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2005年(平成17年) 1月16日 (日) 第10回
学習テーマ「葉物、いちご」

浅賀会長よりうれしいニュースが報告されました。

<1>江澤先生に農林水産大臣感謝状
 野菜を愛し、八百屋を愛してくださった「神様」のような方が国からようやく認められたことが何よりうれしい。
 

<2>(財)食流機構の第14回優良経営食料品小売店等全国コンクールで宍戸鉄男商店(店名:丸シフルーツ)が農林水産大臣賞を受賞(2月14日表彰式)
 宍戸三郎さん夫妻は八百屋塾の卒業生でもある。店は駅前の好条件ではあるが、その取組みが素晴らしい。昨年の杉本青果店に続いての快挙である。

 「八百屋塾もますます調子にのってきたという思いだが、スタッフ一同がんばっていきますのでよろしくお願いします」と結ばれました。

 
■芦澤先生の話

前回ネギの補足:

・ノビルはネギの仲間で、葉が丸い。栽培するかどうかが分かれ目になる。

・リーキは日本ではあまり食べられていない。葉が平たく、主に洋食で用いられる。

・葉が平たい仲間としてはニラとニンニクがあり、両方とも青いものも、遮光して黄色くしたものも食べる。ニラの花は「花ニラ」、ニンニクの花茎は「茎ニンニク」として出ている。

・葉が丸いネギの代表はタマネギとネギ。ネギは日本の野菜の中で最も歴史が古い。タマネギはヨーロッパが主体で、日本では明治時代になってから広まったが、現在ではネギよりも消費量は多い。

・そのほかアサツキ、シャロット、ワケギ、ラッキョウなど。シャロットは分球性のタマネギの仲間で、ヨーロッパでは大変重要な食材であると同時に、ソースを作るときのベースにも使われる。ラッキョウの若穫りをしたものが日本でエシャロットと名付けられてしまったために本物のシャロットは、ベルギーエシャロットの名前で出ている。

・ネギには、土寄せをして下を白くして食べる白ネギ・根深ネギ、土寄せをしないで青い部分を食べる青ネギ・葉ネギがある。葉ネギはほとんど九条ネギだが、これが作りにくいときにワケギとエゾネギを小ネギ同様の扱いで出てくることがある。

・ネギの仲間にはワケネギと称するものがあり、ワケギとわかりにくくなっている。ネギのワケネギ(分葱)の部分と、全く別の植物であるワケギをネギと同じように出してくるのでよけいにわかりにくくなっている。ワケギは世界の各地で1000年以上も前にタマネギとネギがかかってできたもので、起源を探していくと、ヨーロッパ原産、エチオピア原産、アジア原産のものなどがある。ワケギは花ができず、球根で増やしていく。

 日本には中国からワケギが入ってきた。暖かい地方で作られ、主な産地は広島と長崎。ワケギは上の部分も下の部分も食べられるが、上の部分を切ってネギとして出荷するのでわかりにくくなっている。

・ネギの中には冬になると休眠するものから、全く休眠しないものまである。自然の摂理によって違ってきている。休眠するネギはシベリアやモンゴルなど北方に多く、外部の温度が零下数十度になっても休眠してじっとしているから寒さで凍死することがなく、春になって暖かくなると芽を出してくる。全く休眠しないものは零下になると寒害を受け、だめになるものがある。

質問:市場ではアサツキという細いネギと、山形産アサツキ、西洋アサツキのチャイブと3種類あるが。

答え:植物の種としては一緒。エゾネギは北海道が主体で、アサツキは東北が主体になっている。


イチゴ
 

 イチゴは1965年から1970年代にかけてダナーと宝交早生の二極時代でしたが、だんだん新しい品種が出てきて1970年前後に「はるのか」が入ってきます。1990年代には東の「女峰」、西の「とよのか」と日本を二分する状態で作られました。ところが1990年代の終わりから2000年代になると、東日本は「女峰」に代わり「とちおとめ」が出てきて、西日本は「とよのか」が減り、特に九州の福岡、佐賀県など各県がそれぞれの品種を育成するようになって戦国時代になっています。 

