top

Home

 

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
せいか研修セミナー「八百屋塾」
平成13年度 第8回 11月18日(日)開催


八百屋は創意工夫で仕事ができる職業、元気を出そう!!

学習品目:丸イモ、サツマイモ、サトイモ、ナガイモ、ジャガイモ


江澤正平先生の話 
 
 野菜や果物は生きている。生きているということは、氏・素性がわからないと管理がしにくいということ。セブンイレブン9000店が野菜果物を1日に1万円売っても全店では9000万円になる。それなのになぜ扱わないのかというと、管理がしにくいからです。みなさんは非常に非効率的な商品を扱っているわけです。

ですから、腕を磨けばよい商売ができるということです。品種・作型・氏素性をしっかりみていただきたい。今日の課題は、収穫後、どのように管理するかについてです。管理という点で影響を及ぼすのは温度です。

  ・北海道の生り物がおいしいのは、カボチャでも何でも、夜の温度と昼間の温度の差があるから。寒いと呼吸が少なくなり、蓄えた養分を使わずにすむ。北海道産は内地産に比べて発散する温度が少ない。野菜は90%くらいが水分だが、水分の蒸発は湿度が影響し、品物によって温度管理も違う。

・オクラは熟してしまうと堅くなるので、若どりする。
・ホウレンソウは規格品(21〜25cm)よりも30〜35cmくらいのものがうまい。
・試験場の人はキャベツは早どりしたほうがうまいというが、実際に食べたところでは、熟して割れるぐらいのキャベツのほうがうまい。
・コマツナはタァサイなどの血を入れて折れにくくしている。袴のついているものがおいしいのだが、束ねるときに見場が悪いといわれて袴がつかなくなってしまった。だが、実際には見場が悪い、折れやすいほうがおいしい。
・タケノコはとがった先よりも根元のほうがとりたてはおいしい。
・ウリ科のカボチャやスイカは熟さないとおいしくない。
・キク科のレタスは、熟してくると堅くなって1枚ずつはがれにくくなる。キク科は熟してくると苦味が出てくるので、軽いほうがいい。しかし、チコリはむしろ苦味があったほうがいい。
・サトイモは熟したものがおいしい。
・シソは早どりをしないといけない。
・セリ科のニンジンは完熟してくるにつれて色が出てくるが、「黒田五寸」は熟してから色が入る。
・ピーマンは青いものは未熟なもので、熟すと赤くなる。赤くなるまでおくと収量が落ちるので、値段を高く売るために青いとき収穫している。
・ジャガイモはナス科なので、実が入ったほうがいい。
・マメ科は早どりをするが、枝豆も早どりしたものである。
 
・タマネギは吊るしといって、葉先のほうを吊るして風に当て、現在のタマネギのような茶色になると数カ月は日持ちする。また、家庭では冷蔵保存すると相当期間もつ。タマネギは秋植えのものと春植えのものとある。北海道産タマネギは8月頃から出てくるが、堅いタマネギなので辛味が強い。関西のタマネギのほうが家庭で使うタマネギとしてはおいしい。関西の人は北海道産が出ても、冷蔵庫で貯蔵しておいた関西産のものを使っている。タマネギは水気をきらうので、乾燥しやすい冷蔵庫は保存に向く。
・ホウレンソウは水気がないと困るので、湿度が高いほうがいい。一般家庭では、ぬれ新聞紙に包み、縦にしておくと無理なく呼吸作用ができる。
・ネギも立てておけば日持ちが違う。

・セロリは5〜10日早くとったほうが芯もやわらかくおいしい。だが、1枚ずつ束ねると大きいほうが見てくれがよいし、市場でも割合高値になるので遅く収穫している。 
・サツマイモの保存は10〜15度くらいがちょうどよく、寒いところにさらされると影響を受ける。


食べ比べ

  サツマイモ 千葉「ベニアズマ」、徳島「鳴門金時」、鹿児島「黄金むらさき」、宮崎「綾むらさき」

・サツマイモは東京都の昨年の扱いだと57億円。甘くないサツマイモを売ろうという動きもある。
・千葉県の「ベニアズマ」は、関東ローム層で作られている代表的な品種で、千葉県、茨城県の土壌に適切なイモ。外側の皮が濃く、ホクホクしている。ことしは出来もよいので、商材として増やしていただきたい。
・徳島県の「鳴門金時」は、水はけのよい砂地で生産されている。「ベニアズマ」に比べてしっとりした食味で、甘味も強い。関東にここ10年来出荷されるようになったが、関西ではこれしかない。
・「黄金むらさき」は、関東では菓子の原料やイモの加工品でよく利用されている。 
・「綾むらさき」は生食用でアントシアンが多い品種である。
・「紅赤」は「金時」と呼ばれ、主に関東で栽培されて焼き芋やきんとんに用いられている。「鳴門金時」や「千葉紅」等いろいろな名前がついているが、それらは全部「高系14号」で、食べてねっとりしておいしい。ねっとりしているのは万人向き。
・干し芋には「たまゆたか」が使われている。
・保存するときは温度が低いと品質が低下するので、部屋に置いておくとよいが、あまり温度が高すぎてもいけない。あんは「黄金せんがん」、でんぷんには「黄金せんがん」や「みなみゆたか」等。
・青果用の43%は「ベニアズマ」だが、太く大きいほうがよい。
・サツマイモは太いもの、長系よりも丸系がおすすめ。丸いほうがたくさん食べられる。
・サツマイモの胸焼けは皮ごと食べるとよい。
・「紅小町」は細くても小さくても焼き芋にしてうまい。 


