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2004年(平成16年) 5月16日 (日) 第2回
学習テーマ「キュウリ、ソラマメ、ピース、枝豆、サヤエンドウ、インゲン、スナックエンドウ、砂糖エンドウ」

 八百屋塾ではホームページを立ち上げ、毎月の内容を公開しているため、各方面からアクセスがあります。本部青年会浅賀隆夫会長の挨拶で、その効果について2つのエピソードを披露してくれました。

1.テレビ局から「野菜フルーツチャンピオン」に出演依頼がありました。杉本青果店の杉本晃章さんにが出演を快諾、最終予選まで残りました(放映予定は7月29日)。奮闘ぶりをお楽しみに!!

2.東京農業大学4年生の学生さんは、アメリカにも1年留学して様々な問題を考えた結果、生産者と一般消費者との掛け橋になるためにぜひ八百屋をやりたいという結論に達したそうです。ならば、八百屋の仕事を教えてあげるから実習生のような形で来たらいいよと言ったところ、「明日行く」という話になりました。

 浅賀会長は、野菜がいかに大切か、いかに関心をもたれているかを実感したそうです。八百屋は野菜の性質、機能性・効能などすべてのことを知ったうえで、情報を添えて売らなければいけないのに、市場で仕入れて持ち帰り売るだけという店が多い。野菜を販売するということは、食文化や健康に寄与しているという誇りも感じられるし、素晴らしい仕事だと思う。だからこそ八百屋塾がこのように広がりを見せてきたのだろう。みなさんも頑張って勉強してくださいと最初に力強いメッセージを送りました。

◆芦沢先生の話

野菜の特徴

野菜は脇役あり、商品として生き抜いてきた
 
 あなたの専門は野菜ですね、と聞かれると、「ハイ、私は野菜の専門家です」と答えます。八百屋さんは野菜を売るという仕事をしていますが、実際に野菜という具体的なものは存在していない。キャベツであり、ダイコン、キュウリであるわけです。私の場合も、「専門は野菜の中のキャベツです」と答え、仲間うちでもキャベツの専門家だと思われています。

 野菜は、その意味では大変つかみどころのない食べ物です。現在、市場で売られている野菜の種類はおそらく130ぐらいあり、食べる部分は葉、花、茎、根、果実などいろいろです。果実の中でも未熟なもの、よく熟した果実を食べるものなどいろいろありますが、それぞれによって取り扱いが違ってきます。

 野菜は、「青果」「生果」と書きますが、食べ物の中で主役でなく、脇役としての役割を果たしています。かなり飢えた時代に、ダイコンの葉が主食の増量材になったことがありますが、大体は脇役でした。統制経済の時代に統制されていたことがありますが、大体は商品として流通し、主として八百屋さんが扱って、生産者から八百屋さんに渡るということで、そこには大変厳しい市場経済の原則が働いていました。ですから、作っても全く売れないこともあれば、ものすごい高値がついて御殿を建てるほど儲かったなどという話をきくこともありました。そういう意味では、かつても今も、商品として非常に厳しい世界にいるわけです。

野菜は「草本」で一年生として栽培するものが多い

 食物としては、自然にあったものを改良してきました。自然にもともと存在するものでなく、人間が手を加えて現在のような形に変えてきたのです。

 野菜は原則としては、一年生、二年生の植物ですが、多年生のものも一年生、二年生として栽培する場合が多いようです。

 生産者はイチゴを野菜として扱います。イチゴは多年生なので、苗を植えて置いておけば3〜5年でも実はなりますが、商品と扱うためには、苗を捨てて次の苗を作るという作業を毎年繰り返していきます。ですから、野菜と同じような扱いになるわけです。

 野菜の中には木本(もくほん)のものがないというと嘘になります。例えば、サンショの芽、サンショの若葉は野菜として流通します。サンショそのものは木ですが、生産するときにはサンショは枝を伏せこんで若芽を出し、その葉をサンショとして流通させるわけです。ですから、多年生の木ですが、栽培をするときには一年生、もしくはそれに準じた栽培をします。

 似たようなものではタラの芽があります。これも木ですが、使うときには、春に出てくる若芽をとるわけで、その株を育てて枝を切り出し伏せこんで新しいものを出させるというようなこともします。その意味で、野菜は一年生、二年生で「草本」というのがふつうですが、多年生のものも一年生のように栽培する。若干「木本」のものがあるということです。

