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2006年(平成18年) 8月20日 (日) 第5回
学習テーマ「カボチャ、ズッキーニ、冬瓜、茶豆」

江澤正平先生の話

ことしは八百屋塾が始まって7年目になる。最初のころは

・八百屋は、物品販売業でなく、食べ物屋を目指せ、
・儲けるというよりも、儲かるのだ
・お客様の役に立って儲けが出てくる
というスローガンのもとにやってきた。

 ことしからは、お客さんの立場から自分たちの店をどう見たらよいのか。どういうことがお客さんには必要なのかという観点から、自分の店を見直そうということをテーマにしている。

 店はどうあるべきかというよりも、買い物が楽しいということはどういうことなのかを考えてほしい。

 みなさんは、売ることは専門だからよく知っているが、消費者がみなさんの店に買い物にくるという感覚がなかなかつかめていないと思う。

 女性は男性以上に、買い物をすることを楽しみにしている。旅行に行っても女性は多くの土産を買うが、これは買うこと自体が楽しいからである。

 みなさんのところに買い物にきているお客さんは、たぶん買い物に対して余裕があるのだろう。みなさんがまじめに親切に、「このほうがうまいよ」とかいろいろ情報を教えると、あそこの店に行くのは楽しいというような感じをもつようになる。会話が一番大切だ。

 私は、お客さんと会話をしていますか、とよくたずねるが、それは、あなただけが一方的に話すということでなく、お客さんと双方向のやりとりがあるかどうかということで、そのことが大事だと思う。

 だから私は“対面販売”という言葉を使わず、“対話販売”といっている。対話販売がこれから必要になってくると思う。
 
 1970年の初めころまでは、スーパーの形がどうにかできてきた。1973年ごろまではだまっていてもどんどんモノが売れた時代だ。

 スーパーはワンストップショッピングだから便利といわれるが、消費者は最初からそれがわかって、スーパーに鞍替えしたのではないと思う。

 戦後団塊の世代が親になり、その子どもたち世代が大きくなったのが1972〜73年ころである。そのころはまだ消費者は八百屋さんに毎日か1日おき、魚屋さんには3日に1度位、肉屋さんに週1度ほど足を運んでいた。

 しかし、当時の八百屋さんの販売はバケツ一杯とかロットが大きく、値段もわからない、行ったら買わなければいけないということで、若い連中は買い物に行くとストレスがたまっていた。

 そういう若い連中がスーパーに行かざるをえないような状態になったのが、第一次石油ショックで、石油高による紙不足でトイレットペーパーがなくなった。それでは困るというので買い集めるためにスーパーに行かざるをえなくなり、スーパーとなじむようになった。スーパーの野菜は高くて品物が悪いが、うるさいことはいわれないし、自由に買える。若い世代がワンストップショッピングの効用をわかってきた。

 八百屋はその時分は主導権をもっていたが、そうした消費者の変化については対応してこなかったので、消費者がだんだん離れてきてしまったというのが実情である。
 1980年代、飽食の時代になって食べ物が余ってきた。2000年以後になると、野菜などがおいしくなければいけない、栄養のために食べなければいけない等々、いろんな問題が出てきた。だから、スーパーも従来のような日の出の勢いではなくなり、お寒い状態になっている。

 暖かいのは八百屋さんの対話販売の店だ。

 情報は双方向になってきていて、消費者が楽しい店を見出そうしている。そういう点で今は特にチャンス到来だと思う。食べ方、おいしさなどの情報が特に必要になっている。また、ストレスを感じている消費者はどういう食べ物を食べたらいいのだろうと疑問に感じている。野菜全体としてどういうものを食べればいいのか。栄養の問題も古い常識があって混乱しているが、本当はどうなのか等々。 

 みなさんの店で若い客をどうやって呼びこむかだが、若い人はこれまで恵まれていなくて、おいしいものをあまり食べていない。まずいキュウリをスーパーでうまいといって売ってもキュウリの消費は伸びてこなかった。八百屋はお客さんのためになるような情報を提供したい。

