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2006年(平成18年) 12月17日 (日) 第9回
「みそ」と「醤油」の話し

 みその話

社団法人 中央みそ研究所 藤波博子先生

■みその基本的な話

  みその種類は地域やメーカによって数多くありますが、一般的には麹の種類で分類されます。

 みそには必ず麹が使われています。米を麹にして、煮たり蒸したりした大豆と食塩を合わせて造ったみそ――これが米みそです。会員メーカーが作っているみそと会員外のメーカーが作っているみそを合わせると年間約60万トンのみそが生産されています。このうち約80%が米みそです。米を麹にしたみそということです。米の代わりに大麦やはだか麦を麹にして作ったみそ――これが麦みそで約10%。

 それからもう一つは米とか麦を使わず、大豆のみを発酵・熟成させ樽の周りに豆玉を付けて作るのが豆みそです。これが約5%です。

 残りが調合みそ、いわゆる合わせみそです。

   原料による分類の原料とは麹の原料です。JAS法上では、米みそ、麦みそ、豆みそそれに合わせみそ(調合みそ)の4種類です。

  さらに別の分類では味や色による分類があります。みその味はどうやって決まるのかというと、みそには必ず食塩が使われていて、食塩の多いものは辛口みそ、食塩の少ないものは甘みそといわれます。

 それからもう一つ甘辛を左右するものについては麹の量があります。甘みそは麹の量が多く使われ、食塩が少ないみそが甘みそになります。辛口みそは、ある程度麹の量が少なく、その分食塩が多くなったものが辛口みそです。それから中間的なものもあります。
それから、麹も多いけれど食塩も多いみそもあります。例えば徳島県の御膳みそなどがそれです。まだ米が潤沢に使われないころから贅沢なみそとして、麹の量も多いがしょっぱさもあるというみそです。

  絶対にないみそは、麹も少なく食塩も少ないというみそです。こういうみそはありません。みそにはならないということです。

 味によって甘口、辛口と分けることができます。 麦みそも同様です。昔、関東の麦みそというのがありました。年輩のかたはご存知だと思いますが、東京の人は田舎みそと呼んでいたものです。東京には東京のみそがあって、その周辺から出てきたみそを田舎みそといっていましたが、これは麦みそでした。栃木、埼玉、群馬、茨城、山梨あたりでは麦麹を使ったみそが一般的に作られていました。たまたまみそが赤っぽい色だったので、今でも赤いみそのことを田舎みそということがあります。

  豆みそについては、甘辛の分け方はありません。これは1種類のみです。このように見ていくとみその80%が米みそで、その中の大部分が辛口みそです。

■地域的な特色

  甘みその代表的なものは、京都地方の甘いみそ。通称西京みそといわれるものです。それから、讃岐の白味などが知られています。こういったものが米みその中の甘みそといわれるものです。みそは地域名でいわれることが多いようです。例えば仙台みそ、信州みそ、讃岐みそ、西京みそ、秋田みそ、越後みそ、まだまだいっぱいあります。甘みその中で白い物については概ね西の方が中心となります。近畿、四国、岡山、広島などのものが首都圏にも出回っています。

 甘みその中で赤いものは、東京の江戸甘というみそです。甘みそですから、大豆に対して麹の割合が、大豆10、麹20位です。塩分は5%位のみそです。これは出来上がりが早く、1週間から10日で出来上がります。これが悪いわけではなく、そういうことが特徴となっているみそです。なぜそれが可能かというと、熱いうちに仕込み、50℃くらいの温度を一晩くらいかけ、それで糖化させて甘味を強くしているからです。関西ではお雑煮に使われています。最近は甘いものを嫌う風潮がありますが、郷土料理ではまだまだ甘いみそが使われています。

  甘みそでも、なぜ白い物と赤いものがあるかというと、大豆をどれくらい柔らかくするかによって違ってきます。白い甘いみそは大豆を煮て柔らかくしていきます。江戸甘は蒸しあげて柔らかくしていきます。無圧でじっくり蒸しあげていくので、仕込む前から大豆に色が付いています。べっこう色になるのが特色です。

  辛口みそは、仙台や越後、津軽など地域的には東北や関東位までが主です。代表的なものに仙台みそがあげられます。そのほかに信州みそなどが辛口のよく知られているものです。大豆10に対して、麹は5〜6位です。塩分は少し多くて12〜13%位です。したがって熟成期間はある程度必要です。

  日本海側のみそは麹みそが多く、秋田、山形、新潟、富山、石川、福井など米所が多いということが関係しているのかもしれません。

  麦みそについては、九州や四国、中国地方の一部が主になります。昔は関東にもあったのですが、現在は無くなってしまいました。米みそよりは麹の量が多く、麦の香りが少ししておだやかなみそだと思います。

