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2004年(平成16年) 2月15日 (日) 第11回
品目:中国野菜

実行委員長 浅賀会長より挨拶

 今日は特別講義ということで、杉本さんから「儲かる話」を聞きたいと思います。杉本さんは平成15年度の第13回優良経営食料品小売店等全国コンクールで農林水産省総合食料局長賞を受賞しました。今回八百屋塾のために長年のノウハウを快く話してくださることになりました。
昭和41(1966)年4月   
         
昭和50(1975)年10月  
昭和51(1976)〜昭和60(1985)年
平成12(2000)年 
平成13(2001)年 
都立荒川工高電気科卒
以来38年 八百屋業一筋
結婚、現在二児(男)の父親
旧千住支部(足立支所)青年会長
東京都青果物商業協同組合 本部青年会常任委員
東京都青果物商業協同組合 本部青年会副会長

 
 杉本晃章さんの話「八百屋の儲かるコツ」

  全国コンクール受賞ということで、ぼくの38年間の八百屋業を通した経験談と商売のお話をさせていただき、皆様の商売の一つの助けになればと思います。(配布してある)私のプロフィールに「八百屋の儲かるコツ」というふうに格言風にまとめてきました。これにしたがい、話をすすめていきたいと思います。
 江澤先生はじめ野菜の高度な話では利益にすぐ結びつかない。だから、八百屋塾にきても2〜3回来たらこなくなる人がいる。なかなか野菜の真の姿を勉強してもなかなか利益に結びつかない。2〜3年やってうまくいかないとお客さんにも伝わらないとあきらめてしまう。そこのところがすごく我慢のしどころかと思いますが、私の話はすぐ儲かる話です。しっかり聞いてください。

八百屋は、マメでなくてはダメ!
 
 これはどういうことかというと、市場で昨日買った品物がすごく評判がよかった。じゃあ、今日もまた行って買おうとさらったのはよいけど、どうも生産者の番号も違うし、昨日と全然違う。陽気も変わってくると、必ずしも同じ品物が手に入るわけにはいかないのが実情。やはり早く行って品物をよく自分で下見し、値段もよく考え、量を仕入れろということです。
 
 今日20箱買ってくるとすごく売れる。そこで、次の日もその気になって20〜30箱も買う。うちの女房に怒られるんです。「柳の下にドジョウは2匹いない」ってね。売った日の倍売れると思ったら大間違い。

 今のお客は今日買ったら明日はもう食べない。1週間に1〜2回おいしいのを食べて、次の日はほかのものを食べたいのが普通のお客さんの嗜好なんです。

 八百屋は今日売れれば明日も「押し」ていき、「悩む」まで買ってしまう。最後、ドカンと悩んで初めて目が覚め、これはだめだ、あきらめよう、しばらく休んだほうがいいと考える。だいたいそういう考え方をするのが八百屋さんのおおかただと思います。

通りから見た店内

 売りたい量より売れる量を仕入れろ!

 売りたいがために、昨日売れたからといってまた今日買っちゃうわけですよね。お客さんの嗜好は、昨日おいしかったからといって、また次の日は食べない。おいしかったらおいしかったでおしまい。これだけ食べ物があふれている時代ですから、ほかのものを食べる。だから、後追いで買うとしても控えめに仕入れたほうがよいというわけです。

 友達が50買うと自分も売れるのではないかと30も40も買っちゃう。友達の店と自分の店と条件が全然違うのに、市場の雰囲気で友達が仕入れるとうちも売れるのではないかと買うわけです。結局、最後は3〜4割も残してしまって利益につながらない。やはり数字を把握して自分の店で確実に売れる量を見極めてしっかり買うということが大事だと思います。

 数字ですべてを管理しろ!

 よく八百屋は市場に行くと「昨日は売れなかった」「このごろ全然動きが悪い」とか、景気のせいにし、自分の感じだけで物事を話す人が多い。では、3年前はいくら売れたのか。2年前はどれぐらいの売上げがあったのか。1週間でどれぐらい違うのか。そういう過去の数字を記録しておかないと、ただ感じだけで物事が動いていってしまう。そうなると、売れる量より売りたい量を買ってしまう。自分の数字に当てはまらないものを市場のムードで買っていくと、売れる量よりも売りたい量を買ってしまう。結局、最後はロスにつながるわけです。

 捨てればゴミ、加工すれば所得倍増!