 果実と野菜がどう違うかというときに、片方は木本で、片方は草本と言いますが、野菜の中にも木本のものがあるし、果物の中でも、バナナやパイナップルなど草本ですが、扱いとしては果樹というものがあります。

野菜の系統図

 日本で作られている野菜は、どのぐらいあるか。植物分類をする人が系統図を作りますが、中央に元(植物)があり、元から大きな枝に分かれ、そこから小枝に分かれ、その先に葉がつくという図になっています。

 枝をたどっていくと親戚筋のものが全部同じ枝についているという形で「科」という単位にまとめ、その先に野菜がついています。これが全部で130くらいあります。植物分類上の科に30科、野菜の数として130前後、これが栽培して市場に出荷されている野菜ということになります。もちろん、この中にはダイコンのように、総生産トン数が200万トン、作付面積が5万ha以上という大きなものもあります。

 中には短期間に出てきてそれでおしまいというような小さなもの(ツクシ、ワラビ、ゼンマイなど)もあります。ツクシは本来は3〜4月に出てくるものですが、ツクシの株をとってきて、それを伏せこんで熱をかけて正月頃に出荷をするという栽培がされています。ですから、ツクシは本来は野生のものですが栽培されているものがあるというので系統図に入れてあります。ワラビなども栽培が始まっています。

 系統図の中で、太い黒い枠で囲んであるのは指定野菜です。農水省が国民生活に最も影響があるから、この生産の下支えをしようというもので、ジャガイモを含め全部で14品目です。これが最も重要な野菜ということになります。

 それから二重枠で囲んでいるのは、その次に大事な野菜とされている「特定野菜」で約30あります。ですから、両方合わせて40ばかりが日常生活に常に関わりのある野菜ということになります。指定野菜の中にはダイコン、キャベツ、白菜、キュウリなど大きなものが全部入っています。特定野菜はそれに次ぐものですが、県がどうしても特定野菜にしてくれといって入っているものもあります。シシトウなどは、国民生活に影響が出るような作物ではありませんが、特定の県ではシシトウで成り立っている地域があって県も力を入れているので国も力を貸してくれということで、特定野菜になっているものが若干あります。

 植物の分類から言えば、メロン、シロウリ、温室メロンも全部「メロン」になりますが、マクワウリは文化遺産のように大事なものになっていますし、シロウリはメロンと違って甘みの出ないものを利用しているので(教科書に用いている本では)メロンの記述とは別にして書いています。

 カボチャは、植物の種としては3つあります。ズッキーニなども入るペポカボチャ、洋種カボチャ、和種カボチャですが、これらを一括りにしてカボチャと言っています。

 タケノコで一番有名なのはモウソウダケです。食物としては縁の遠い違った属のものがタケノコとして扱われていますが、日本では全部タケノコと1種類にしてあります。

 キノコの中にはマツタケのように栽培できないのもありますが、キノコは野菜か林産物なのかというのも、大変やっかいな話です。これもセミ野菜ということで入れてあります。

 私が若いときには、自然界には、動物と植物という2つの生き物があると学校で習いました。最近の学問の世界ではキノコが分かれていて、菌というものがあるとされています。植物は光合成をして、自分で無機物から有機物を作り出して生きていくが、菌は光合成を全くせずに他に寄生して養分をとって生きていく。動物には無機物をとって有機物を作るという能力がなく、食物が作った有機物を食べて生きていく。動物の中には植物を食べて生きていく草食動物と、それらを食べる肉食動物がいて、人間はどちらも食べる雑食性の動物です。

 キノコは一般的な食べ物としてだけではなく、いろいろ有用な物質を作り出すものとしても注目されています。

 今食べている野菜の中で、日本原産のものは非常に少ない。特に、大事な野菜は全くないと言っていいぐらいです。日本に自生していた野菜は、ウドやサンショ、セリ、フキ、ミツバ、ミョウガなどで全部で20ぐらいです。これらは国民生活に重要な影響を及ぼすという野菜ではありません。我々がふつう食べている野菜はほとんど全部外国で生まれ、外国から日本に入ってきて日本で野菜になったということになります。

