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みその話
社団法人 中央みそ研究所 藤波博子先生
■みその基本的な話
みその種類は地域やメーカによって数多くありますが、一般的には麹の種類で分類されます。
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みそには必ず麹が使われています。米を麹にして、煮たり蒸したりした大豆と食塩を合わせて造ったみそ――これが米みそです。会員メーカーが作っているみそと会員外のメーカーが作っているみそを合わせると年間約60万トンのみそが生産されています。このうち約80%が米みそです。米を麹にしたみそということです。米の代わりに大麦やはだか麦を麹にして作ったみそ――これが麦みそで約10%。
それからもう一つは米とか麦を使わず、大豆のみを発酵・熟成させ樽の周りに豆玉を付けて作るのが豆みそです。これが約5%です。
残りが調合みそ、いわゆる合わせみそです。
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原料による分類の原料とは麹の原料です。JAS法上では、米みそ、麦みそ、豆みそそれに合わせみそ(調合みそ)の4種類です。
さらに別の分類では味や色による分類があります。みその味はどうやって決まるのかというと、みそには必ず食塩が使われていて、食塩の多いものは辛口みそ、食塩の少ないものは甘みそといわれます。
それからもう一つ甘辛を左右するものについては麹の量があります。甘みそは麹の量が多く使われ、食塩が少ないみそが甘みそになります。辛口みそは、ある程度麹の量が少なく、その分食塩が多くなったものが辛口みそです。それから中間的なものもあります。
それから、麹も多いけれど食塩も多いみそもあります。例えば徳島県の御膳みそなどがそれです。まだ米が潤沢に使われないころから贅沢なみそとして、麹の量も多いがしょっぱさもあるというみそです。
絶対にないみそは、麹も少なく食塩も少ないというみそです。こういうみそはありません。みそにはならないということです。
味によって甘口、辛口と分けることができます。
麦みそも同様です。昔、関東の麦みそというのがありました。年輩のかたはご存知だと思いますが、東京の人は田舎みそと呼んでいたものです。東京には東京のみそがあって、その周辺から出てきたみそを田舎みそといっていましたが、これは麦みそでした。栃木、埼玉、群馬、茨城、山梨あたりでは麦麹を使ったみそが一般的に作られていました。たまたまみそが赤っぽい色だったので、今でも赤いみそのことを田舎みそということがあります。
豆みそについては、甘辛の分け方はありません。これは1種類のみです。このように見ていくとみその80%が米みそで、その中の大部分が辛口みそです。
■地域的な特色
甘みその代表的なものは、京都地方の甘いみそ。通称西京みそといわれるものです。それから、讃岐の白味などが知られています。こういったものが米みその中の甘みそといわれるものです。みそは地域名でいわれることが多いようです。例えば仙台みそ、信州みそ、讃岐みそ、西京みそ、秋田みそ、越後みそ、まだまだいっぱいあります。甘みその中で白い物については概ね西の方が中心となります。近畿、四国、岡山、広島などのものが首都圏にも出回っています。
甘みその中で赤いものは、東京の江戸甘というみそです。甘みそですから、大豆に対して麹の割合が、大豆10、麹20位です。塩分は5%位のみそです。これは出来上がりが早く、1週間から10日で出来上がります。これが悪いわけではなく、そういうことが特徴となっているみそです。なぜそれが可能かというと、熱いうちに仕込み、50℃くらいの温度を一晩くらいかけ、それで糖化させて甘味を強くしているからです。関西ではお雑煮に使われています。最近は甘いものを嫌う風潮がありますが、郷土料理ではまだまだ甘いみそが使われています。
甘みそでも、なぜ白い物と赤いものがあるかというと、大豆をどれくらい柔らかくするかによって違ってきます。白い甘いみそは大豆を煮て柔らかくしていきます。江戸甘は蒸しあげて柔らかくしていきます。無圧でじっくり蒸しあげていくので、仕込む前から大豆に色が付いています。べっこう色になるのが特色です。
辛口みそは、仙台や越後、津軽など地域的には東北や関東位までが主です。代表的なものに仙台みそがあげられます。そのほかに信州みそなどが辛口のよく知られているものです。大豆10に対して、麹は5〜6位です。塩分は少し多くて12〜13%位です。したがって熟成期間はある程度必要です。
日本海側のみそは麹みそが多く、秋田、山形、新潟、富山、石川、福井など米所が多いということが関係しているのかもしれません。