  残りの豆みそは、生産量が少ないのですが、愛知と三重、岐阜の一部で作られている、特色のあるみそです。名古屋みそ、三州みそ、三河みそ、八丁みそなどいろいろな呼称や銘柄名で呼ばれていみそです。

 朝のNHK連続テレビ小説「純情きらり」で使われていたみそが豆みそです。大豆を玉にして麹にします。後は食塩と食塩水だけで作っていくみそなので非常に時間がかかります。出来上がりは旨みの強いみそとなります。調味料を入れなくても大豆の持っているアミノ酸が分解されて、イノミンが出てきます。

■みそ汁の効能

  食べるときのことを考えると、現在、食品の塩分含有量には過敏になり、減塩がいわれています。白い甘みそは塩分少ないから減塩がはかれるかというと、みそ汁にするときはあまり意味がありません。

 みそ汁を作るときは味を口で合わせます。美味しい塩分濃度は1%前後です。そうすると白い甘いみそは、倍の量を使います。ですからこってりとした甘みがあって食塩が1%のみそです。このため西京みそでお雑煮を作るときなどは金額のかかるお雑煮になってしまいます。

 仙台みそのように塩分が13%あるみその場合、使用するときにはやはり塩分を1%に合わせますから、そんなにみそを入れなくてもよいのです。味は薄めに仕立てても美味しいくらい大豆から分解した味があります。ですからさっぱりしたみそ汁となります。気温の高いときは、さっぱりしたみそ汁が美味しいと感じます。寒くなったときは白い甘いみそを少し入れて甘くしてやると、冷めにくいみそ汁になります。これが合わせみそということになります。季節によって合わせる分量を変えたりすることにより美味しいみそ汁が作れます。

  今日は、試食用の野菜が沢山並んでいますが、野菜はすべてみそ汁の具になります。みそ汁の具というのは魚、肉、野菜、海藻などなんでもよいのです。ただ、白い甘いみそについては、肉や油分の多い魚介類は合わないと思います。他のみそについてはどんな具でも問題ありません。

  野菜いっぱい使ったみそ汁のよい点は減塩を考える時です。野菜にはカリウムが多く含まれています。食塩を摂るときは一緒にカリウムを多く摂ると、食塩に含まれるナトリウムを身体の外に出す作用が働き、高血圧などの害を防ぐことができます。また、みそ汁にすることで野菜を多く摂ることができます。

  野菜を販売するときにでも、一口メモ的にこうしたことを話していただけるとありがたいと思います。

  最後に、本当に血圧が上がらないのかという点についてラットを使った実験結果をお話しします。ラットにも血圧の高いラットがいます。こういう高血圧症のラットを使い、みそを餌にしたもの、通常の餌、食塩を多くした餌を与えて一定期間育てたところ、みそを与えたラットの血圧が下がったということです。食塩を多くした餌を食べたラットはやはり血圧が上がったということです。ラットと人間ですからいろいろと異なる部分もあると思いますが、動物実験では一応の成果がでています。

  食塩を使っているから必ず血圧が上がるということではない。摂りようなのだということを理解していただきたいと思います。

社団法人中央みそ研究所

味噌に関する専門の専門の研究機関として昭和23年に設立されました。全味工連と協調しながら、大豆や米などの味噌原料としての加工適正試験や製品の品質保持に関する試験、市販品の調査分析、企業からの栄養分析試験の受託を行っています。

 味噌の持つ機能性に関する研究は大学や国立の試験研究機関などに委託し、そのすぐれた効用を印刷物やTV、新聞などに積極的に発表しています。

 技術の粋を極めた全国味噌鑑評会は秋の風物詩ともなっており、年毎に出品数も増え、600点に達する状況で、味噌の製造技術並びに品質の向上に寄与しています。
 ”味噌の知識”についての普及啓発のため、大学の講座や消費者の集い、カルチャースクールなどに随時参加し、味噌の話を講演しています。

 その他、味噌製造業の技術者を対象とした技術講習会を年数回実施し、伝統技術の継承、新しい技術開発、情報提供など、役立つ味噌製造技術の研修を行っています。

また、全国味噌工業協同組合連合会が指定認定機関となっている、HACCP手法支援法に基づく「味噌の高度化計画認定」の審査・運営にも協力しています。農水省総合食料局の「HACCP手法支援ホームページ」に、「味噌の高度化基準」が掲載されています。
全国味噌工業協同組合連合会の紹介文より

