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東京都青果物商業協同組合
本部青年会会長 |
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江澤先生の指導を受け、野菜のことを身をもって教えている青果店の手本になる人。「野菜相談うけたまります」(創森社刊)
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私は八百屋に入って40年になり、そのうち3分の2くらいは組合活動をしています。江澤先生と知り合って教育していただいてから、本当の八百屋というものを始めて20年くらいになります。
今、私の事業としては江東区の消費者センターと組んで年3回の料理教室をしています。それと年1回茨城県の行方という産地に200人くらい連れて産地見学に行っています。これは予算がないので昨年から80人くらいに減らされましたけど、地域の人たちと密着した商売を目指して年間そういう事業をしています。
今日は三本立てでお話したいと思います。
◇八百屋の心意気
今、うちの葛西市場は大揺れに揺れています。江東青果、墨田青果があったのですが、千住青果に吸収されて4月1日から1社体制で行うということです。そういうなかで我々八百屋がどのように生きていくのかということで、やはり非常に不安感はあります。
なぜ千住青果がこのように伸びているのか。要は基本に忠実に、なんです。小売商のために卸があるのだということを徹底してやっています。支社長がきたときに何をしたか。競売が終わってから、ほうきをもって場内をきれいに掃除するんです。一般社員もそれを見て掃除をする。まず場内がすごくきれいになる。そういうことから始めているのです。社員は一つの方向へ向けて動く。葛西市場は、以前は扱い高も低く、市場といえるような市場とはいえなかったのですが、まず人から変えていった。それは素晴らしいことです。一昨年10月からですが、社員が全部「おはようございます」と挨拶してくれるようになった。
内側から変えていったのは素晴らしいことだと思います。自分から変わっていかないと変わらないのではないか。何のために我々小売があるのかということから考えていかないとなかなか解決しません。
支部長12年目でことし卒業するんですが、私どもの支部の成功例をいくつかお話したいと思います。売れないだけでなく、努力しようとする姿勢を持ち、自分から変わっていこうではありませんか。本人がいかに変わるかが成功の秘訣だと思います。
よくみなさんはあそこは場所がいい、だから売れるんだという人が結構います。市場に来ると「昨日は売れなかった」「売れないね」ということばかり話す。それが八百屋の欠点です。市場にあれぐらいの量があるのは、どこかではけているわけです。売れないのは当たり前という八百屋同士の慰めあい、これが八百屋の今までの欠点です。「うちはこう売ったら売れたよ」という話し合いができるような支部をつくるべきだと思う。こうやって売ったらよく売れたからみんなで真似しようじゃないかってね。
葛西市場には引売りが多く、今も結構います。今日行って明日雨ならやめようという人が多いんです。うちの支部のある人はいつも未収金でした(笑)。それで毎日のように話し合ってわかったことは、その人は商売を3日やっては4日休むんですね。この休みの間にお金を使ってしまう。だから、私は4日仕事しろと言った。引売りを3日すると50〜60万円を売るけど、もう1日増やしてもその分10万円も売れないというんです。でも、やってみろと4日以上仕事をするようにしてもらって、3年目になるけど600万円の借金をきれいに返していま貯金しています(笑)。そういうふうに自分から変わってきている形をとらないとむりだと思うんですね。
もう1店は葛飾区の立石というところでやっていて20〜30万円売っていたのが、イトーヨーカ堂の大きな店が四ツ木にできてしまい、1日に3〜4万円しか売れなくなった。そこでは無理だから近くで探せばいいのではないかといって探したら、たまたま高砂駅のそばの裏通りの商店街の中程に空き店舗があった。そこでに真剣に再出発したら、毎日八百屋だけで1000人きますよ。土曜に毎週特売をすると1500人きます。この間は創業祭として5年目で初めてチラシをまいたら、1100人も一気に来て、おまわりさんがきちゃいました。そういうふうに伸びているところもあるんです。それは自分から出ていったところが違うんです。
我々は、昔からの親父の店だから大事にしなければと思うと、なかなか出られない。だけど、背景が変わった場合には、自分から動かなければならないときがあるかも知れない。そういうときに、いかに早く先見の目があって動けるか。意外に動いた人が成功していますよね。何度か動いて、やっと成功した人もいます。そういうことで、自分から変わっていくことを目指していかないと、変わらないままの状態で売れる、売れないと言っていては無理ですね。