麦みそについては、九州や四国、中国地方の一部が主になります。昔は関東にもあったのですが、現在は無くなってしまいました。米みそよりは麹の量が多く、麦の香りが少ししておだやかなみそだと思います。
残りの豆みそは、生産量が少ないのですが、愛知と三重、岐阜の一部で作られている、特色のあるみそです。名古屋みそ、三州みそ、三河みそ、八丁みそなどいろいろな呼称や銘柄名で呼ばれていみそです。
朝のNHK連続テレビ小説「純情きらり」で使われていたみそが豆みそです。大豆を玉にして麹にします。後は食塩と食塩水だけで作っていくみそなので非常に時間がかかります。出来上がりは旨みの強いみそとなります。調味料を入れなくても大豆の持っているアミノ酸が分解されて、イノミンが出てきます。
■みそ汁の効能
食べるときのことを考えると、現在、食品の塩分含有量には過敏になり、減塩がいわれています。白い甘みそは塩分少ないから減塩がはかれるかというと、みそ汁にするときはあまり意味がありません。
みそ汁を作るときは味を口で合わせます。美味しい塩分濃度は1%前後です。そうすると白い甘いみそは、倍の量を使います。ですからこってりとした甘みがあって食塩が1%のみそです。このため西京みそでお雑煮を作るときなどは金額のかかるお雑煮になってしまいます。
仙台みそのように塩分が13%あるみその場合、使用するときにはやはり塩分を1%に合わせますから、そんなにみそを入れなくてもよいのです。味は薄めに仕立てても美味しいくらい大豆から分解した味があります。ですからさっぱりしたみそ汁となります。気温の高いときは、さっぱりしたみそ汁が美味しいと感じます。寒くなったときは白い甘いみそを少し入れて甘くしてやると、冷めにくいみそ汁になります。これが合わせみそということになります。季節によって合わせる分量を変えたりすることにより美味しいみそ汁が作れます。
今日は、試食用の野菜が沢山並んでいますが、野菜はすべてみそ汁の具になります。みそ汁の具というのは魚、肉、野菜、海藻などなんでもよいのです。ただ、白い甘いみそについては、肉や油分の多い魚介類は合わないと思います。他のみそについてはどんな具でも問題ありません。
野菜いっぱい使ったみそ汁のよい点は減塩を考える時です。野菜にはカリウムが多く含まれています。食塩を摂るときは一緒にカリウムを多く摂ると、食塩に含まれるナトリウムを身体の外に出す作用が働き、高血圧などの害を防ぐことができます。また、みそ汁にすることで野菜を多く摂ることができます。
野菜を販売するときにでも、一口メモ的にこうしたことを話していただけるとありがたいと思います。
最後に、本当に血圧が上がらないのかという点についてラットを使った実験結果をお話しします。ラットにも血圧の高いラットがいます。こういう高血圧症のラットを使い、みそを餌にしたもの、通常の餌、食塩を多くした餌を与えて一定期間育てたところ、みそを与えたラットの血圧が下がったということです。食塩を多くした餌を食べたラットはやはり血圧が上がったということです。ラットと人間ですからいろいろと異なる部分もあると思いますが、動物実験では一応の成果がでています。
食塩を使っているから必ず血圧が上がるということではない。摂りようなのだということを理解していただきたいと思います。
社団法人中央みそ研究所
味噌に関する専門の専門の研究機関として昭和23年に設立されました。全味工連と協調しながら、大豆や米などの味噌原料としての加工適正試験や製品の品質保持に関する試験、市販品の調査分析、企業からの栄養分析試験の受託を行っています。
味噌の持つ機能性に関する研究は大学や国立の試験研究機関などに委託し、そのすぐれた効用を印刷物やTV、新聞などに積極的に発表しています。
技術の粋を極めた全国味噌鑑評会は秋の風物詩ともなっており、年毎に出品数も増え、600点に達する状況で、味噌の製造技術並びに品質の向上に寄与しています。
”味噌の知識”についての普及啓発のため、大学の講座や消費者の集い、カルチャースクールなどに随時参加し、味噌の話を講演しています。
その他、味噌製造業の技術者を対象とした技術講習会を年数回実施し、伝統技術の継承、新しい技術開発、情報提供など、役立つ味噌製造技術の研修を行っています。
また、全国味噌工業協同組合連合会が指定認定機関となっている、HACCP手法支援法に基づく「味噌の高度化計画認定」の審査・運営にも協力しています。農水省総合食料局の「HACCP手法支援ホームページ」に、「味噌の高度化基準」が掲載されています。
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| 全国味噌工業協同組合連合会の紹介文より |
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