醤油について

日本醤油技術センター 水村津与志 先生

 醤油のラベルを見ていただくと、JASマークがついています。醤油工場は日本に約1400社あり、そのなかで、JASマークがつけられる認定工場は、約700工場あります。日本醤油技術センターは、その工場の調査や、醤油工場から出てきた醤油成分の試験をしたりしています。

  今回は醤油の作り方を中心にお話します。

■醤油の香り

 醤油は和食党の人にとって使わない日はほぼないといってよいと思います。醤油は海外でもかなり使われていて、すきやき、てり焼き、天ぷらのつゆ、すしなど幅広く使われています。なぜ醤油がこんなに好まれているのでしょうか。

 実はアメリカでは、醤油の焦げた香りがとても好まれ、加熱をするような使われ方が多いようです。

  野菜料理でもかなり使うと思います。たとえば大根おろし、おひたし、漬物(糠漬け)、肉じゃが、おにしめ、鍋類のつゆ、野菜炒めなどです。なかでも一番醤油の香りがわかるのは焼きトウモロコシです。

 食欲をそそる香りだと感じるのですが、加熱する食品が多いのが醤油の特徴だと思います。みなさんに質問したいのですが、醤油の香りは複数の成分でできています。では、何種類位の成分があるか、ご存知の方、いらっしゃいますか。

 実は300種類の香り成分が入っています。ただ蓋を開けてそのまま香りをかいだりしても、これが何の香りかとかはわかりませんが、測定器を使うと約300種類あるということです。では、どんな香り成分があるかというと、コーヒー、まつたけ、リンゴ、パイナップル、花のヒヤシンス、バラ、変わったところでは、ケーキのような甘いバニラの香りも入ってます。

  もちろん、これも開けてかいだだけでなく、加熱したときに出てくる香りなどを全部含めて約300種類ということになっています。ただ醤油を作るのには300種類も香りがあるといっても、実際に使う原料の種類は少ないです。

■醤油の原料

  まず、大豆。私ども食育の観点から「しようゆ博士の出前授業」をやっています。いろいろ小道具があるので今日はそれをもってきました。

  最近、原料の大豆はほとんどが輸入物です。もうひとつの原料である小麦もほとんど輸入物です。あと食塩は結構国産が使われ、一部輸入物があるという程度です。もちろんメーカーにより使う塩の粒の大きさなどがあり、そのあたりは企業秘密だったりすることが多いようです。大きく分けてこの3つが原料となっています。

 もう1つ醤油を作るのに大事なものがあります。それは麹菌です。米麹が強いのですが、試験管に麹菌を入れたのをもってきました。表面の緑色のものが麹菌になります。作り方ですが、まず大豆を蒸します。そのあと、小麦を炒った後に砕き、蒸した大豆と炒った小麦を混ぜ、そこに、麹菌を混ぜます。

 それをよく酒を造るときに、木の四角い板のようなところに米を並べて麹菌を増やす室があると思うのですが、同じように醤油でも麹室というところで麹を冷やします。30℃くらいの部屋で丸2日です。今日の昼に仕込んだら明後日の昼にできるような形です。丸2日ですが、足かけ3日ということで、「三日麹」といいますが、それが醤油麹です。

 醤油麹ですが、乾燥させたものを持ってきました。本物をもってくると、どんどん熱をもってだめになるので乾燥させた醤油麹をもってきました。

 実は、小豆島のある工場で醤油の手づくりキットというのがあり、これが今ごらんいただいている醤油麹です。これに塩分濃度23〜24%の食塩水で仕込み、発酵させます。

 それが約6ヵ月経つと、かなりドロドロの状態になります。「もろみ」といいます。それを布で搾ります。現在は風呂敷大の四角い布に醤油を広げ、布をたたみ、何段も重ねていって3日間くらいかけてじっくり搾っていきます。圧力をかけてもはやく搾れるものではないので、3日間くらいかけて搾っていきます。

 その後、出てくるのが醤油の搾り滓です。この搾り滓は、牧場にもっていくと牛が食べてくれます。食塩がまだ残っているので牛が喜んで食べてくれます。一部畑にも使われたという話もききましたが、食塩の関係で畑がだめになるという話もあります。現在、地方では牧場にもっていきます。都心に近い所では牧場がないので燃やしてしまいますが、塩分があるのでボイラーがすぐだめになりあまり歓迎されません。

■種類

 次に醤油の種類の説明をします。

 濃い口醤油は一般的な醤油です。消費量の約80%を占め、大豆、小麦と半々で使っています。大手だと6ヵ月位かけて搾っています。

 淡口醤油は「うすくち」と読みます。消費量は約15%で色が薄いのが特徴です。京風の煮物、色を鮮やかに仕上げるときに淡口を使います。ただ淡口といっても、濃口に比べ若干食塩は高く、約18%あります。淡口はそのまま使われることはほとんどなく、煮物などに使われます。