うちのそばは、大型店が10店くらいあります。一番強力なのは、赤札堂が食品から何から全部100円にしてしまいました。去年の11月には500m先にイトーヨーカ堂の木場店ができました。でも、これだけはうちの誇りでもあるんだけど、うちの商品は価格じゃない、品質なんです。価格でやりあったら負けちゃう。市場からもっていったものを100円で売れっこないんだから。赤札堂は魚もマグロ2切れの刺身もみんな100円。これは若い人に受けてる部分もありますが、うちは逆に年寄りを大事にしています。だから、うちは毎日自転車で15軒くらい配達しています。でも、配達してくれと電話をくれる人は1000円以下ということはありませんから。私の手はあか切れだらけですよ。
八百屋を愛したらそれぐらいやりましょうよ、一緒に。お客さんのために。そこまで徹底しなければ生きていけないですよ。人のやらないことをやらないと。私は3時頃から起きて学校給食から何から全部やりますよ。お客さんのためを思ったらそれぐらいの覚悟でやらないと、これから生きていけないような気がするね。これからやる若い人には厳しい問題ですけど。ただそれをうまく分担してやればいい。
うちは3時に出てくる人には夕方は早く帰ってよいという二部制みたいな形をとっています。自分のところの立地を考えて、どこで売るのか、時間はかまわないと思いますよ。どこの店も10時開店、8時閉店、日曜祝日休み。それでいいのかどうか。だから、うちは昼からあけて、夜10時までやるという八百屋ができてもいい。コンビにだけに任せることはない。自分の立地にあわせた商法も考えていけばいい。
最低のお客様との約束事を守れない店はやめたほうがいい。
何時開店、何時閉店、休日はいつ、特売はいつ、これだけは最低限度お客さんとの約束事であるから守れないところは今後やってもだめです。うちの支部だけでも、ここへきて2〜3店やめています。40いくつあったのが32になってしまった。それぐらいやめていく数が多いです。年間で組合とすれば200人くらいやめるんじゃないですか。厳しいサバイバル合戦の中で、やはり八百屋として生きていこうというには、それなりの心構えをもてないと勝てないんですよ。売り方云々でなく、自分の心から鍛え直す方法を考えていくべきではないかと思うんですよね。
◇わが街のマーケティング
今、100店ほどが参加している商店街の副理事長していますが、小売店は、今自分の店はどこのクラスを狙っていったらよいのかということをマーケティングするべきだと思います。たとえば100円から300円までダイコンを並べてもロスが出るに決まっています。どういうところに的を絞るかを決めないと利益率が下がってしまいます。今はピンキリが成功しているんですね。八百屋が高級マスクメロンを置いたって、たいていはロスにつながってるんじゃないですか(笑)。ある程度思い切った絞込みも考えていくべきです。それを自分で判断すると、仕入れから変わってきます。
◇時代背景
それから、時代背景です。イチゴの例をあげてみます。去年あたりからお客さんが変わりました。うちは佐賀の「さがほのか」を以前ならば2パック550円と大きく書いて、その下に1パック300円と小さく書いていた。するとお客さんが「なぜ1パック300円なの」ときく。
キャベツ1個300円のを半分に切って180円と置いてあるでしょう。これはいけないんです。それならば最初から半分180円、1個だったら350円でいいですよと売る。
イチゴ2パック550円、というのは八百屋サイドの値のつけ方なんです。これを逆にするんです。1パック300円、だけど2パック買ってくれたら550円でいいですよといって販売すればお客さん本位の販売なんです。うちらは2パック売りたいから買えッ、その代わり1パックは高いよ(笑)。だから今度は逆にする。1パック300円を大きく書いて、2パック550円を脇に小さめに書いておく。
時代背景を考えると、どこの店もお客がシビアになりました。そういう状況ではこんな考え方をすべきだと思います。
うちの支所では私の提案でご意見箱を置いています。卸売会社が1社になるのは不安感があるので、何かあったら無記名でよいから書いてくれといっています。それで、東京都の改善委員会に要望していくようにしています。そういうことも含めていろいろ意見を出し合っていきたいと思います。
何かありましたら各支所の担当者にどんどん言って本部にも反映していきましょう。
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