 ダイコン、カブ、マクワウリは非常に歴史が古い野菜ですが、外国から日本に入ってきて使われるようになってきました。また、アメリカ大陸が発見されてから、アメリカから入ってきたものの中に大事な野菜が多い。ジャガイモ、トマト、カボチャ、インゲン、サツマイモ、唐辛子、スイートコーン、ピーマンはアメリカから入ってきました。アメリカ大陸が発見される前、人間は何を食べていたのかという気がするほど大事なものがたくさんあります。

 大変珍しい野菜としてはゴボウがあります。ゴボウはもともとユーラシア大陸の北側に野生していたもので、その種をとって薬用として中国で使っていたものが日本に入ってきて野菜になったわけです。野生種が全くないのに、野菜として食べているのは日本だけという大変珍しい野菜です。日本が植民地にしていた韓国や台湾では食べるような習慣が一部出てきていますが、外国人にはわからない、珍妙な野菜ということになります。

 白菜は昔から日本にあったように見える野菜ですが、現実に、中国にもなかったものです。中国で、おそらくカブにチンゲンサイの仲間がかかり、その交配から、もともとの野生種がないと「白菜」という珍しい野菜ができた。それが明治時代に日本へ入ってきて、急速に発達し、日本で一ニを争う大野菜に発展してきたということです。白菜も大変変わった歴史のある野菜です。

キュウリ

華北型と華南型がある

 あとは今日のテーマ野菜であるキュウリとマメの話です。

 キュウリはインドの北側にあった野生の植物を元に生まれました。作物としての歴史は古いのですが、日本へ入ってきたのはそんなに古くはありません。本格的に日本で作られるようになったのは江戸時代の中期以降になってからです。日本へ入ってきた当時は大変苦いものでしたが、苦味のないものや果実が大きくなるものを選び出して現在のキュウリが生まれてきました。

 キュウリは胡瓜と書きます。中国の人たちにとって胡(蛮族の住む所)のほうから入ってきたウリということです。シルクロードを通って中国の北側から入ったもの(華北型)と、南側のネパールを通って中国の南へ入ってきたキュウリ(華南型)と両方あります。それぞれ極めてはっきりした特徴があり、日本でも使い分けていましたが、最近はビニールハウスができたということと肉質に好みが出てきたということで、華北型、華南型という区別がしにくくなり、最近では雑種型のものが非常に多く作られています。典型的な華南型の血筋は、加賀太キュウリや半白キュウリなどですが、今ではめったに見られません。

消費が落ち込んだ

 キュウリで大きな問題は、かつては市場での販売金額が1位であったのに、消費が急速に落ち込み、販売金額の1位の座からずり落ちてしまったことです。生産量も最盛期には100万トンありましたが、今は70万トン台に落ちてきています。作付面積は最高3万3000haありましたが、現在は1万5000haしかなく、半分以下になっています。それでも生産量が7割くらいですんでいるのは、品種改良で非常に生産力のある品種が生まれてきたということと、ビニールハウスの発達で収穫できる期間が長くなったからです。キュウリの消費量が落ち込んだという問題はみんなで考えなければいけない問題だと思います。

キュウリは雌雄同株

 キュウリにはオスとメスがあります。雌雄異花というのは雄花と雌花が完全に分かれていますが、キュウリは雄花と雌花が同じ株にある雌雄同株です。物によっては、雌雄異花で、しかも雄株と雌株が完全に分かれているものがあります。アスパラガスは雌雄異花で異株なので、雄株と雌株があります。栽培する人にとっては、雄株を残すか、雌株を残すかは大変大事なことです。原則的には1対1で、生産力の高いもの、あるいは品質のよいものがとれるものをたくさん残すように、いろいろなやり方をします。イチョウは雌雄異株なので雄株と雌株があり、雌株に銀杏がなりますが、雄株がないと銀杏が実りません。