 本当のイチゴの時期はいつかと聞かれるとおそらく返事に困るでしょう。露地で作って普通に栽培するとイチゴの旬は5月です。ところが現在は5月に出るイチゴは少なく、大部分は年明けから3月頃まで出てくるので、いまや真冬の野菜になっています。このように早く出回るようになったのはトンネルとハウスのおかげです。どちらかといえば反自然的なことをしているといえます。 

 イチゴを野菜として取り扱っているのは日本と韓国だけで、大半の国では果物のベリー類・漿果(ベリー)として扱い、日本ではどういうわけかイチゴだけを取り出して野菜としています。

 なぜ野菜になっているかというと、イチゴは多年生ですが、日本では扱いが1、2年生だからです。苗を作って植え、採り終えると全部捨てて、また苗を作っていきます。トンネルをかけたりハウスをかけたりという野菜的な扱いが多いので、生産する立場からいえば野菜と同じ扱いです。ヨーロッパのイチゴは多年性栽培なので、植えてしばらくはとり続け、何年か経つと更新するということをしています。それを日本では「芝作り」と呼び、大変珍しい栽培となっていますが、ヨーロッパでは一般的にそのような作り方が行われています。

 イチゴの収量からいえば、2〜4年くらいが最も収量が上がりますが、粒が小さくなってきます。小粒サイズは日本ではあまり好まれないので大果であるためには1年目が一番よいわけです。

 昔、日本でイチゴジャム用の品種を育成したことがあり、それは収量が多ければいいので、芝作りをして2〜5年栽培くらいまでやっていましたが、ジャムを作るための栽培は日本では全く行われなくなりました。

菜っぱ類
・ミズナは関東型(茎が太い茎広葉菜)と関西型(茎が細い千筋京菜)があります。菜っ葉類の中では非常に特殊で、早生、中生、晩生などがあり、葉の切れ込みや分けつの数が違ってきますが、どちらかというと早生型のものが作られています。この仲間の一番の特徴は分けつすることです。11月〜翌年3月くらいまで長く食べられることが特徴で、軟弱野菜として作られ、しゃぶしゃぶなどさっと熱湯を通して食べるのが本格的な食べ方といわれています。

・京都のミブナは切れ込みが全くなく、新選組で有名な壬生が産地でした。主に漬物専用です。

・菜っ葉類は黄色い小さなきれいな花が咲きますが、京菜の花は菜っぱの中でも一番小さく、他のものとちょっと違います。日本で発達した野菜で、学名にvar.japonicaとついています。

・ツケナ類はヨーロッパからアジアにきて、中国経由で日本に入り日本で発達しました。このため、日本を含む東アジアが第二次の発生中心だといわれています。

 各地にそれぞれの菜がありますが、最近はふるさとの野菜が見直され、各地域でツケナがふるさとの野菜として復活してきています。

・コマツナはカブと近く、カブとしては根の太りが悪くなった菜っ葉です。コマツナは東京の地名小松川から名前がきました。

・タイサイは明治の初めに日本に入ってきて作られましたが、その中のシャクシナは漬け物によく使われ、ごはんをよそうおたまのような格好をしています。この仲間で後から入ってきたのがチンゲンサイやパクチョイです。

・タアサイは表面にちぢみがあります。長崎ハクサイは唐菜(トウナ)といわれ、九州でたくさん作られています。

・大阪辺りにはシロナ(白菜と書いた)と称するものがあります。

・ナタネ(rapa)はアブラナと違って西洋ナタネです。寒さに強いので関東から東北の南部にかけて作られています。

・カイランはキャベツの変種で中国野菜の一つとして作られましたが、沖縄、台湾で見られます。

・センポウサイは人工的に作り出したナタネの仲間で、一時期バイオ野菜としてもてはやされました。

・菜っ葉といわれている中には、キャベツ、アブラナ(ツケナ)、カラシナ、タカナ、ナタネなどがあります。

 カラシナ、タカナは歴史の古い野菜で、どちらかというと暖かい気候を好みます。関東にはカラシナがたくさんあり、茨城に石岡タカナ(カラシナ)があります。

 北には山形青菜があります。この周辺にはカラシナと呼ばれる野菜が数多くあり、漬物専用に作られています。九州の方に行くと有名な三池タカナがあります。すべて漬物専用で、カラシナは浅漬け用、タカナは深漬用に向いています。

