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杉本青果店(東京都足立区)

杉本青果店(東京都足立区)
■東京都足立区千住旭町13-10 9:00〜20:00 日・祝日定休
■JR常磐線、地下鉄千代田線、日比谷線北千住駅より徒歩3分、千住旭町商店街の中ほど。
■第13回(平成15年度)優良経営食料品小売店等全国コンクールで農林水産省総合食料局長賞受賞

 野菜の販売はロスをいかに最小限に食い止めるかが勝負。そこで、杉本青果店では、野菜を加工して付加価値を高めて販売しています。
 夏場のトウモロコシはふかすだけで1日平均200〜300本も売れるとか。サトイモはゆでて、ゴボウもきんぴらゴボウ用にささがきにして販売したものがよく売れています。このほか自家製漬物も人気があります。

 杉本青果店の店頭には、新しい・珍しい・話題になった野菜が豊富に並んでいます。「これはどうやって食べるの」と聞かれて、ペラペラペラと説明。「レシピ一枚置いてあってもお客は納得できないと思う。まだ知られていない珍しい野菜はアピールしないと絶対に売れない。そこが対話販売の一番メリットだね」。新顔野菜をどんどん売り込んでいくそうです。ふと気づくと、店の目の前はスーパーでした。「変な競争意識はつまらない。やはり自分の店のカラーを出さなきゃ」という元気な八百屋さんです。
 

手前から店主の 杉本晃章さん、奥さんの節子さん、甥の増淵昭人さん


【トマト】
 トマトは卸売市場でも一番の取扱いだって聞くけど、うちの店でもトマトは一番の定番商品だね。野菜が6割だけど、そのうち10%はトマトの売上げで断然トップ。夏だと7〜8種類、冬でも5〜6種類は扱う。お客さんのニーズに応えるには、それだけ置かないと野菜で1位の売上げは保てないわけ。

 トマトのよい点は、簡単に食べられるところだね。切ればすぐ食べられ、調理加工も必要ないから今の時代に向いていると思う。甘いトマトは果物感覚で丸かじりして食べてよってすすめる。

 お弁当にはミニトマトがいいけど、夏はオレンジやイエローのミニが出てきて彩りがきれいだよね。サラダなどに盛り合わせるにはミディトマトが甘くていいよ。ミニや中玉が人気で、逆に大玉の2L、3Lサイズが市場で安くなったんですよ。家族の人数が少ないと大玉だと持て余してしまうからでしょうね。だけど大玉トマトの露地物は味としては一番おいしいから、トマトが大好きな人には2L、3Lサイズをすすめている。

 若い人は料理のバラエティーがあるから、いろいろな種類を買っていくけど、年配の人はある程度「このトマト」と決めるとそればかり追いかけるみたいだね。みなさん、甘い、高糖度のトマトが好きだね。

「トマトはあの店に行けばハズレがない」という感覚で売っていきたいと語る杉本さん
トマトも産地別に売っている

 売っていて一番おいしいと思うのは夏秋トマトの終わりごろのもの。8月下旬から9月になってトマトを収穫する段が6〜7段、大人の背丈くらいになると味が濃くなって糖度が乗ってくる。そのころが一番おいしんじゃないかな。

 逆に、出始めの1番果、2番果のうちは各産地とも水っぽさがあり、皮もやわらかくて売りにくい。5段目くらいになるとゆっくり熟した感じで、トマトのかたさが出てきて濃厚な味になってくる。それが、夏秋トマトの一番の特長だと思う。

 うちの店では抑制品を売らずに、温室物になるまで露地トマトを引っぱっちゃう。露地トマトはうまいんだよと説明しながらね。

 昨年(2003年)は秋田産の夏秋トマト「桃太郎8(エイト)」を2か月ほど売った。産地の箱に桃太郎と書いてあっても桃太郎の中のどの品種かが分からない。だから、種苗会社の品種紹介雑誌とかをこまめに見て特長を知るようにしているね。

 「桃太郎」はトマト=桃太郎という意識を植え付けた。そのネームバリューはすばらしいと思う。トマトはおいしければ、1袋にボリュームがあっても売れるんだよ。だから、トマトはあの店に行けば絶対にはずれがない、という感覚で1年間売っていきたい。水に浮くようなトマトは売りたくない。その意味で「桃太郎」は中身がびっしりだから浮くことはないと思うけどね。

【タケノコ】

 タケノコは2月下旬から国産の鹿児島産から扱い始める。2か月半くらいの短期決戦だね。2kg2000〜3000円になると、ゆで始める。ゆでるとタケノコごはんにしようというお客が買っていく。50kg入る釜に、1日で多いときは1回半、60〜70kg、少ない時でも30kgゆでる。

 タケノコは週末に圧倒的に売れるんですよ。家族が集まる金・土曜日にタケノコごはんをしよう、となるらしい。週明けは売上げがガクンと落ちるので、30〜60kgで毎週行き来するわけ。

桶の中に入っているペットボトルは、中に水を入れて凍らせたもの。必要なときに繰り返し使えて便利。

 売りやすい価格は2Lサイズで1本500円くらい。タケノコって5割が皮だけど、うちのはかなり大きくて500円だとお得感があるらしくてよく売れる。

 中国産は残念ながら根っこがかたくて風味がないから、うちは国産だけを追いかけてるけど、タケノコは産地が近いほうが新鮮で安くておいしいね。

 

タケノコは、市場から戻ると鮮度が落ちないうちに、業務用電気釜でゆでる。トウモロコシの時期には、これを使って蒸す

(財)食品流通構造改善促進機構主催 第13回優良経営食料品小売店等全国コンクール(2003年度)農林水産省総合食料局長受賞を記念して看板を 作成した

北千住駅東口側の旭町商店街。午後になると人出が多くなる

ケールの味に似ているというので芽キャベツを毎日買いにくるアメリカ人。外国の人は、日本語の会話をしたいので、小売店にはよく来るそう。この人、テレビのCMにも出てましたね

 

 

取材日2003年10月14日