 メロンは雌雄異花ということになっていますが、日本で作っているメロンは面倒なことに、雌花といわれているものに雄しべもあって雌雄同花です。別に雄花があります。ですから、F1のタネをとるときには、雄ずいをきれいに取り除かないとF1ができません。そうしてから別の雄花をもってきて交配するわけです。ですから、メロンのF1として出てきているものは、人間の手で雌花と称しているものについている雄花を全部取り、F1の親とする雄花をかけているということになります。F1を採種するときにはメロンは大変やっかいです。幸いなことにキュウリは完全な雌花と雄花ですから、交配をするときに、雌花の除雄をする必要はないわけです。ただし、F1を作るときに、Aという親にBという花粉をかけて種をとります。雌雄同株ですから、同じ株にその雄もあるが、それの花粉がかからないようにするのが大変やっかいで、現在は雌花に袋をかけ、そのオスがかからないようにしています。それで、ある時期にBの花粉をつけ、また袋がけをする。実が大きくなったところで、採種をします。採種をしている農家にとって大変やっかいなのは、間違って同じものがかかるとF1がとれなくなることです。それで、しくじってトラブルが起こるときがあります。最近は種のDNA解析が進んでいるので、これはAだけとか、これはAとBがかかったF1になっている、などと解析できるようになり、種苗会社は間違いないことを確認しながら採種をしています。

 キュウリは三尺胡瓜という大変長いものから、ほとんど丸に近いものまであります。長さ・太さ、華北型・華南型、緑色・白色、しわしわ、イボイボがあるもの・それらが目立たない、などいろいろです。キュウリのイボには白と黒がありますが、歯切れがよいので、白イボでなければだめということになりました。ただし、この場合のイボというのは、イボの先にあるトゲが白い黒いというのです。また、イボが少なくのっぺりしているようなキュウリもあります。

【講義後、追加説明された内容】

 キュウリに雄と雌があって、花粉がつかないと実は大きくなりません。それで一番困っているのはトマトで、めしべの先に花粉がつくようにするために、昔はわざわざ花をたたいていましたが、そのうちにバイブレーターというのができ、最近はハチを飛ばして花粉をつけるようになりました。ところが、キュウリは、特に日本のキュウリは幸いなことに、単為結果(花粉がつかなくても実が大きくなる)という性質をもっているため、ハチを飛ばしたり、バイブレーターを使ったりしなくても実がなります。したがって、中に種が全然入っていません。種のように見えるのはシイナです。

 昔のキュウリの中には、花粉がないとつかないキュウリがあり、下のほうだけ太って種が入るキュウリがよくありました。単為結果というのは大事な性質で、ヨーロッパのキュウリでも入れようと努力をしていますが、なかなかうまくいきません。日本ではうまく成功して全部単為結果性になっています。

 ですから、ヨーロッパの温室などに行くと、ミツバチに刺されたなどという騒ぎがよく起きます。ヨーロッパでは温室の中にミツバチを入れ、受粉させているのです。温度も湿度もかなり高くなるので、そういうところに置いてもだいじょうぶなミツバチを作り出すというような苦労もしています。

台木を使って栽培しブルームレス時代へ

 キュウリではブルームの問題があります。キュウリは果実の表面に粉をふき、これを果粉(ブルーム)といいますが、本来は蝋質で雨にあたっても水をはじくようになっているものです。ところが、キュウリは本来、暖かい時期に作るものなのに、寒い時期でもよく育つように接ぎ木をするようになりました。寒いと根がうまく伸びないので、寒くてもうまく根の伸びる台木を使うのです。ある台木(カボチャのキトラ)に接ぎ木をすると全部ブルームがなくなったものですから、たちまち普及しました。そのほうが果実がピカピカ光ってきれいですし、消費者に農薬がついていないから白くないのだと悪質な宣伝をする人がいて、ブルームレスがはやってしまいました。

 ブルームはキュウリが自分の身を守るために水をはじく役割を果たすものです。ところが、ブルームのないキュウリができると、キュウリのほうが自己防衛のために皮をかたくして水が中に入ってこないようにしたわけです。そうすると、ブルームレスのキュウリは皮がかたいということが問題になってきました。

 最近、ブルームレスでなく、ブルームのキュウリが見直されてきました。

 特殊なカボチャの台木を使ってブルームをなくすという、ある意味異常な形で日本のキュウリは発達してきたわけです

エンドウとソラマメ

エンドウ

 エンドウはもともとは主食に近い形で利用するためのものでしたが、その中から莢のやわらかいときに食べるサヤエンドウが生まれ、若い青実を食べるグリンピースが発達してきました。また、グリンピースの中で、さらに糖を含むものがシュガーピースとして発達してきました。
 