 これは、八百屋は、マメでなくてはダメということにもつながります。ここでは私の店でとりいれている加工品、漬物の具体的な話をします。

 みなさんもロスの解消のために漬物とか加工を大なり小なりはしているでしょう。最初はそれでいいと思います。たとえばキュウリが半箱残った。明日になれば鮮度が落ちるから今晩のうちからなんとかしよう。ぬか漬けにするのも浅漬けにするのもいい。それはすごくよいことだと思います。

 そういうことにより、新しい商品が店に並び、お客さんに、我々の言葉でいう「おひやをつかませない」という結果になるわけです。それでお客の回転もよくなるし、値段のほうも当日の相場でお客さんに勝負できます。そこからすべてが始まっていくと思うのです。
 
 ◎サトイモ
 今現在、当店がやっているのは、手むきのサトイモです。サトイモが売れないのはなぜかというと、お客さんのほうで手がかゆくなるとか、泥がついていると中身がよくわからないとかの理由がある。確かに、サトイモはジャガイモと違って、我々プロでも中が分かりにくい品目で、10個もってきてむいてみたら、見た目はよいのに1〜2個はだめだったということがあり、結構苦情もあります。
 

 その分の解消とお客さんの利便性を考え、手むきを始めました。最初は機械で洗っていたのですが、大変でも手でむこうということになりました。八角にむき、お客が鍋に入れれば煮えるというところまでにしています。多いときで30kgくらいむくと、正味25kgくらいになりますが、それを袋詰せずザルで山盛りにして売っています。

 その内容は、S10kg1200〜1500円がむきあがって7kg、これを500g200円で売ると2800円、さらにサイズをあげるとL・2L1800〜3500円のむき上がりが8kg、これを500g300円で売れば4800円に売り上がります。

 これをやらないでサトイモを泥で売って毎日2〜3杯売れるかというと、とても売れない。1日30万円売れる店でも泥のままだとせいぜい10kg売れればよいほうです。むくのは大変かもしれないけれど、むいたことによって店に並ぶサトイモが全部生き返るわけです。最後は泥のものは売れなくていい。皮をむいたのを買ってくれればいいという状態になっています。
 
 ◎切りごぼう(ニンジン+ゴボウ)
 次に、きんぴらゴボウの具は「切りごぼう」という名で売っています。これは、八百屋さんが結構取り入れている人が多いと思いますが、市場に出ている真空パックは、前日か前々日機械で刻んだ漂白剤を使った品物だと思います。だから、袋がちょっとでも穴があくと、中の色が茶色や紫色になります。しかし、自分の店で水にさらしてアクだしをよくすれば、袋詰めしても色はほとんど変わりません。

 ゴボウの2L10kg1500円に、ニンジン2L3kg200円を混ぜて1700〜1800円。ゴボウ(+ニンジン)13kgが切り上がり11kgになる。これを当店の価格で400g300円で販売します。袋詰めすると11kgが8100円になります。多い日で7〜8kg、少ない日で5kgくらい販売しています。これ(2月)からゴボウがひねてかたくなるので、4月を中心に1〜2カ月休みますが、5月に新ゴボウが出ると再開します。

 ◎タケノコ
 タケノコはぜひ取り入れてもらいたいと思います。タケノコのあく抜きは時間がかかりますが、お勤めしている人にとっては(ゆでる時間がかかるものは)夕食の食材とはならないわけです。ですから、八百屋さんはぜひ午前中に皮をむいて夕方まで水にさらしておいてください。ぬかを使わなくてもかなりアクがとれます。夕方の時点でゆでたタケノコを売ることができます。よその店より早く始めることによってお客さんをつかまえることができます。
 

 タケノコも一般家庭では、好きな家でもせいぜいシーズン5回くらい食べればいいほうです。1〜2回タケノコ御飯と煮付けにすれば、「ことしはタケノコを食べておいしかった」ということで食べなくなる食材になったわけです。しかし、八百屋が下ごしらえをして売ればお客も何回も来てくれるという気がします。

 当店の場合、多い日で1日50kg。1かご4000〜5000円の頃からゆで始めて、最後はドル箱になります。2L2000円(7〜8本入り)ぐらいになると、1本単価200〜300円のものが倍以上で間違いなく売れます。

 「1本だと量が多い」というお客さんが多いので、必ず半分売り、さらに大きいものに関しては4分の1まで切ったらいかがかと思います。タケノコは儲かるんですよ。1かご4000円(2L・8本)のものでも1本700〜800円で売ると3〜4割は利益が出ます(3L5〜6本2800円は1本1000円で販売)

 生で売っていたらほとんど売れません。最初の1〜2回20〜30kg売れてしまえばあとはほとんど売れません。当店の場合、多いときで100kg10ケース買って、2〜3ケースは店に飾るまねで並べるのですがせいぜい売れるのは3〜4本、夕方には下げてしまい、翌日の午前中に売るために夜にゆでて、そのまま釜に火を通しておきます。
タケノコを茹でたり、トウモロコシを蒸したりする機械

 ◎トウモロコシ
 トウモロコシは爆発的に売れたので 困っちゃいました。
 当初、ゆでる機械はタケノコをゆでる目的で買ったのですが、タケノコは年にせいぜい1〜1か月半で勝負が終わってしまうわけで、あとの11か月は機械が眠ってしまいます。そこで、トウモロコシをふかしてみました。昔は子供がたくさんいたので1軒で5〜6本も買ってくれてトウモロコシは売れたんです。いまは子どもが1〜2人でろくに食べないし、周辺に多い年寄りは歯が悪い。生で売っているとせいぜい1〜2本なので、1日生だと5kgが2〜3ケース、ひどいときは1ケース、せいぜい10本前後しか売れない。それがふかすことにより、多い日は1本100円で売ったときに370本も売れました。

