難しい。やはりよい産地を選ぶことが大切です。サヤエンドウも等級がいろいろあり、秀品を扱うようにしています。

 昔からの習慣で、どうしてもスジをとってしまいますが、最近はスジをとらなくても食べられるものが多くなりました。

 料理方法は、みそ汁、炒め物、卵とじ、青みとして散らすなどでしょうか。メインのおかずにはならず、ちらし寿司にのせたり、吸い物の具にしたり、見栄えに使う人が多いから、どうしても色の鮮やかな、変色していないものを要求されます。色や曲がりなどの外観のほか、シャキッとした印象を与えることも大事で、しんなりした感じだとあまりおいしそうに見えません。よいものが少ないので、スーパーもあまり力を入れないようです。そういった商材で品質を吟味して売ると、「おたくのサヤエンドウはいいわね」といわれます。

 スナップえんどうもこのごろはずいぶん知られてきて、売れるようになりました。こちらは定期的に扱うのでなく、市場に入荷した時に仕入れますが、冬場は150g弱250円でよく売れます。「スジを取ってゆで、マヨネーズなどで和えるとおいしいですよ」とおすすめしています。

話題性のあるものや珍しいものも積極的に扱う

個人でも、後で配達をする

取材日2004年12月18日