・ザーサイもタカナの仲間で、茎タカナの上の部分をとって干したのがザーサイです。中国の市場で加工品売り場に行くと、ザーサイは浅漬け、深漬けなどいろいろなものが出ています。割って干す→→塩漬け→塩抜き→中国の香辛料や酒などに漬け込んだものがザーサイといって食べるものです。

 中国では非常に消費量が多い大事な菜っ葉です。ザーサイを日本で作ろうと思って試験場で努力した人もいますが、いくらがんばっても中国のようなものはできないし、日本では単価が高いので、現在でも輸入物ばかりです。

・アブラナ(ツケナ)は非常に範囲が広く、カブ系、ハクサイ系の菜があります。日本の風土に適していたのかもしれませんが、各地域で好きな名前をつけるので、日本全国至る所に京菜と称するものがあり、コマツナ、ミズナがあります。それをきちんと区分するのが一つの仕事になっています。

・ホウレンソウは東洋種と西洋種があり、東洋種がおひたしにはいいが、収量が上がりません。

・シュンギクは小葉、中葉、大葉があり、香りが強いのは小葉ですが戦後まもなくなくなり、今あるのは中葉が多くなっています。大葉はほとんど切れ込みがないもので、中国から九州にかけて作られ、フグを食べるときには欠かせない食材です。

 中葉には株立ち型と株張り型があり、立ちは関東、張りは関西で多く作られ、関ヶ原が栽培の分け目になっています。株立ち型は真中から茎が伸びてきて、茎からわき芽が出てきて、それを摘み取って食べます。株立ちは摘み取り、株張りは抜き取りです。株立ち(摘み取り)の方が収量は多いけれど、株張り(抜き取り)の方が品質的にはよいといわれています。


■東京青果 鈴木寛先生の概況と商品説明

・12月は年末年始に向けて価格が上げ傾向になるのだが、昨年12月は相場が下がっていくという過去に体験のない販売環境であった。台風、長雨、暖冬といった天候の影響を受けた中での推移ということになる。

 野菜の12月入荷量は前年対比96%、総平均単価210円で、入荷減の単価安という状況だった。10〜11月はレタスが1万円から数千円するなど総じて野菜が高値だったので、その意味でも普段の相場ではなかった。

・イチゴの1月上旬は、京浜市場への入荷量が前年比63%。寒さの影響からか、平均単価は1249円で前年比120%、入荷減の単価高で推移している。入荷量が多い順に栃木、福岡、茨城、佐賀県。一番入荷の多い栃木県は上旬だけで380トン、前年対比59%、ほぼ半分近い出荷量を占めている。福岡、茨城とも前年を大きく割っている。
 
・野菜も1月上旬までは寒さの影響で入荷が少なく入荷量70%、平均単価241円(102%)。葉物のコマツナは入荷量72%で平均単価362円(101%)。入荷減で価格は前年並みの推移。埼玉、東京、岩手、千葉が主体。ホウレンソウは入荷量50%、平均単価576円(116%)で、前年の約半分。埼玉、群馬、千葉、茨城、東京の順。

・コマツナは東京と茨城で入荷しているものと2種類(埼玉・三郷「なかまち」ほか、茨城「健農うまかクラブ「せいいちろう」)もってきた。耐寒性に富み、関東地区では一年中収穫できる葉物の代表格。コマツナは各地方でいろいろな呼び名をされている。束で350円、FG入り110円。
 