 1かごに60〜70本入れて6回くらいふかしましたが、ゴミだけでレタス箱5箱分くらいになりました。370本売れたのは花火大会などのモノ日ですが、通常でも200本前後は動きます。ふかして売ると生がほとんど売れなくなります。でも、売れなくて結構。その代わり近所の店ではトウモロコシのトの字も売れなくなります。ふかしたからといって特段に高くしなくても本数が多く売れればだいじょうぶです。2L1500〜2000円(単価約120円)から始め、最初は1本180〜200円で売ります。2L1000円ぐらいに下ってくると1本100本に下げてしまいます。1000円を下った時点で一般の店ではトウモロコシは売れません。安くて見向きもされなくなります。いわゆるホウレンソウが50円とか、キャベツが100円の世界になると売れなくなるのと同じで、トウモロコシが1箱1000円以下になると、お客は買わなくなっちゃう。品物も悪くなるし、日持ちも悪くなります。朝来たトウモロコシが、夕方には葉が黄色くなってしまう。

 でも、多少黄色くなってもふかせば全然問題ありません。ふかして熱が冷めて10〜15分でどんどんラップを巻いてしまえば何時間もピンピンしたままです。お客さんに売った場合、「明日食べるときは1回冷蔵庫に入れて、明日また再加熱して」という食べ方を指導すれば1人で2〜3本も買ってくれます。

 ことしは、高いふかし器など買わなくても大きい鍋でよいので、10〜15本入る鍋で何回もやってみたらどうでしょうか。トウモロコシはすごく良い商材です。一番いいのは、自分の店で違う品種を仕掛けることができるんです。生で売っているとなかなか仕掛けられない。いくら「味来」がよいといわれていても、「味来」はしなびやすい。だから、いろいろな品種を自分の店でふかして売ると、お客に仕掛けて売れるということです。どうでしたと感想を聞いて、一番受けがよいものを多く導入したらいかがかと思います。
 
 ◎サツマイモ
 サツマイモは2L8本入り1000円中心で動いています。1本単価125円、これは間違いなく200円で売れます。200円でも「大きくて安い」とほめられます。1ケース単価1000円が手間をかければ1600円になります。サツマイモの場合、大きいイモは天ぷら屋さんしか買わなくなってきてしまいました。天ぷら屋さんも八百屋に来ないでそこらの安売り屋に行ってしまう時代です。店ではMSはよく売れるけれど、L、2Lサイズは売れなくなってしまいました。だから、市場では大きなサイズが悩んでいる。ある程度大きなものだと50分くらいふかさなければいけませんが、続けているとお客さんはついてきてくれます。

 ◎男爵イモ
 ジャガイモの2Lサイズ、1箱10kg45個入り1500円。これを1個100円、3個200円で売りますから、倍になります。ジャガイモのふかしたものは家庭でサラダをするのにすごく人気があります。ジャガイモはどんなに小さくても30〜40分、大きいのは50〜60分もふかす時間がかかります。ところが、ジャガイモサラダのためにジャガイモ3個をふかす時間はないというのが実情です。
 サツマイモと一緒にジャガイモもふかしておくと結構買っていってくれます。自分の家でつぶしてマヨネーズをからめたサラダはおいしいですよ。

 ◎サトイモ
 サトイモはきぬかつぎと呼んでいますが、本来きぬかつぎはやつがしろです。でも、一般の人はやつがしらはかたくて身が締まってだめだという。かえってサトイモのほうがツルッとしていてやわらかくていいという。このふかしサトイモが一番のドル箱です。よく品物を見て、品傷みの少ない、コロンと丸っこい、ツルンと皮がむけるようなのをよく探してください。うちの店ではS10kg1000〜1300円のを仕入れてふかし、400g200円で売っています。これは皮もそのままなので10kg5000円になります。

 江澤先生が北千住に来たときに立ち寄って一番儲かるものを買ってくれました(一同笑い)。これは居酒屋さんが買いにきます。5個ぐらいで350〜400円のおつまみにして出しているそうです。400g200円というと、S16〜17個、L13〜14個あるから、居酒屋さんもメニューにとりいれて買いにきてくれます。

 これは男の人がよく買ってくれます。居酒屋で食べているつまみなので、帰りに買っていく人が結構多いようです。これもみんな家に持ち帰ればさめてしまいますが、必ず食べるだけレンジで再加熱してくださいとお客さんに伝えています。

 ■漬物
 ◎白菜漬け

 これから漬物に入りたいと思います。

 当店の白菜漬けは4玉800円で仕入れ、4分の1切れを150〜180円で販売すると2400〜3000円で売り上がります。

 白菜も自家製でしっかりした味に漬けて自分の店の味を出さないと、スーパーの浅漬けに負けてしまいます。なぜかというとスーパーのは見てくれがいいからです。

 スーパーの浅漬けはほとんど生です。生でないと袋に詰めたときに小さくなってしまい、よく漬けるとねずみ色になってしまうので、よく漬けないのがスーパーの浅漬けです。それに対抗するには、ある程度の塩分を減らし、漬け返しをまめにやった本当の白菜漬けを売ることが八百屋の生きる道だと思います。

