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せいか研修セミナー「八百屋塾」
平成13年度 第4回7月19日(日)開催


  今回は、江澤先生より野菜の栄養をどう考えるかについて話を聞いた後、トウモロコシ「味来」(群馬、千葉)、レタス(長野、岩手、ほか長野産ロメイン、同ピンクロッサー等)、ナス(栃木、埼玉、群馬、ほか水ナス等)、ゴーヤ(鹿児島、宮崎、長崎)、エダマメ(千葉、群馬)について食べ比べをしました。

江澤正平先生のお話

  野菜の栄養成分については、単に栄養のあるなしでなく、食べてどうなるのかということが問題なので、そういう点について考えてほしいという話をします。

 人間が生きるために、酸素、水に次いで重要なのは食べ物です。炭水化物、たんぱく質、脂肪が三大栄養素ですが、微量なミネラル、ビタミン、繊維質なども大切で、それらが野菜には多く含まれるのです。

  体内にとりこまれる酸素のうち、約92%は水素と結合して水になりますが、あとの7〜8%は体内細胞の重要箇所を傷つけたりします。これを活性酸素といい、ガンの要因にもなっています。しかし、体内に入り込んできたウイルスを殺す役割もしますから、活性酸素には良い面と悪い面と二つあります。野菜には活性酸素を消去する作用のほか、抗酸化作用、抗発ガン性、血圧を下げる作用などがある。だから野菜を食べることが重要なんです。

 ビタミンの栄養についても把握しておいてください。 ビタミンAは潤い成分で、粘膜を保護する役目がある。
 ビタミンB群は頭の働きをよくし、神経系統に欠かせない栄養素ですが、体内で蓄えることはできないので毎日摂らなければなりません。
 ビタミンCはストレスの蓄積を防ぎます。
 
  また、繊維質は腸内の有害物質を吸着したり、腸内でビタミンB群を作り出したり、動脈硬化を予防したり、肥満を予防したりする働きがあります。特に、野菜の繊維質の働きについては、よく頭に入れておいてください。

 では、薬と食べ物をどう考えればよいでしょうか。薬は急に手当てするのには必要ですが、必ず副作用を伴います。ですから、薬は使い方しだいです。根本は食べ物で治していくことが必要だと思います。
 そこで、野菜にどういう成分があるのだろうと知ることが大切です。食品成分表の五訂が出ましたが、成分表の数字は野菜を任意にとって分析したものです。夏場のホウレンソウは冬場の3分の1くらいしかビタミンCがないそうですが、品種・作り方・時期・生産地・収穫時期・収穫して何日経過したかによって分析値は違ってきます。ですから、食品成分表は目安だと思えばよいでしょう。

 これまでの栄養学は単に栄養素を学ぶものだったけれども、人間の体に摂りいれてどのように吸収されるかが重要なわけです。野菜の効用の中でも、活性酸素を消す能力、酸化に対抗する能力があるということをよく覚えておいてください。ダイオキシンなど有害な物質を排斥するには野菜の繊維質がなければいけません。だから、野菜を食べなければいけないんだということです。ただし、野菜を食べればよいといっても、個人差がありますから、その点だけは考慮してください。

【質問】 冬場と夏場に栄養素の違いがあるような野菜は、成分表ではどうなっているのですか。
【江澤】 それは出てません。トウモロコシの栄養分はどこに多く含まれるのかといったデータもありません。トウモロコシはつぶして計っているからです。ただしカボチャやメロンなどは種の周りに栄養分が多いと思います。メロンは種の周りのワタをとっておいて、生ジュースに後から入れると甘くなります。ホウレンソウでも溶液栽培でできるのは見てくれはいいが、冬場の40日くらいかかったもののほうが栄養分があります。レタスはずっと置いておくと葉がはがれにくくなるのと苦味が出るので早く収穫しますが、本来レタスはほのかな苦味があるのが特徴です。だから、食べ物屋として野菜の味を見分けるためには「べろメーターを鍛える」ことが必要なのです。べろメーターを鍛えていればラーメン屋に行ってラーメンのつゆのだしの違いもわかる。食べ物屋なんだから、舌を鍛えなきゃ。キュウリならば、歯切れのよさ、水気、ほのかな甘み、ウリの臭いがするかなどの要素がある。うまいかまずいかは食べて一瞬に感じるけれど、感じながらもいろいろな要素を分析し、その結果を総合的に判断できる能力が必要なんです。