 醤油自体の食塩は濃いですが、実際口に入るときは濃口よりも薄く感じます。原料配合は大豆と小麦と半々ですが、特徴としては米を加えます。米といっても、米をそのまま蒸して使うのでなく、甘酒にして搾る直前のもろみに加えることで、色もきれい、味もまろやかになります。

 たまり醤油は、八丁みそとか、赤だし、豆みその流れをくむような醤油です。作られたものも愛知県、岐阜県、三重県などで多く。たまり醤油の特徴としては原料はほとんど大豆です。小麦は使ってもごくわずかです。ですから、非常に色も濃く濃厚な醤油です。
続いて再仕込み醤油というのは、山口県、北九州を中心にして作られています。島根、宮崎などでも作られます。

 作り方に特徴があります。原料としては大豆と小麦半々ですが、食塩水の代わりに醤油を使います。だから、非常に濃厚な醤油になります。醤油麹を食塩水で仕込む代わりに醤油で仕込むので名前も再仕込み醤油ということになっています。ですから、これも非常に濃厚でドロッとした醤油になり、刺身、寿司、冷や奴などに使われています。

 あと白醤油。これもなかなかみなさんは、目にすることが少ないと思います。特に愛知県で作られています。淡口醤油よりもさらに色が薄く、麹の香りが非常に強い。原料の配分がたまり醤油と全く逆で、ほとんどが小麦、大豆は使っても少しだけしか使わないのが特徴で、発酵の期間を短めにし、発酵時の温度もなるべく低く発酵させることによって色を薄く仕上げます。茶碗蒸し、だし巻き卵など、淡口よりもさらに色を出さない料理に使っています。

 味の特徴としては、白醤油は糖分が非常に多いです。ふつうの濃口、淡口は、糖分が2〜3%ですが、白醤油は10%以上で、かなり甘い。その代わり、大豆が少ないので旨みの成分が少ないのが特徴です。

 刺身醤油といって売られているものは、いろいろあります。

 濃口醤油、再仕込み醤油の刺身醤油もあれば、いわゆる醤油にだしを加えたような刺身醤油もあります。だいたい共通していえるのはちょっとトロッとした感じで、刺身につけたときに絡みがよいような醤油が多くなっています。

■保存方法

 醤油の保存の方法で多いのは、流しの下などに置く方が多いのですが、実は流しの下はあまりよくありません。一番醤油にとってよくないのは直射日光、熱、酸素です。直射日光がだめなので窓際がよくない。店も日の当たるところはあまりよくない。熱ということからいえば窓際、ガスコンロの横もよくない。

 流しの下は昔はよい所だったのですが、今は洗い物でお湯を使うので排水のパイプが通っている流しの下は温度が高くなるので醤油の保存には向きません。

  逆にガスコンロの下のほうがまだいいかもしれません。一番よい方法としては、醤油を買ってきて、なるべく小さいガラス瓶を数本用意し、小分けして保存することです。醤油さしで売っている醤油がありますが、あれを使い終わったらとっておいてください。その後、特売などで大きいサイズを買ってきたら、醤油をそのガラス瓶になるべく小分けにし、酸素にふれないように口いっぱいまで入れて保存しておくと、醤油の栓を開けたばかりのきれいな色と香りが保たれます。

 そのように、小さな瓶にギリギリ入れれば冷蔵庫に入れておかなくてもそう悪くはなりません。ただ1回開けて使い始めて、徐々に空気の部分が多くなってきたものについては冷蔵庫に入れていただいたほうがよろしいでしょう。やはり酸素にふれるとどうしても醤油の色が黒くなってきて、香りもだいぶ変わってきますので、いまお話したような保存方法をしてほしいと思います。

質問

1)特売用の醤油とそうでない醤油で中身は違うのか。

 変わらないと思います。特売用に別のラインで詰めるのはかえって工場としては手間になります。醤油の作り方として、もろみのところで、アミノ酸液を加えることがあります。これは安くできるからというわけではありません。アミノ酸液を使った醤油を関東地方で探してもほとんど見つからないと思います。
 これは実は九州のほうで非常に好まれていて、アミノ酸液を使っている醤油のほうが本醸造の醤油よりも高いというケースが九州の方ではよくあります。
 アミノ酸液を使っている醤油が安いのかという質問がありますが、実際のところはそうでなくて、スーパーの販売戦略と考えたほうがよいと思います。お醤油は特売しているときに買われる方が多いでしょうが、大豆、小麦、食塩水、これだけの原料を使って、6ヵ月もかかって醸造しているのですから、あまり安く買われると醤油屋さんは困ります。
 