 うちは多い日で3〜4ケース、最盛期で5ケース。生で売るより漬けて売るほうが多いです。
 

 ◎山東菜漬け
 山東菜は、市場により入荷しないところもありますが、当店では1束4点20〜23kg2500〜3000円のものを狙って買って1樽(1束分)4000円、バラ売りは半分600円で売り、4800円くらいの売り上がりです。だいたい毎日1山から、多いときで2山、10〜20把、期間中毎日漬けています。

 今の時代は、お客が自分で漬けるには大きな樽も漬ける場所もないというので素材が売れなくなったのですが、それでも毎日2〜3把、多い日は5把くらい売れます。山東菜を漬ける人は、朝来て昼までに漬けるから、午後に買いに来る人はいません。だから、3時頃になったら下げて全部割って漬ける用意をし、夕方ひまを見て漬けてしまいます。ですから、夜の時点ではうちの店では山東菜は並んでいません。
 
 ◎キュウリ
 キュウリのぬか漬けは年間を通して一番コンスタントに動きます。うちの店ではキュウリは1年中通して全部裸で売っています。3本150〜180円で、高いときは3本200円。それならばお客さんが1本くれといっても売れます。

 袋詰にして画一的に売ると融通がきかなくなるので、バラ売りを心掛けています。バラ売りをうまく売るには店に売れ残ったものをどうするかです。やはりそれは漬物です。キュウリの漬物をしっかり売るようにすれば、毎日お客さんに新しいキュウリを売ることができるわけです。店頭に出しておくと風に吹かれてしなびてしまう。しかし、悪い品物はどんどん下げて漬ければよい。漬物にするキュウリは逆にしなびたほうがいいのです。カブでもダイコンでも干してから漬けたほうがうまいそうです。ぬかみその中に水分が出ないので、逆にしなびたほうがおいしく漬かります。多いときで2ケース、少ないときで1ケースくらい販売してます。

 ◎キュウリキムチ
 これから春先になるとキュウリのキムチを漬けます。これはキムチもおいしいし、儲かるほうもおいしいんです(笑)。わざわざ残ったものを漬けなくても、BC品(1200〜1500円)を買ってきて三角に切って薄塩で3時間くらいうかし漬けで漬けます。キュウリのアクを抜いてから真水で洗って塩分を切り、キムチのもとにからめます。売価300g200円にすれば、4000円くらいになります。これは試食を出して食べさせながら売るとすごくよく売れます。
 
 ◎カブぬか漬け
 カブは一年中売っていると思いますが、冬場の乾燥期にはどうにもならない商材です。3時間も並べていると葉はよたってくるし、夕方になるとカブ本体までしなびてきます。そういうものをどんどん下げて加工に回す。できるだけお客さんにはよたったのを売らないこと。

 カブの場合、キュウリと同じ値段の設定をするようにしています。たとえば3本200円だったら、キュウリを3本買わなくてもカブを1本混ぜてもいいよと。お客さんが選べる組み立てで売ると人気が出ます。家族2〜3人の家庭でキュウリ3本、カブ3個買っていっても、おしんこだけ食べるわけではないから食べきれないし、たくさん買っていって古くされても味が落ちる。お客さんは自分が味を悪くしてもわからなくて、「あの八百屋のはまずい。2日目になったら食えない」と八百屋のせいにする。そういうのをわからないお客さんがいるので、あんまりたくさん買わせないようにしたほうがよいと思います。いっぺんにたくさんより、週に何回も買っていただけるように心掛けてください。

 ◎ダイコンぬか漬け
 ダイコンも同じです。半分に切ったダイコンは次の日に残さないで、夜にまめに皮をむいて漬ければ次の日に1本3L150円のダイコンが4分の1に切って100円で販売し400円に化けます。わずか1〜2本しか漬けませんが、1年間続けると大変な蓄積になります。1本でも2本でも少しずつでも始めたらいかがかと思います。

 ◎京菜、からし菜

 京菜、からし菜は結構出回っていますが、生では全然売れない商材です。京菜を40把買って、30把漬けて10把を飾っておくと、3日売っても生は残っています。からし菜も同じです。この間テレビで紹介されたら翌日2〜3人買いにきたので、その気になって飾っておいたら全然売れず、結局全部漬けちゃいました。

 京菜、からし菜は最初からほとんど漬けてしまいます。漬けると倍近い価格で売れます。ほかの店が売っていないので、特によく売れます。ともに塩水(白菜の半分くらいの塩分)をつくって、パラパラくらいで一晩押して、からし菜はよくもんでから売ってください。よくもむことによってグリーンがきれいに出ます。