 日本には大変古くから入ってきましたが、日本のエンドウは品種としてうまく発達していなかったので、明治時代にアメリカやヨーロッパからエンドウをもってきて発展させました。かつてはオランダエンドウやフランスから入ったもの(仏国オオザヤと称していた)を使い分けていましたが、現在では日本の品種に全部変わりました。莢が大きくなると、かたくなって食べられないので、グリンピースやシュガーピースの莢は食べなかったのですが、莢が青実大に大きくなっても莢がかたくならない、繊維質にならないというスナップエンドウが市場に出るようになりました。これはどちらかといえば家庭菜園で喜ばれています。

 豆苗はエンドウの若いツル先をとって食用にする中国野菜の一種として入ってきています。中国には豆苗用品種がありますが、日本ではキヌサヤエンドウの先をつまんで豆苗として食べています。

 エンドウはいろいろな食べ方があって、グリンピース、シュガーピース、サヤエンドウ、スナップエンドウ、豆苗などがあります。

 狭い日本で、食べ物については関東と関西とでいろいろ違いがあります。関西のサヤエンドウは大ザヤで、関東は中ザヤ(小さいもの)を食べますが、最近は関西でも小さいのがはやってきているそうです。スナップエンドウにも大ザヤと小ザヤがあり、関東では小ザヤ、関西では大ザヤですが、現在ではその差はだんだんなくなりつつあります。

ソラマメ

 ソラマメは歴史が古い野菜です。明治になってから現在のように大粒のソラマメが食べられるようになりました。ソラマメの生産量そのものは大きくないのですが、日本のものは比較的太ザヤで、中に大きな実が3つ入っていますが、昔、長ザヤと称する、莢が大きく、実の小さなのがいくつか入っているようなものもあります。

 天豆、空豆と書きますが、ソラマメは空を向いて莢がつくので、このような言い方をするのだと思います。中国の人たちは蚕のような感じがするので、蚕豆と言っています。

 豆は食物としては大変こわいので、毒性のないものを選んで野菜として食べています。地下部のイモを食べるイモ豆もあります。台湾から南に行くとかなり店に出ていますが、食べると大変甘いものです。最近は、四角豆、チックンピー(ひよこ豆。大豆と同じくらいの大きさだが、とさかみたいなものが出ている)などもあります。 フジマメを関西ではインゲンというので、インゲンと注文するとフジマメが出てくることがあります。


●江澤正平先生の話

・第1回に学んだトマトの特徴を説明を補足します。

 トマトの糖度にはショ糖がなく、果糖とブドウ糖だけです。ふつうはこの3つが揃っていますが、トマトはショ糖がないので、トマトの甘さはさっぱりしているのです。肉質は粉質的な、少しザラザラしているのはあまり好まれません。塩トマトは粉質的です。野菜の味は、口の中に入った「匂い」と「肉質」と「味」、この3つを分けて総合的にどうかと感じる必要があります。

・今日はキュウリの問題ですが、キュウリは歯切れのよさが持ち味で、水気があってほのかな甘味があって、喉越しにウリの匂いがするというのが特徴です。口の中がさっぱりするので、おしんこには欠かせません。

 イボのないキュウリが出ているのは、カット野菜にするときに雑菌の問題があるからです。イボがあると雑菌がつきやすい。ただし、おしんこにする場合はイボがあったほうが塩気もとまり味がつきやすいということがあります。
 
1985年(昭和60年)くらいにブルームレスが出てきましたが、売る側にとっては皮がかたくて日持ちがよく、消費者にとっても見てくれがよいのでブルームレスを買うようになりました。歯切れのよさが一番大事なのに、皮がかたくて果肉がやわらかいのでバランスがとれない。それで、だんだん飽きられてきました。

 漬物屋さんも、塩漬けにするときに塩が入りにくいし、塩分を抜いて調味液を入れるときにも塩抜けがうまくいかないなどの理由から、ブルームレスを使わなくなりました。台湾からやがて中国に行き、漬物に適した「四葉」を輸入して作らせるようになりました。

 