2)加工大豆と丸大豆とでは味的な特徴はありますか。

 丸大豆醤油はふつうの大豆だけを使って、大豆の脂を醸造中にとります。ふつうの醤油は脱脂加工大豆を用います。先に大豆から脂分を搾りとったものです。
 味の違いは、丸大豆醤油の方が味がまろやかで、香りも穏やかです。醸造中に脂に吸収される成分とかありますのでまろやかな感じになります。
 逆に、脱脂加工大豆を使ったものは味がキリッとして丸大豆よりも強い。たとえばお魚の生臭さをとりたいようなときは丸大豆でなく、脱脂加工大豆を使った醤油のほうが生臭さのマスキングという点から考えればいいかもしれません。いちがいにどちらがよいというわけでなく、使い分けだと思います。
 実際に同じメーカーの中で、脱脂加工大豆と丸大豆を使ったものを比べてみればわかりますが、会社が違うところを比べると、どちらが丸大豆かわからないでしょう。かなり微妙な違いがあります。

3)油分が多い大豆、少ない大豆、どちらの方がよいのか。

 醤油の場合、油分があっても捨ててしまうので、油は少なめのほうがいい。逆にたんぱく質が多い。小麦は主に澱粉原料として使われますが、旨みの成分のもろみはたんぱく質が多いものがよく使われます。

4)中国や日本の大豆の方が脂分が少ない。カナダ、アメリカ、ブラジルの方が脂分が多い。大豆は脂分の少ないものを使っているのか。

 確かにそうかもしれない。ただ国産の大豆は需要が少ない。

 アメリカやカナダの大豆と中国と国産の大豆との違いについて。かつては確かにアメリカやカナダの大豆は脂分が多かったが、最近は品種改良していて脂分が少なくなっている。みそ用は脂分が少ないほうがよい。というのも、蒸したときに脂が多いと水となじまないから。したがって、炭水化物が多いほうがみそ用としてはよいといわれている。昔、満州大豆が日本で相当使われた時代があり、いまでも中国産大豆はよいと思っています。

 
5)安い醤油は色をつけるとか、添加物を入れるときいたが。

 着色料としてはカラメル色素が使われます。スーパーでラベルをごらんになっていただけるとわかりますが、カラメル色素をつかっている醤油は関東地方ではないと思います。再仕込み醤油、たまり醤油など色が濃いものについては使っているところもありますが、添加物が多いからといって安いとは限りません。売る側の販売戦略といえるでしょう。

7)昔のように地元でとれた大豆で地元で加工するというような作り方をしている工場はいまでもありますか。
 
 醤油工場は1400社以上あります。1人当たり1年間7〜8リットル位使うぐらいの量が生産されていますが、半分の量が大手5社で製造されています。

 残りの半分が30社位を占めます。1400工場あるうち約40工場で8割を生産していることになります。そういう工場ならば、地場の大豆、麹を使って作ることも可能ですが、現実はかなり少ない。地場の豆を使った醤油はその旨をラベルに書いて売っているケースが多いのですが、数えるほどしかないと思います。

しょうゆ情報センター:財団法人日本醤油技術センター  http://www.soysauce.or.jp/about/gijutsu.html
しょうゆ情報センター http://www.soysauce.or.jp/

橋本講師の話

・ミカンについて
JAとぴあ浜松三ケ日 (青島)
JAありだAQ (向山系)
JA紀南 木熟(早生)
JA紀南 木熟201 (早生)
JAにしうわ日の丸 千両(南柑20号)
JAにしうわ真穴 (南柑20号)
宇和青果玉津 特選(南柑20号)
JAえひめ中央 (南柑20号)
JA越智今治 サンエース(菊間中生)
JAえひめ中央中島 中島便り(南柑20号)
JA熊本うき スーパーうきっ子(尾崎温)
について話をしました。

・今年は気温が高いのでどうしても傷みがでる。地方発送などするときなどは充分注意する。箱をあけて、全部調べてから傷んでいるものがあったら、取り除いて発送すること。

 このあと、次のことが行われました。
☆東海林講師による品目の説明(配布資料参照あり)
☆江澤先生の話
☆大根(生、煮たもの)、ネギ(生、煮たもの)の試食・感想
☆杉本青果店の杉本さんが自店で漬けている山東菜の漬物について説明、試食
☆ゲストによるキノコの説明
(音声がうまくききとれず)