  サトイモ 埼玉「蓮葉」、千葉「土垂」、福井「土垂   (大仏さといも)」、佐賀「副頭」、静岡「石川早生」、 山梨「八幡芋」

・埼玉県のサトイモは、関東地域の中では品質、規格とも最高ランク。「蓮葉(うすば)」は丸系の芋で、ホクホクした感じ。
・「土垂」はぬるぬるし、しっとりしている。 
・佐賀県の丸い「福頭」は九州にはなくてはならないもので、サトイモとヤツガシラの中間のような食味をしている。産地では関東地域に進出しようとしているが、販売的にはいま一歩・12月初めから出始める。 
・長細いのはぬめりがあり、丸いのはぬめりが少ない。
・「石川小芋」は小さくて、よく料理屋で出るがおいしい。
・関東の人はぬれていないとだめなイモと思うようだが、関西の人は逆に、乾いているとだめだと思っている。
・いろいろな地方品種がある。岩手県には「双子芋」という長細い、ぬめりの多いイモがあり、山形には芋煮会に向く品種がある。
・宮崎には「たけのこいも」、京都、静岡には「えびいも」がある。大宮の料理屋がこれを使ってヤツガシラよりも取り扱いやすいというので好評だったが、これはオススメ品。売るのは1個500円ぐらいだろう。
 [サトイモの食べ方]
・一度蒸したりゆでたりしてから皮をむく。電子レンジにかけた後は、すぐに料理をしないと堅くなる。
・ゆでて販売してもよいかもしれない。
・「福頭」はだしと酒で煮たが、最初から味をつけて煮たほうがよい。そうしないと表面だけ色がつくような感じになる。

  ジャガイモ 北海道「キタアカリ」「北海こがね」「メークイン」

・東京市場でジャガイモは130億円売っているが、スーパー等の産直を入れると200億円以上になりそう。
・男爵系の「キタアカリ」は粉質系のイモ。煮崩れるので、つゆが汚れるのがいやという人はだめだが、食味はよい。
・「メークイン」は煮崩れしない。おでんによい。
・ジャガイモはグリコアルカロイドが葉についているから生で食べたらいけない。ジャガイモは細胞の中にでんぷん質があり、「メークイン」と「キタアカリ」では、でんぷんの入り方、質が違い、「メークイン」のほうがきめが細かいので煮崩れしない。
・黒土と白土とあって、黒土で栽培されたほうがのほうがでんぷんの入り方がいくらか少ない。黒土の砂地のところは水はけがよいので収穫量も多い。
・ジャガイモは95〜103日休眠期があり、起きると芽が出てくる。その時分は皮のところにもグリコアルカロイドがあるから、芽が出てくるころになると皮を厚くむかないといけない。
・ジャガイモは特Mが値段が安くておすすめ。小さいのはでんぷんがしっかり入っている。大きいのは中が空洞になっているものがある。産地によっては非破壊センサーが導入されている。

  長いも 北海道網走、青森十和田「ガンク」「ミジカ」、茨城、デコポン組合「ヤマトイモ」、ながいも浅漬

・長いもは、熱帯から亜熱帯が原産地で、中南米の人は主食にしている。日本ではまんじゅうなどのつなぎに用いられている。
・北海道産は新物だと黒くなるといわれていたが、従来に比べて白い長いもが出てくるので安心して販売してよい。
・ことしは平年の70%の作柄で、大きなものが少なく、新物は高い。等階級を落とせば安く仕入れられるので、すりおろすならば小さいのを何回かに分けて使ってくれと推奨販売すれば店も客も得をする。


当日見学に来ていた大阪の仲卸(株)フルーツキング、水野康雄氏からのアドバイス

・青果業界は一つの転換期。八百屋はもっと勉強し、発想を転換した商いをしなければいけない。

・商売で大事なのは、よそにないものを売ること。付加価値をいかにつけるかと考える八百屋、果物屋でないといけない。「とろろいもの真空パック(80g入り)」を冷凍で開発し、業務用で約100トン販売している。イモでも「鳴門金時イモ侍」というブランドを作っているが、一つの切り口を考え、知識を知恵に変えて行動を起こさないといけない