 市場まつりなどのイベントは若い人たちに八百屋のよさをアピールするいいチャンスであると思うのでぜひ活用していただきたい。
 
■エダマメの話

 関東と山形・新潟のエダマメの違いはどうかというと、茶豆は臭いが強い。食べる熟度が全然違う。

 関東は実が入っているが、山形・新潟のものは実があまり入っていない。食文化が違っているからだが、80年頃から茶豆が新潟から入ってくるようになった。

■カボチャは日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャと3つある。

 日本カボチャは日本に16世紀に入ってきた。九州で遭難したポルトガル人が、九州の大名に助けられたお礼にカボチャをもってきたというのが始まり。これは中央アジアが原産地。コロンブスの発見でカボチャがヨーロッパへ渡ったが、これは1600年代なので、日本のカボチャといってもいいぐらいだ。

 西洋カボチャは南米原産、明治になってから北海道開拓使のために導入された野菜の一つ。メキシコや南米辺りのカボチャと違い、実が濃く詰まっている。

 西洋カボチャと日本カボチャは、軸のところで見分ける。西洋カボチャはツルのところが丸いが、日本カボチャはとがった形をしている。両方をかけあわせてもうまいのはできないので交雑はしない。日本カボチャは煮くずれしない。
 ペポカボチャは北米が原産地で、日本に入ってきたのは日清戦争のころである。

 金糸ウリはゆでると肉質がそうめんのようになるのでそうめんかぼちゃといわれ、種類がとても多い。

 昔は北海道で、まさかりカボチャという大きなものがあった。

 今はカボチャは切り売りが主流だが、年寄りからはもっと細かく切ってほしいという要望が出てきているので、今後どう対応していけばよいか考えてほしい。


杉本さんの販売アドバイス

 だだ茶豆の特徴は、ゆでてだだ茶の香りがしてくるのだが、何も説明せずに売ると、「へんな臭いがする」と返品がくるという話をきいたことがある。

 だから、初めて購入する人には、だだ茶豆はゆでているとあくが出るし、臭いが出るということをよく説明しておかないと理解してもらえないという欠点がある。

 だだ茶豆と『湯上がり娘』は香りが違うので、好みが分かれる。お客の嗜好をよくつかむことが大事。関東の豆がいいという人はさやがでかいのがいいという。裏日本の豆は小ざやであまり実らないうちに収穫するという栽培方法なので、束つきの豆を食べていた関東の人が裏日本の豆を見ると、なんだこの小さいのはという。

 そこのところをよく説明しないと裏日本の豆は売れない。酒田のだだ茶豆にしても、新潟の茶豆にしても大体が小ざやで若どりだ。これを完熟させて収穫すると真っ赤っかのものになる。だから、市場では品物をよく見て、青さの残っている若どりの豆を選ぶと香りがよい。ちょっと赤い色がまじると、味がねぼけた感じになる。買うときによく色をみて、若どりのものを仕入れてほしい。 

 トウモロコシはいつもふかして1本200円で100本前後売っているが、きのうは焼いてみて販売し、最初はそのままだったが、次にお醤油をつけてみた。

 1本180円、3本500円、焼いたのは1本200円で売ったが、昨日と一昨日で5ケースくらい売った。
 ふだんからお客さんに提案していると、今度こういうのが出たよと説明すればお客が信じてくれる。定番ばかり売っている店はお客がとびついてくれない。
 
 八百屋塾が始まったころ、東京青果の村木部長からETカボチャの説明があった。このときはまだ他の市場では買えなかった。

 カボチャはやはり各産地、旬の時期とのかねあいがあるが、北海道の『森のみやこ』は若干若切りのような気がする。産地が切り替わる時期は特に、新しいものにとびつきたい気持ちはわかるが、中身をよく知っていないと高くて悪いものをつかむことがある。

 産地の切り替えのときに、しっかり自分で味をみてほしい。

 北海道のジャガイモだからなんでもホクホクしていると思うと大間違い。

 うちの店では、カボチャはほとんど1/4カットで200(5個玉)〜250円(4個玉)で売っている。カボチャの場合、ある程度おいしいものを売り込んでいけば後は値段の問題ではなくなる。