 八百屋の漬物の値段はものすごく安い。駅ビルやデパ地下に行って漬物を見ると、100gいくらの世界で、たくわん1本が500円、1000円、キムチ4分の1が800円とかで販売されています。うちのたくわんを買っていってデパ地下で売った人がいるんですよ。友達にあげるから樽に詰めてくれというので、20〜30本入れて並べ駅まで3回運んだんですよ。すると、うちのお客さんがあの人はどこそこのデパ地下で売ってたよ、と教えてくれました。うちのでかいたくわんが1本500円、それを切って目方売りすれば1本1500円くらいにはなるわけです。うちは売れたのだから、あとはどうしようもかまわないのですが、以前にそういういことがありました(笑)。
 

 田舎たくわんは、1本500円で売れるというのはたいしたもんだなとほめられました。たくわんは(原料が)去年の相場をみてもすごくパニック状態でした。11月が暖かかったので、干したものが非常に悪く、前半は1500〜1800円と非常に高い。群馬県関係も最高値で取引をされていました。10把頼んでも2〜3把ぐらいしかこないような状況だったのが、12月20日過ぎたらガクンときて、いままで1200〜1500円だったのが400〜600円になった。ぼくは樽のふたを開けてそうなるのを待っていたわけです。群馬3L1束6本400円で仕入れたので1本約100円、50日漬けあげて今現在しっかり1本500円で売っています。でも、手間をかけて500円の価値があるから、お客は満足して買ってくれます。加工品はそんなところです。


 年寄りには特によくしろ!
 
 いまは年寄りがすごく元気です。年寄りはたくさん食べないので、毎日の買う量はすごく少ない、でも、年寄りはスーパーには行きたくないのです。スーパーは誰も口をきいてくれないし、きいても返事をしてくれない。八百屋と毎日話をしたいのです。最近は医者にたむろしていないで、だんだん八百屋に出てきました(笑)。だから年寄りが来たら、八百屋の奥さんはぜひ口をきいてあげてください。年寄りは毎日キュウリ1本、トマト1個といった細かな買い物だけど、暮れになるといいみかんを5〜10ケースも孫に送ってくれます。葉書をもってきて「一番おいしいところをここに送っておいてくれ」という。「おばあちゃん、来年から葉書は要らないよ。ちゃんと送り状はとってあるから、お金だけもってきてくれればいいよ」と言いました(笑)。
 年寄りはそういうよいところがあるから、ふだんはあまり買わなくてもよくしてやっておくと必ずいいことがあります。若い人は安い所にどこでもふっ飛んでいってしまうからだめ。年寄りは八百屋に行けばしゃべってくれるだろうというので来てくれます。年寄りはぜひ味方につけておいてください。荷物が重かったら配達してあげてください。お年寄りの人は1000円ぐらいで配達してもらってはすまないと思って不必要なものまでよけいに買ってくれます。
 
 他店との無駄な競争意識を捨て、他店にはない品で戦え!

 私の店も私の代になって17〜18年たちます。その前は父の元でやっていましたが、そのころは(商売も)粗っぽかった。隣の店を負かすことしか考えてなかったですね。向こうがキャベツ10杯買ったらこっちは20杯、向こうをやっつけることだけしか考えていなかった。毎日そういう商売をしていたけれど、バブルの頃でよく売れました。いまは安く売っても売れません。お客もよくついてきてくれて、よく売れた時代だったんです。

 自分の身上になってから、これではいけない、こんなことをしていてもこのままくたびれたまま八百屋を終えてしまうような気がして結局、競争はやめました。それで、グレードを上げてよそにない品揃えに気をつけるようにしたのです。はっきり言って、どこでも売っているものはある程度の%しかとれません。

 100円で買ったものはせいぜい120〜130円、高く売っても150円、残ればおまけするので落ち着くところはせいぜい20〜25%。ところが他店にない品物は自分の思った値段で売れます。150円で買っても250〜300円で売れます。そのうえには食べ方も、栄養価もある程度説明しなければならない面はありますが、それらは八百屋塾でどんどん勉強してください。

 小さい店ですが、うちの店は非常に品揃えが多い。うちは全日食チェーンの店が真ん前にあります。昨日あたりで、愛知の小さなキャベツを120円くらいで売っていたけれど、うちは三浦の6玉のキャベツを200円。お客さんも八百屋のは値段が違うがやわらかいのだということを知っています。かなり値段的に開きがあってもお客さんは納得させてあるから、毎日の売上げはほとんど変わりません。

 いわゆる信者にしたということです。儲かるというのは、人を信じさせること、いかに自分の店に信者をたくさん作るか、そうすれば納得して安心して買っていただける。こだわりの1品をお客にすすめることができる。買ってくれた人はもう信者になっているし、他の品物を説明したときもちゃんと聞いてくれます。1品で信者にすれば、他の品物も信じてくれるのです。それは値段ではありません。値段で競争していると、ただ甘い、しょっぱい、安いの話になってしまう。スーパーでもどこの店でも「おいしいよ、甘いよ」しか言いません。まずいといって売る店はほとんどありません。ただ、どれぐらいうまいのか、これはどういう品物かをきちんとお客さんに説明し他のものより高いけれど、食べれば全然違うということをお客にわかってもらえばお客は信者になります。お客も安心安全を求めていれば、信用して買うしかないわけです。

 安かろう悪かろうではいやだ、というお客を全部集めてしまえばよいわけです。絶対よいものをわかるというお客さんはいます。

 自店の商品に自信をもて。八百屋塾にでも行って一から勉強して見ろ!