・ホウレンソウ(JA群馬みどり「アトラス」ほか、140円)は、束、FG入りで入荷している。東洋種・西洋種によって根が赤いものや、葉の違いなどいろいろあるが、現在は両方の特性を生かして掛け合わせたものが主力になっている。

・冬期限定をうたった「ちぢみほうれんそう」(栃木・JA小山「しもゆたか」110円)は12〜2月に販売している。暖冬だったので本来のちぢみが発生しなかったが、今年に入って寒くなり、ちぢみの特徴を生かした商品が出てきた。2ヵ月以上生産にかかるが、霜を受けたものは甘いという商品特性がある。

・水耕栽培の赤軸ホウレンソウ(東京・グリーンピース、180円)とサラダホウレンソウ(岐阜・小屋垣内農園「ビリーブ」110円)は生で食べてエぐみが少ないことが売りになっている。

・ミズナ(水菜)はJA京都が200円)、茨城のJAなめかた(「早日千筋」「京水菜」)が140円。

・ミブナ(壬生菜)はJA京都が200円、JA埼玉ひびきの(京にしき)が130円。

・シュンギクは株張り種(JA京都 200円)と摘み取り種(栃木・JAしおのや「さやゆたか」110円)をもってきた。一般に軸が硬いと敬遠されるが、株張り種はやわらかく。サッとゆがいてすぐ食べられる。

・京菜(埼玉・三郷 160円)は関東ではオーソドックスな野菜で、時期が限定されるので常にあるわけではない。主に漬け物が主体。

・ツマミナ(東京、ヤマシン)はアブラナ科のタイサイの若芽をつまんだもの。

・セリ(JA千葉みどり110円)は日本原産の野菜で、七草の一種。

・根ミツバ(JA新いわて250円)は香りが強いタイプ。

・ニラ(茨城・JA美野里町「グリーンロード」110円)は最初の1年は根株を養成し2年度、3年度と葉を切っていく。収穫後20日ほどで伸び、期間中4〜5回収穫できる。

・ナバナ(JA全農ふくれん、在来種 100円)は「おいしい菜」の銘柄で産地化しているので、千葉産ナバナとは違う。

ちぢみほうれんそう 
JA小山 栃木県
赤茎ホウレンソウ 
グリーンピース 東京
サラダほうれんそう 
小屋垣内農園 岐阜県
京みずな 
JA京都 京都市
壬生菜 
JA埼玉ひびきの 埼玉県
緑王にら 
JA美野里町 茨城県
にんじん菜と
亀戸ダイコンは参考出品
にんじん菜 
ドリームファーム 東京都
亀戸だいこん 
葛飾 東京都
 

・にんじん菜(ドリームファーム200円)は根が育たないうちに早穫りしたもので、関西ではニンジンの葉をおひたしや和え物でよく食べる。

・亀戸大根(東京・葛飾 180円)は大きくならない大根。葉と一緒に浅漬けに利用し、どちらかといえば葉を食べるイメージ。なかなか食べる機会がないと思うのでもってきた。


■橋本幾男講師のイチゴ解説

(価格は八百屋塾前日のもの)
・「ひのしずく」(さちのか系統×とちのみね系統、熊本・JAたまな450円)は熊本県が開発したイチゴで、棚もち、口当たりがよく、値段もわりとこなれているのでずっと売っている。

・今年の「あまおう」(JA福岡大城 400円)はなんとなく酸が残るような気がして仕方がない。

・「さがほのか」(大錦×とよのか、JA佐賀東部 2Lで450円前後)は11〜12月にかけては食べやすいが、1月に入り二番果になって2月上旬くらいまでは気温の差でなんとなく味がぼけている感じがする。