 スイカもそうだが、カボチャは切って売ると種の具合などよくわかる。日本カボチャは調理方法が難しいので、調理方法をお客さんに伝えれば売れると思う。若い人にはプッチィーニなど小さいカボチャが売れる。

中のわたをとってラップし電子レンジで6〜8分、ラップがふくらんでくればできあがりとすすめるとよい。


品種の紹介
南瓜

栃木 JAうつのみや南河内営農 イーティ
園研育成品種。イーは園研(E)、ティーは栃木(T)の略。みやこと中山南瓜の交配から生まれた粉質の南瓜。

北海道 GM商会(伊達) イーティ
園研育成品種。イーは園研(E)、ティーは栃木(T)の略。みやこと中山南瓜の交配から生まれた粉質の南瓜。

北海道 JA新はこだて森基幹支店 みやこ
園研育成、販売はサカタ。えびすよりやや小ぶりで味が良い。森のみやこはこの時期代表的なブランド。

   

小菊南瓜

石川 小菊
日本南瓜。ねっとりとして風味がある。能登の中島町で特産品となっている。

赤皮南瓜

石川 金沢市 打木(うつぎ)赤皮甘栗南瓜
加賀野菜の―つ。金沢市打木の農家が、昭和8年に「会津栗」(西洋種)を導入、選抜育成。

プッチーニ

熊本 JA熊本宇城小川 プッティーニ
レンジで3〜4分。オレンジ色を生かして詰め物に。

ぼっちゃん

千葉 JA佐原市 坊ちゃん
肉質は粉質で甘みが強いミニ南瓜。レンジ加熱6〜8分。

ズッキーニ(緑)

長野 JAさくあさま佐久 ラペン
ノバルティス・シードの品種。長野県で多く作られている。

ズッキーニ(黄色)

北海道 JA美唄市 オーラム又はイエロートスカ
黄色のズッキーニ。彩りに。

ズッキーニ(丸)

長野 JAさくあさま佐久 不明
ヨーロッパでは一般的。詰め物などに。

冬瓜

愛知 JAあいち知多知多営農 琉球
表皮の緑が濃<、果肉が純白。

   

神奈川 JA三浦市 在来系
在来種を独自に交配し、育成している。

   
茶豆  

秋田 JA全農あきた県南園芸センター 湯あがり娘
茶豆の風味を持つが、外見は白毛と同様。ショ糖の含有量が多いと言われている。

山形 JA鶴岡市 白山だだちや
だだちや豆の認定品種の中で、地元の人が本豆というのが白山だだちやで、味・風味がΓ脊のっている品種。(8月中下〜9月始)

新潟 JA白根市 小平方茶豆
西蒲原郡黒埼の小平方にひらかた)の地域で明治後期に鶴岡から持ち込まれただだちや豆を栽培し、独自の品種に固定されたもの。黒埼茶豆(新潟茶豆)として出回っている。(8月〜9月中)

群馬 沼田利根蔭菜出荷組合 湯あがり娘他
「天狗」の中で「味緑」というブランド名。白毛と茶毛の交雑種を用いている。

   

試食と荒井慶子先生の説明

◎蒸してあるカボチャ(ETと『森のみやこ』)

*北海道のETカボチャは、食べておいしいが、お客様から「栗カボチャないですか」といわれた場合は『森のみやこ』のほうが粉っぽくて素人受けするかと思った。どちらも甘味があってカボチャそのものとしてはおいしい。

*お客さん的にはETのほうがいいと思うが、みやこの方がおいしいか。

◎小菊カボチャの煮物
◎赤皮カボチャのスープ

【荒井先生】
赤皮のカボチャはスープにするとおいしいということで作った。一般に、スープはタマネギを軽く炒め、カボチャやジャガイモを入れて、ちょっとバターを入れ、煮てやわらかくなったら、裏ごしするのだが、今日はちょっとザルをくぐらせたぐらいにした。それに牛乳を足したのだが、もっとおいしくするには水分を多くし生クリーム入れるとコクが出る。

*赤皮のカボチャは西洋カボチャだが、肉質がやわらかい。みやこはきめがこまかい
*日本カボチャ、小菊はとてもおいしく、母親の味に近かった。ETとみやこは、みやこの方が水分がある気がした。ほくほく系とねっとり系、どちらもおいしかった。
*小菊はやわらかく、とろみがあり、甘味があり、後に残らずおいしかった。
*小菊はねっとりして食べやすくおいしかった。最初のはETがおいしかった。