 これは今まで話をした内容に入っていますから、私の話はこれで終わります。
 



 【質問タイム】 

 質問A栽培履歴の情報って相対で売るときに使えるものですか。日付の問題ですが、八百屋にとって日付は使える可能性はありますか。

 杉本:八百屋の場合、難しいですね。ただトレーサビリティの最終的なものまでわからなくても、この産地はどこの農協のどういう品物だということはわかるから、結局農協へ青果会社でも通してやれば生産履歴は調べることはできます。何か事故があったときには調べることができるのが八百屋です。
 日付は困る人も困らない人もいろいろいると思いますね。納めをしている人もいるから、困る人のほうが多いのではないかな。
 うちは箱で売ることはほとんどないので、困りませんね。でも、青果物は新しいから絶対いいとは決まってないんです。古くていいものがたくさんあります。冬場は温度が低いからよい品物がたくさんあります。雨が降ると品物がもめてくるから翌日悪かったというものがありますが、葉物は3〜4月になって雨が降ると古いほうがいいというものがたくさんありますよ。
 日付は我々が仕入れをするときにはいいですよね。日付がわかると相場が違うのがわかっているから、タマネギやジャガイモだと、1週間も前の、安かった頃のをずいぶん高く売ってるねって言える。だから、我々より卸のほうが困る人がたくさんいると思います。
 日付というのは鮮度の目安としてはいいかもしれないけれど、青果物の場合は賞味期限や消費期限とは関係ないんですよね。ただ、消費者はなんでも新しいほうがいいという感覚があって、1日でも新しければ1日でも長くもつと思っていますよね。
 
 質問Bうちもダイコンを漬けていますが、冷蔵庫に入れて売るのですか、常温ですか。
 杉本:常温です。だいたい今月いっぱいでなくなるように計算してあります。3月に入って20度こえると酸味が出てくるので、だいたい2月中の塩加減をしてます。12月に13〜14%ぐらい。ただ暖冬だと酸っぱ味がきます。去年、早く漬けたたくわんは酸っぱ味が割合早くきました。なぜ早く漬けたときには酸っぱ味がくるかというと、みんな早く売りたくて塩加減を減らして漬けているからなんです。ですから、漬物としては例年通りの低温で動いてくれないと塩加減が狂ってきます。そのところは長年の経験しかないんですよね。紙に書いたりできないんです。よく私が困るのが、お客さんが白菜を2個買っていって何g塩を振ったらいいかと聞かれても返事ができないんです。そうなると、面倒くさいから塩をそのままあげたほうが早い(笑)。

 質問C仕入は全部自分で仕入れているんですか。
 杉本:卸売会社が40%、仲卸が60%、それは果物を入れてです。蔬菜の場合は卸売会社が多く、卸が7割くらい、金額で卸40、仲卸60、果物はほとんど仲卸から入れています。
 質問D:いま、ふかしたりということをしてますが、味付けはそれ以上はしないのですか。
 杉本:しません。味付けすると惣菜屋さんになって調理加工になるので、やってません。
 
 質問D何人で加工するの?
 杉本:ぼく一人です。でも、トウモロコシは2人で1時間くらいむかないと200〜300本は間に合わない。それは午前中の勝負だよね。お店は2人がつきっきりで見ていて、1人は袋詰め、1人は加工してます。

 質問E加工するのに何か資格は必要ですか。
 杉本:食品衛生責任者があればだいじょうぶ。調理をするとまた別の資格になります。設備があって保健所の許可を得ないとだめ。

 質問Fこの写真でいくと店の前に商品を出していますが、突然の雨が降ったらどうするんですか。
 杉本:雨におどろいていたらだめ。雨が降ったときにはスーパーも売れないからだいじょうぶ。うちのところは駅が行き止まりなので車はあまり通らないほうです。

 質問G写真を見てふかし器があったが、ゆでるのでなくてふかしているのですか。あれはいくらぐらいですか。
 杉本:あれは30〜40万円です。でも、必ず値切って買ってます。いい値は50万円くらいというけれど、2人で組んで35万円といって交渉します。高いように思うでしょうが、やっていると利益が上がるから。タケノコとトウモロコシをすると半年で元はあがっちゃいます。タケノコはゆでるんです。あの機械の下に半分お湯が入っています。だから、かごを全部外せばお湯だけなので、そこにタケノコを入れる。ガスと灯油と2種類あります。1台目は灯油だったのですが、灯油は臭くてゴーッと音がする。それで、2回目はプロパンガスに変えました。プロパンのほうが少し時間がかかります。ふかしいもの太いのが45分くらいでよかったのが、ガスだと1時間くらい。でも、ガスのほうが静かです。

  


江澤先生の中国野菜についての話 

  
 野菜はもともと古くから中国からわたってきているので、たいがいの野菜は中国を通過して日本にきていると思っていいのですが、戦後、毛沢東の時代になるまで中国とは国交がなかったわけです。