・「さちのか」(とよのか×アイベリー、佐賀・JA神埼郡400円)は糖度がある。

・静岡の「紅ほっぺ」(章姫×さちのか、静岡・JA伊豆の国)は売っていないのでよくわからない。
 
・「とちおとめ」(久留米9号×とちのみね、茨城・クローバークラブ2L420円、栃木・JAはが野)は生産者、産地によって違う。東一個性園芸室で扱っている茨城のクローバークラブのものは非常にうまい(ことしのおすすめ生産者番号を参加者だけに披露)。このイチゴは糖度も高く、身がしっかりしていて評判がよい。色の上がりも全然違う。特Aといって形が悪く大きなものもとても好評だ。クローバークラブはイチゴだけでなく、メロン、カリフラワーを栽培している。こういう特徴を見ながらイチゴを売るとよい。

・酸味はあるが味のよいイチゴ、食感がよいと思うイチゴなど、店によって好みがあるし、お客の好みがある。最近のお客は少しでも酸があると酸っぱいといい、どうしても甘いイチゴが喜ばれる。

・「とちおとめ」は芯が硬めなので、カットするときに芯を切り込まないとその分だけ口の中に残る。

・食べやすいのは「あまおう」や「ひのしずく」。「あまおう」は中が赤く、「とちおとめ」でも切ったときに赤みが残るが、「ひのしずく」は中が真っ白で切ったときの見た目はよくない。

・それでも「ひのしずく」の食味は非常によい。大田市場で熊本県が2〜3回試食会を催したが、色が青っぽいものでも食べやすかった。これから増えてくると思うが、まだ大田と築地市場しか入っていない。暮れには「ひのしずく」は2L、3Lで430円だった。3Lは上が6個、下が5個で11個入っているが、とても魅力がある。前年対比2割くらい多い。

・イチゴの販売は例年と少し違い、2004年はクリスマスのときに下がった。仲卸が売れずに大変だといっていた。追いうちが年末29日の雪で、30日に頑張ったけど31日も雪で戻せなかった。クリスマスケーキにイチゴがのっているのは世界中で日本だけだそうだが、クリスマスにはイチゴが必ず高くなる。だが、クリスマスに向けて大量にケーキを作って冷凍したおくので、スポンジ部分がまずく、イチゴをのせればいいというものではない。最近のケーキはどこのものを食べてもちっともうまくない。

あまおう JA福岡大城 福岡県 さちのか JA神崎郡 佐賀県 とよのか JA佐賀東部 佐賀県

ひのしずく JAたまな 熊本県 紅ほっぺ JA伊豆の国 静岡県 あきひめ JA伊豆の国 静岡県

熊本県が開発した「ひのしずく」は講師の橋本さんオススメのイチゴ。

 
江澤先生と橋本さんのイチゴの回顧録(かけあいが楽しい)

江澤先生:イチゴが発展したのは「春の香」が最初。未熟なうちにイチゴだけのせてクリスマスケーキにすればよいというものだった。それからイチゴが売れるようになった。クリスマスケーキと一緒にイチゴの発展がある。「春の香」はうまいイチゴだったが、完熟させないからあまりうまくなくなった。「福羽」が味では最高で、「宝交」も味がよかった。その後「ダナー」などが出てきた。「宝交」は糖度はあまり高くないが、やわらかいイチゴだから口の中でつぶれると甘みが出てくる。イチゴはうまい方を後にして食べなさいといったものだ。

橋本さん:イチゴでおもしろかったのは「ダナー」だよね。房州の「ダナー」は本当にうまく、千葉県の市川辺りの電車で背負ってきたのが競売にかかったりした。あの当時のイチゴの味は今はないね。大利根の朝摘みのバラのイチゴはうまかった。あれも生産者によって違った。市場で10時〜11時までトラックがくるのを待っていたものだ。11時の競売までみんな帰らなかった。

江澤先生:イチゴは夕方5時すぎに買えば安くなった。それだけ日持ちしなかった。いまのイチゴは日持ちする。変わってしまった。

橋本さん:朝露が残っているから、日中気温が上がってくるとそこから溶けてくるんだよね。それがまたよくてずいぶん売った。売れ残ると箱に入ったまま翌日は何もなくなってヘタだけ残るということもあった。神田市場に入っていたものでも、荷主番号をいまだに覚えている。ああいう時代はこないのかね。