◎エダマメ(3点)塩ゆで(山形のだだちゃ豆、新潟の茶豆、群馬の味緑)、ゆで時間は5分

*新潟のは風味といい味といい今の時期ではよかった。群馬の味緑は店におかないほうがいいと思った。山形のは思ったよりも味がなかった。
*山形のは印象深い。新潟の茶豆がおいしい。群馬のを店で売ったときはもっとおいしい気がした。
*新潟がおいしかった。
*味緑とだだちゃ豆を売っているが、味緑は店のと味が違う。
*味緑はその日によって味が違う。お客さんにもよくいわれるし、売っていてもわかる。
<概して新潟産の評判がよく、群馬産が不評だった。ゆで方についても、ゆで時間が同じわりに、かたい、やわらかいといったコメントもいくつかあった。>

◎冬瓜のサラダ

【荒井先生】冬瓜は皮をむき、繊維に直角に切って、塩をかけ、しみたころに洗って、青じそなど好みのドレッシングをかける。

*若い人に手のこんだ料理は難しいが、こういうのをサラダ感覚で出せばいい。
*煮たり、あんかけをしたりというイメージしかなかったが、新しい食べ方なので試食をかねて教えたい。カット売りすると残ってしまうが、手軽に食べられるので受けるではないかと思う。
*冬瓜のサラダが一番印象に残っている。手早く簡単で身体によいということで売り込めばかなり売れると思う。

◎ズッキーニ

【荒井先生】ズッキーニをフランスやイタリアで一番よく使うのはラタトゥイユという夏野菜をぐつぐつ煮込んだ料理。これにはズッキーニが欠かせない。ズッキーニがなかったころはキュウリで作ったが、みずっぽくなっておいしくなかった。ズッキーニがきてから本物のラタトゥイユができるようになった。
 ズッキーニは青いのと黄色いのと同じようだが、黄色いほうが肉質が緻密に思われる。ヨーロッパといってもフランス、イタリア、スペインで、夏にいっぱい作り、ほうろうの容れ物に入れ、冷蔵庫に入れ冷たくしてサンドイッチにかけたり、温めてピザにしたり、常備菜のように作られている。日本の場合、加熱用のトマトが少ないので、水っぽくなってしまう。加熱用のものを使うとよい。
 みそ味で作ると和風ラタトゥイユで、日本人向けでおいしい。
 ズッキーニはラタトゥイユに入れる場合、大きいと果肉が緻密でなく、舌触りがざらつく。西洋では中の種を出し、肉詰めして煮込んだりグラタンにしたりして使う。
*ラタトゥイユとか冬瓜のサラダなどおいしくいただいた。

◎そうめんかぼちゃ 青じそをかけてある。

*カボチャはETが味が濃くておいしかった。赤皮のスープはとろみ感がなく、あっさりしている。枝豆はだだ茶が一番おいしかった。
*カボチャもETがよかった。みやこは完熟ではないのかという気がした。皮と実の部分の境目が青く、青みがだいぶ厚く残っていたので、その分水っぽさがあり、味に青臭さが残っていた。その意味でETのほうがおいしく食べられた。最初にETを一口食べたときに栗なのではないかと思ったぐらいおいしかった。
小菊は、日本のカボチャの形を崩さないで煮るというのが好きなのでおいしかった。
赤皮のスープはあっさりしているので夏場冷たくしていただくにはいいと思った。
枝豆は山形のものは好きな人にはたまらない味、新潟は中間的、味緑は味がなかった。冬瓜サラダはおいしく食べたが、ウリ類は生がおいしいのでこれからも食べたい。そうめんかぼちゃもおいしかった。
*ズッキーニは大きくてもおいしいという人もいれば、大きくなると食味はどうなのかというのがちょっとわからない。冬瓜みたいな目からウロコの食べ方があるのか。カボチャは皮がかたくてカットできないのがあるが、切り方をご存知の方がいれば教えていただきたい。