 田中角栄さんのときに中国と国交を樹立し、その後中国野菜としていろいろ入ってきました。チンゲンサイ、ターサイなどは中国野菜と呼ばないくらいに普及しました。ぼくらの若いときにはキャベツも西洋野菜、ニンジンを西洋ニンジンといった時期がありますが、いまは全く西洋などと感じさせなくなっています。ですから、中国野菜というのは、特殊な、数の少ない、大衆化していない野菜をさすと思って結構です。

 八百屋塾は、八百屋さんが物品販売業から食べ物屋になるための教室です。ですから、どういう仕入をしたらよいか、どういう商売をしたらよいかについては、皆様方はベテランで、その店なりのやり方があるので、私のほうからはあまり言いません。食べ物屋になるために一番大事なのは、売る人が食べていないとわからないということです。 

 食べてみると同じものでも品種が違うので、食べ比べをやってきました。食べるということについては関心が薄いのはとても残念です
 何が一番問題なのか。食べ物の品質になるとまず品物の品種の問題があります。ジャガイモ、トウモロコシ、トマトはある程度品種の話になっていますが、ダイコンは青首、白首くらいしかわかっていません。みなさんもどういう品種を売っているのかわからなければ市場に聞いてもらいたい。それには産地と品種を問題にしていくことが大事です。ダイコンを、品種名でなく、ダイコンとして売っているということについては疑問を感じないといけません。

 野菜も品種がわかっていればある程度仲卸も利用できます。品種、産地、作り方、収穫時期、温度管理などでいろいろ違ってきますが、ここで学んだということは商売の入り口なので、これを転機にして自分の店の役立つようにやっていただきたい。    


鈴木先生の商品説明

 ◎キャンディキャベツ
 
 キャンディキャベツは各市場には入っていません。名前はまだ登録はされていませんが申請しています。名前の通り甘さが売りで、特に冬系の寒球は甘みがのっています。非常に甘味が強く、冬季限定ということで販売しています。産地はJAとぴあ浜松、品種は増田種苗の冬系927を使っていて、現在個性園芸事業部で取り扱っています。
 

 
 ◎菜花
 菜花はこれから春を売るという商材になるかと思います。菜花は福岡から「おいしい菜」という名前で来ています。側枝どりタイプで、11月上旬から3月まで収穫期です。それから代表的な菜花として、千葉県安房郡房総半島の菜花は蕾だけというタイプです。蕾と同時に葉を食べられる形態になっているものもあります。側枝どりタイプと蕾や葉を食べるタイプの2種類あります。蕾を食べるのが一般的な見方でしょうが、今では福岡から出ているような側枝タイプも出ています。

 花菜は京都伝統野菜の一つで、「京なばな」と言う名前で呼ばれ、これも蕾、葉を食べるタイプです。

 ◎中国野菜 写真はこちら
 へちま、冬瓜、ゴーヤは中国料理に使われているとみなし、中国野菜に入れました。

 へちまは沖縄産で、沖縄では大きく食べられている商品です。ヘチマは3タイプありますが、その中で「ナーベーラー」と呼ばれ、沖縄では食べられている商品をもってきました。

 冬瓜は中球系といわれるものが一番市場に出回っています。この特色は、きれいな冬瓜もありますが、キュウリのブルームのように白く粉をふく特色をもっています。

 ゴーヤ(ニガウリ)は4タイプが生産され、沖縄では非常に食されている商品です。九州を中心に生産量が増えていて、今後市場に出回ってきます。ぜひ力を入れて売ってもらいたいと思います。

 ニンニクから作った葉ニンニク。これはJA長生で出荷されています。一時は中国野菜ということで一世風靡しました。スアンペアとも呼ばれています。

 キンサイはスープセロリ、中国セロリという名前でも出ていますし、キンサイという名前で売られている商品です。別名スープセロリと呼ばれる商材で、香りが強いのでスープによく用いられます。

 静岡県は中国野菜の大産地で、コウサイも静岡県のJA遠州中央産です。

 ニンニクの芽は中国からの輸入品です。国内ではあまり作られていなくてJA高松中央が出荷している程度です。

 トウミョウは袋詰めされて売られていますが、これは栃木の産地ですが、エンドウマメの新芽が豆苗ということで出荷されています。

 キンシンサイ(金針菜)は、畑の畦道に意外にあります。カンゾウの蕾を乾燥させて使われる。これも輸入品です。

 チンゲンサイは一番中国野菜ではポピュラーですが、青軸がチンゲンサイで、白軸がパクチョイです。これも中国料理には一般的に使われる商材かと思います。

 ターサイは、JA遠州中央産。このあたりも非常になじみがあり、別名ちぢみ雪菜といわれています。

 エンサイ(空芯菜)は袋詰めで売られ、非常に出回りつつあります。東南アジアでは一般的な葉物です。ごく一般的に炒め物に使われています。

 サイシンは静岡産です。これも葉と蕾を食べます。赤紫色のものがコウサイタイです。

 カイランは葉と蕾を食べる野菜です。これも中国の輸入品です。 花ニラは花が咲く前のニラです。これも中国の輸入品です。あくまでも咲く前のものが食用にされます。

 黄ニラは、日本でいうと岡山が主体です。ニラは一番、二番、三番と刈っていくと新芽が出てきます。一番を刈って日光を遮断すると緑色にならずに黄色になる。これが黄ニラです。
 (ここで江澤先生)ニラの一番はうまくないよ。二番目、三番目がうまい。黄ニラは臭いもないし、やわらかくくせがないから万人向きだよ。それからしゃぶしゃぶなどの匂い消しにはいい。(江澤) 
  