   続いて、各商品について、東京青果(株)澤田副部長の商品説明を聞いた後、食べ比べをしていきました。
 
 
トウモロコシ

 

   トウモロコシは近年甘味が強くなる傾向で、「味来(みらい)」という品種が急速に普及しています。「味来」は女性や子供が喜ぶ甘み志向の品種として作られました。一部にやや甘すぎるという声にこたえて「ウッディコーン」も出てきています。「味来」は皮が薄いので、きちんと管理しておかないと、しなびてきます。店での品質保持に気をつけてください。

 【食べ比べ】
 千葉産と茨城産の「味来」を食べ比べましたが、今回食味としては茨城県のほうが好評でした。時期と産地を見ながら仕入れると、消費者に喜ばれる販売が可能です。
 この後、江澤先生からも「トウモロコシはゆでる、蒸す、炒める、焼くなどいろいろな料理法がある。粒の整ったもの、実が充実したもの、色がきれい、みずみずしいもの、粒の大小、甘み、みずみずしさ、皮のやわらかさ、歯ごたえなどいろいろあり、品種の違いが大きい」と説明がありました。

 【感想】
☆「味来」は皮はやわらかいが、食味は最高だと思った。
☆「味来」は甘く、売っていて外れがない。「ピーターコーン」は外れがあり、去年ぐらいから売れなくなった。このごろはお客からも「これは味来ですか」と聞かれるようになった。
☆先の方をとってこのまま電子レンジに入れると簡単に食べられる。熱いうちに食べるとおいしい。「味来」だと5分だが、「ピーターコーン」はもっと時間がかかる。
☆「味来」は冷めてからでもうまいが、「ピーターコーン」は味が落ちてくる。

 ゴーヤ 
 
 

  産地は沖縄県や九州が主体で、県ごとに統一ブランドの名前を付けているのが特色です。食べてわかるように苦味が強い夏野菜です。宮崎はどちらかというと細めのニガウリでしたが、太いものに切り替わりつつあります。長崎は後進産地ですが、先進産地のよいところを取り入れています。ゴーヤは、置いておくとすその部分から黄色くなり、さらに置くと中が赤くなります。
 現地で食べると苦みが強いので、やはり全国流通向けに味はマイルドになっているといえます。従来は九州出身者に多く食べられていましたが、グルメブームにより注目され、各産地で生産するようになってきました。


ナス 
 
 食味のよいナス。漬物に向くナスなどいろいろ。かたいものは日持ちがよく、漬けナスにするようなものだとやわらかい。ナスの品種を使い分けてほしいという説明がありました。
 また、この日は参考として赤なす(長崎)、青なす(京都)、米なす(高知)、水なすなどのほか、ETカボチャも参考出品されました。
鹿児島産は大きく色も濃い(右)、宮崎産は色が薄いものがあり、凸凹もややまばら(中)、長崎産はその中間

  エダマメ

 千葉県産と群馬県産「天狗」印のエダマメを食べ比べましたが、天狗豆は種や肥料にもこだわり、温度を上げないための資材等も工夫しているので、よい豆が生産でき、単価も高くなるのだそうです。

 
レタス

 レタスはふつうのレタス、海外で主流のロメインレタス、コスレタス、サニーレタス、ピンクロッサーなど、いろいろ出てきています。多少苦味があるほうがレタスらしいが、日本人は苦味をきらうので、若どりをする傾向があります。苦みの強いレタスは肉類と食べるとよいので、味の特徴を用途により使い分けてほしいという説明がありました。

 
終わりに
 

食べ比べを終えて、情報交換する中でカット西瓜の話になりました。「味見をしてから値段をつけるべき。まずい西瓜を売ると信用を落とす」「ラップしてマジックで値段を書くと、マジックの臭いがつく」「カットスイカは三角の頂上に値段を貼っている」などの話が出ました。

 
  また江黒青年会会長から、「5 A DAYキャンペーン」に関連して、「健康応援団 八百屋」といった写真入り名札を作って活用してはどうかという提案がありました。