  したがって、消費・加工、両面からキュウリが落ちてきたといえます。ならば以前のキュウリを作ればいいじゃないかという話になりますが、ブルームレスのキュウリが普及してしまったので、お客は果粉(ブルーム)がついているキュウリについて理解していません。

 また、JAもブルームとブルームレスの2つを栽培するのは、システム的にも大変で、何万ケースも出荷して値段がとれないということになると責任問題になるので容易にやりたがらない。そこで、ブルームが見直されてきたといっても、徐々にしか進んでこなかったのです。近頃はこだわりのある店でブルームキュウリを置くようになってきました。キュウリは歯切れと水気のバランスがとれていることが大事です。

 江戸時代の記録を見ると、キュウリは下物、下品だと書かれています。当時は苦いキュウリが出ていたのだと思います。シロウリは苦味がないのですが、皮が薄く水気が多くて日持ちが悪いということで、作られなくなってきました。
 加賀太は刺身のツマみたいにケンにしたりしますが、煮るときには濃く煮たほうがうまいと思います。

・マメの問題ですが、エンドウマメはデンプン質が多いので、豆ごはんにすると臭いがいやだという人がいました。

 莢の緑色が濃いものがいいと思っているかもしれませんが、莢の緑色が濃くなくても、むくと緑色が濃いエンドウもあります。マメは関西のほうが豊富なようです。
 


鈴木寛先生の商品説明

東京市場ではエダマメが一番取扱量が多い品目です。

・東京都中央卸売市場におけるキュウリの5月上旬の入荷状況は2664トン、単価161円で前年比2割安です。キュウリの入荷が少なく単価が安いというのは、ことしのゴールデンウイークが三連休になり、開市日数が違うということや、天候の具合もあると理解してください。
 
 きゅうりは2種類もってきました。今現在の作型だと加温タイプ(現在も加温しているわけではない)は6割、無加温が3割です。「ハイグリーン21」が主力品種になっています。これまで主力であったブルームレスタイプは、皮がかたいという欠点がある反面、日持ちがよいということにもつながります。しかし、皮がやわらかくて日持ちがよく、色艶がよくてそれなりのうまさを保持できるような品種が出回ってきています。どういう違いがあるのかという意味で食べ比べてみてください。

 福島県のキュウリは様変わりしてくるということでもってきました。

 次に、JAうつのみやのブルームですが、自根で作る難しさは各産地とも感じています。今回はあえて袋詰したものをもってきました。ブルームタイプは日持ちが悪いという話が出ているので、ピープラスという包材を使っています。

 JA群馬みどり(群馬産)は「四川」は「四葉」のからみで出てきました。福島産は、中華用漬物として短時間に漬かるように開発されたものです。

 JAやまがた(山形産)の「プリティ」はイボなしタイプ。「フリーダム」というキュウリもイボがないタイプだったが、イボがないと日持ちがよい。

 半白胡瓜(奈良・西岡農園)は、市場の人間でも知らない人がいます。期間限定で奈良県で作られているのをもってきました。加賀野菜の代表「加賀太胡瓜」は今がハシリですが、生で食べるより煮るタイプです。

 キュウリは漬物需要が多い。市場的にいえば安値を支えてくれたのは漬物屋だったが、ブルームレスなので漬けづらいというので、塩蔵品を中国から輸入しています。

 (マメは勉強会品目一覧表の内容を細かく説明)。


試食の感想

【キュウリ】

(埼玉産の加温と無加温で)
*味の違いはよくわからなかった。
*甘味があったが、微妙な差。
(福島産加温の生と塩もみを試食して)
*ブルームは期待していたけど、それほどでもなかった。がっかりした。(←これに対して、とれたてのものは差が少ない。日をおくとブルームレスのほうがかたくなると説明あり)
*ブルームレスのほうが皮がかたく新鮮でやわらかい。ブルームのほうは青臭く、自分には向いていない。
*食べた感じは変わらない。八百屋になりたての頃、今の時期に食べると無加温のほうがやわらかくておいしいと思うこともあったが、時期がずれると無加温がかたくなるというのを思い出していた。
*四川は小さい頃に食べたキュウリだと思った。山形の「ジェイラップ」(中華用漬物タイプのミニキュウリ)はまあまあ。加賀太は苦味がある。食べておいしいのは無加温が一番おいしかった。
*加賀太の塩もみとと煮たものを食べてみて、加工することでおいしくなるのだなぁと印象に残った。他のキュウリは差がないと思った。ブルームはたいしたことがなかった。
 