食べ比べ

1)キャンディーキャベツの生、ゆでたもの
2)ゆでたもの
トウミョウ、キンシンサイ、ターサイ、カイラン、クウシンサイ
3)ニンニクの葉、酢味噌あえ、葉ゴボウ

塾生の感想

*葛西の鈴木さん:「キャンディキャベツ」は生で食べてみてふつうのキャベツと違って甘さが感じられた。取り扱ってみようと思った。
*葛西の田村さん:ゆでると同じに感じた。
*城南の西沢さん:やはりゆでたものは甘く、臭いやくせがなかった。ネーミングに弱いので、「キャンディキャベツ」はかわいくてよいと思った。生の千切りは少しかたいかな。細く切っているわりにはかたさが気になった。
*京浜の柿沼さん:トウミョウはあまり売れない。味もそれなりだし、重視していません。キンシンサイは結構おいしい。キャンディーキャベツはおもしろい商材かもしれない。ニンニクの芽は結構売れます。牛肉などと炒めるとおいしい。花ニラもニンニクの芽と同じような使い方だが、花ニラを売るよりはニンニクの芽を売るほうがはるかに売れる。
*豊島の山本さん:トウミョウはうちの店では売らない。空芯菜は甘味があっておいしかったが、値段がちょっと。キャンディーキャベツはそれほど売りたくない。
*豊島の平さん:肉料理に合うといって売りたい。チンゲンサイよりターサイのほうがうまかった。角煮のパックのものを売っているが、チンゲンサイと一緒に売っている。
*佐藤さん:はじめて食べたのでなんともいえない。
*??さん:いろいろ知らない野菜があって、食べてみておもしろかった。
*新潟の宮崎さん:クウシンサイ、タァサイがおいしかった。
 新潟でニンジンをつくっています。雪下ニンジンをもってこようと思いましたが、まだニンジン臭いので一番おいしいときにもってきます。今日はマメをもってきました。
*浅賀さん:中国野菜は中華屋さんからの要望が多いと思う。中国料理は油料理が多い。塩味がポイントになる。クウシンサイは塩味で炒めるとすごくおいしくなる。
*??さん:好みだが、おいしいのはターサイだと思う。自分で食べてから売るようにしている。説明すると信用してくれるが、クウシンサイはゆでて食べてくださいといっている。今日食べたのはあまりおいしくなかったが、おひたしにしてもおいしい。

荒井先生

 ゆでる秘訣
 塩は湯に対して0.5〜1%。そうすると5カップの水(1リットル)に対して小さじ1〜2杯。よくパスタをゆでるときは1%といってたくさん入れていますが、2〜3%だと思います。塩を入れると青色がさえますが、肉質はかたくなります。ですから、0.5%ぐらいがいいでしょう。温度は100℃、沸騰していたほうがよい。料理屋さんだと2%くらい塩を入れますが、食べる量が少ないの塩味が強くてもいいのです。枝豆などにしても塩を少し多めに入れます。家庭はばくばく食べますから0.5%くらいです。
 
 あくの強いものほどお湯の分量が多いほうがよい。ほうれん草をゆでたときに、ぐらぐらの湯ではアクが出ません。一度温度が下がって80度くらいになり、もう一度沸騰するときにアクが抜けるのではないかと思います。

 それからキャベツとかブロッコリーなどアクの少ないものはたっぷりの湯でゆでたほうがいいのですが、私はブロッコリーをゆでるときには、蒸しゆでにします。お鍋に並べておいて少しずつお湯を入れていき、蒸しゆでにすると香りもうまみも残ります。ロールキャベツをするときにはたっぷりの中に入れてゆでたほうがよいのですが、おひたしのときにはお湯は少なめです。ロールキャベツにするときのゆで加減は、ゆでた葉を一本の箸にとって、つっぱっているとうまく巻けません。スーッと下がっているようだと一番巻きやすいのです。また、ペチャッとしていると巻きにくい。これはお客さんがロールキャベツにするというときに教えてあげるとよいと思います。
休憩時間に、塾生から調理方法や食べ方の質問を受ける荒井先生(後ろ向き)赤いセーターは上原先生

(ブロッコリーは水いっぱいにするとベシャベシャになるという質問に対して)
 私はアメリカ製の三重構造のステンレス鍋でゆでています。まず4つ割りにした茎を下にしき、そのうえに花束を立てます。そして、大匙4〜5杯の水。それで蓋をするとすぐ沸騰し、全然ベシャベシャになりません。それを冷まして食べます。