江沢先生:イチゴは酸っぱさがあるのとないのとある。酸っぱさがあるのは深みがある。甘さだけだとある程度の収量しか売れないね。

橋本さん:次は先月話したうまいミカン(熊本 JAれいほくの樹成り完熟「夢味(ときめき)みかん」)。甘いミカンとコクがあるミカンがある場合、お客さんに食べさせて納得させるには、先に食べさせるのはうまいミカン、次に甘いミカンを食べさせると差がわかる。JAれいほくの袋がけミカンの生産者は30人前後、30万トンくらいしかない。特選(木の上に実る良いもの)と赤秀があって、それだけ差がある。
 

橋本さんオススメのJAれいほくの袋がけミカン「夢味」

・ことしはハウスのデコポンがよく、佐賀の松浦東部、鹿児島出水のものをよく売っている。


●荒井慶子先生のゆで方のコツ

・たっぷりの湯をわかし、塩0.5%はなめた時に塩味をかすかに感じる程度。おすましは0.7〜0.8%。ベロメータでごらんになるとよい。

 入れる量が問題で、鍋に葉を入れると一度温度が下がり、もう一度沸騰したときにひっくり返すが、その時間が長すぎると歯切れが悪くなる。

 お湯がぐらぐらした中にホウレンソウを入れてすぐに水にとるとあくがしっかりとれる。あくの少ないものは歯切れがよい。

 ホウレンソウはある程度しずまってもう一度沸騰するまで30〜40秒あったほうがよい。沸騰までに時間がかかりそうだと思ったらふたをするとよい。

 若い人はついギュウギュウ入れてしまう。

 少量を電子レンジでチンする場合、水を入れるとよい。洗ってすぐならばよいが、水気を切ってポリ袋に入れて電子レンジにかけるとホウレンソウなどあくが出てしまう。電子レンジは簡単で早い。

・大根の葉の真ん中にあるお姫様みたいな双葉はやわらかくておいしい。チンゲンサイもやはり高貴な人は真中だけ食べ、外は庶民が食べるといわれたそうだ。

●食べ比べの感想

○おひたしなど葉物
*ホウレンソウは以前に食べ比べをしたときには露地とハウスが全然違っていたが、今日は思ったほど甘みがなく、ちぢみも去年に比べて甘みがない。

*「おいしい菜」がすごくおいしかった。コマツナとホウレンソウは去年ほどには味の差が出なかった。

*ホウレンソウ、コマツナは店で売ったのと比べると甘みがない。*ミズナは食べ比べると大差なく、生だとまずい。値段は倍以上なのに味の差がなければ今の時期は安いほうを売ったほうがいい。茨城の方は軸が青くてかたく、京都が太い。食べた感じはそんなに差がない。

*外食産業がミズナサラダで売り出したのが最初だが、ミズナはボリュームが出るのでいい。

○イチゴ
*店では「さちのか」を売っている。

*「とちおとめ」は酸味があっておいいかった。

*「さちのか」がおいしかった。

*「あまおう」は酸味があった。「さちのか」は味が薄い。「ひのしずく」はいい味で実がしっかりしていた。

*全体的に酸味が強かったりして甘みよりも酸味が強いものが多かった。

*イチゴミルクは売れなくなった。かけてうまかったのはダナー。だが、イチゴをつぶして食べなくなったのが影響している。

*バレンタインデー向けにイチゴのチョコがけをしているが、「とちおとめ」の枝つきできているものに溶かしたホワイトチョコをつけ、、しゃれた容器に入れて販売するといい。何か工夫するにはツルがあったほうがいい。

○イチゴの販売
浅賀さん「200円台、300円台、600〜700円台の3アイテムで売っている。イチゴの鉢植えはイチゴの教育的にもなるが、なかなか買っていく人がいない」
 

左から、さちのか あまおう、さがほのか、ひのしずく、とちおとめA、とちおとめB、紅ほっぺ、章姫、とよのか