埼玉産ブルームレス無加温

埼玉産ブルームレス加温

群馬産の「四川」は、食味、香り、歯切れがよく漬物に向く品種

栃木産ブルーム

福島の中華用漬物として開発されたミニキュウリ

山形プリティ

 
半白胡瓜は3月下旬〜6月下旬の季節限定。浅漬け、酢の物、味噌和えなど 加賀太は炒め物、煮物、酢の物、サラダなどにとPR  

【豆類】

*ソラマメは愛媛のほうが甘くてやわらかくておいしかった。
*グリーンピースは栃木のほうが若い感じ。和歌山産はホクホクしている状態だった。豆は生で食べると苦味があるが、ゆでると苦味はなくなるのか。
(↑これに対して荒井先生が回答)

 ゆでたほうがにがみが抜ける。やわらかめにゆでたほうがいい。
*値段に対する味ということからいけば、和歌山よりも栃木のほうがいい。
*枝豆はおいしいもののバリエーションとしていい。
*サヤエンドウは中国産のほうが青くさみのほかにえぐみが残った。
・加賀太胡瓜は薄味でだしをきかせて煮たのを冷たくすると、夏には欠かせない。今日は時間と数の関係で薄く切ったが、倍くらいの厚さで煮含めるとよい。・グリンピースをゆでるときにかたさをみるには、箸でつまんで押してみるとか食べてみるとよい。鍋ごと水を出している蛇口の下に入れてだんだんに冷やしていく。グリンピースごはんは生から炊き込んだほうがおいしい。味を濃くするには、ごはんに入れる前に塩の半分くらいをまぶしておくとうまみが出てくる。
・ソラマメの大きいのは網の上で焼くとおいしい。
・タケノコは皮ごとゆでてさめるまでおくが、ふつうタケノコをぬかでゆでるときには、ぬか水でさましたほうがクセが抜けておいしくなる。今日は全部はだかにして天ぷら粉を水ときして入れたので少しアクがとれたのではないか。フランスやイタリア料理では小麦粉の水とき(1%)をゆで汁の中に入れて、アスパラガスなどをゆでる。ホワイトアスパラガスを食べ比べたときに、塩を0.5%入れたものと、米のとぎ汁で味をみてもらったら、米のとぎ汁でゆでたものが一番おいしいということだった。米のとぎ汁でゆでるときは水からゆでたほうがよく、ダイコンも米のとぎ汁で下ゆでをすると甘味が出る。

和歌山むきピース 枝豆は千葉のサヤムスメ(束)とサッポロミドリ(袋)

千葉そらまめ(共和陵西一寸)

参考出品  

鹿児島の大名筍 アナスタシア(カラーピーマン.)

荒井慶子先生の調理説明
 
・加賀太胡瓜は薄味でだしをきかせて煮たのを冷たくすると、夏には欠かせない。今日は時間と数の関係で薄く切ったが、倍くらいの厚さで煮含めるとよい。・グリンピースをゆでるときにかたさをみるには、箸でつまんで押してみるとか食べてみるとよい。鍋ごと水を出している蛇口の下に入れてだんだんに冷やしていく。グリンピースごはんは生から炊き込んだほうがおいしい。味を濃くするには、ごはんに入れる前に塩の半分くらいをまぶしておくとうまみが出てくる。

・ソラマメの大きいのは網の上で焼くとおいしい。

・タケノコは皮ごとゆでてさめるまでおくが、ふつうタケノコをぬかでゆでるときには、ぬか水でさましたほうがクセが抜けておいしくなる。今日は全部はだかにして天ぷら粉を水ときして入れたので少しアクがとれたのではないか。フランスやイタリア料理では小麦粉の水とき(1%)をゆで汁の中に入れて、アスパラガスなどをゆでる。ホワイトアスパラガスを食べ比べたときに、塩を0.5%入れたものと、米のとぎ汁で味をみてもらったら、米のとぎ汁でゆでたものが一番おいしいということだった。米のとぎ汁でゆでるときは水からゆでたほうがよく、ダイコンも米のとぎ汁で下ゆでをすると甘味が出る。